乞文
雨の日は会えない 晴れた日は君を想う
今夜はこんな邦題の映画を観ようと、久しぶりにキャンドルに灯をつけました。映画がはじまって、5分で妻がなくなりました。それ以上の感想はここで書くのはやめにしておきます。もしもあなたがこの映画を観たら、続きはその時にでも話しましょう。
映画を観ながら、いろいろなことをぼんやりと考えました。言葉にできるほどはっきりとした考えはあまり浮かんではきませんでしたが、例えば、永遠の愛だとか、本当に大切なものというのは、この世に存在するのでしょうか。私には永遠というものがいまいちよく分かりません。私にとっては、幸せも、安らぎも、不幸でさても永くは続かないことのように思えるのです。自分の感情や、愛情や、思考といったものが、いつまで続くのかも分かりません。そんな私のころころと変わる気まぐれな思いつきや、深まり続ける思慮は、私にとっての生きる楽しみでもあり、あなたにとっての魅力であれたらと思います。ですが、きっといつまでも続かない、そんな漠然とした不安だけは、雨の日も、晴れた日も、いつまでも澱のように底のほうにずっとある気がします。
会いたくて、寂しくて泣きたくなるような夜に、あなたを想いながらこんなことを考えている私は、他人に言わせれば "変わっている" "変なやつ" なのかもしれません。確かにちぐはぐな考えで、感情は脆くて、おかしいのかもしれません。ですが、だからこそ、私という自我を持った人間は、たった一人の存在なのだと思います。すごく面倒くさくて、自分という人間にひどく疲れる日もあるけれど、私はきっと死ぬまでこんな私と一緒に生きていくのだろうと思います。あなたが、死ぬまで"あなた"という変わりゆく人間と一生を共にするのとおんなじです。半分諦めに近いような、斜に構えた考え方なのかもしれませんが、そう考えると、どうせ離れ難い存在なのだから、うまくやっていこう、すきになろう、と思えるようになりますし、その方が、自分を忌み嫌う辛い人生よりも、ずっと幸いなものに思えます。
とはいえ、他人となると話はまた別のものですので、あなたがいつまで私のことを愛するのか、それは私にも、きっとあなたにも分からないことです。だから、あなたにはどうか、自分のことを愛せる強い人であってほしいと願います。もしもいつか、私と別れる日が来ても、あなたには、幸せになる力を持ったあなたでいてほしいと思います。どうか、いつまでもあなたの幸せが続きますように。そんなことを夢みています。
今日も貴方を愛しています。
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