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2021年はm.o.v.eが流行る

流行りません。

なぜかタイムラインのオタクたちの間で『リモートワークしながらイニシャルDを観る』のが流行っています。もうすぐ2021年です。大丈夫?

実際私も今観ているのですが、狂った運転で峠を爆走する豆腐屋の青年(中学生の頃からの常習犯)、普通に援交をしているヒロイン、迫力あるサウンドに反してプレステのムービーみたいな車のCGなど、令和作品には無い迫力と狂気がそこに存在します。車に詳しくなくても十二分に楽しめるので皆さんもリモートワークのお供にどうぞ。

さて、イニシャルDといえば?SUPER EUROBEAT?それは一旦忘れてください。そう、『m.o.v.e』ですね。1997年のデビュー以降、イニDとのタイアップを続け、作品とともに歩んできた音楽ユニットです。昨今イニDが爆流行りしている(*1)ことから、2021年のアニクラでm.o.v.eがヘヴィープレイされるのは確実と言える(*2)でしょう。

これはm.o.v.eの大ファンである僕としては当然見過ごせない状況です。今回は僕のチョイスで、m.o.v.eのマストな楽曲をいくつか紹介させてください。イニDのタイアップ曲はもちろん、それ以外の楽曲も素晴らしく、またクソ面白いMVが付いています。YouTubeで公式がMVを公開しているので併せてご覧ください。着うた©︎配信中です。

1. ROCK IT DOWN

まずは1997年のデビューシングルから。デビューシングルっぽくない、あんまりキャッチーじゃないテクノナンバーからm.o.v.eのリリースは始まります。サビ以外はmotsuのラップという攻めた構成です。この曲はイニDの劇中、『樹が事故って入院して拓海がキレる』というパッとしないシーンで一瞬流れます。派手さはないですがm.o.v.eのストイックなデジタルサウンドの方向性を明確に打ち出した曲です。

2. Rage your dream

1998年の4thシングル、イニD最初のエンディングです。初期の名曲。当時イニDを観ていた人はエンディングが全編この曲のPVでびっくりしたんじゃないでしょうか。めちゃくちゃにクサいピアノのイントロから、なんか黒くなったyuri、全身花柄ボディペイントで異様な動きをするmotsu、めっちゃオカマっぽいメイクのt-kimuraなど、アニメのEDにブチ込むにはインパクトが強すぎるMVでイニD視聴者に強烈な印象を残しました。また、イニD本編で庄司慎吾がクラッシュするシーンではこの曲がイントロから挿入され、あまりの悲壮感から作品ファンには『廃車のテーマ』として親しまれています。

3. words of the mind

2000年の8thシングル。哀愁溢れるクサメロが涙を誘います。ややトランスに接近しているトラックで、m.o.v.eテクノ・ハウス期の集大成的な一曲。過去一メイクと髪がダサいyuri、曲中何故かもがき苦しんで最終的に死ぬドレッドヘアーのmotsuなどPVも見所満載です。なぜか2009年ごろにももいろクローバーによってカバーされ、ライブの定番曲になっているらしいです。なんで?

4. Gamble Rumble

2001年の10thシングル。みんな知ってるやつですね。『頭文字D Third Stage』オープニングテーマで、紛れもなくm.o.v.e最大のセールスを叩き出した曲です。m.o.v.e全盛期。BPM152のアッパーなユーロビートで、ワンピースのドフラミンゴの2Pカラーみたいな格好のmotsu、カジノっぽさを演出するためだけに出てくる外人女などPVもとにかくハイテンション。なお、この曲は桃井はる子によってカバーされることになります(その際、motsuのラップは新録している)。

5 . FLY ME SO HIGH

2001年の12thシングル。高揚感溢れるトランスポップナンバーでファン人気の高い一曲。この楽曲以降、t-kimuraはトランスをj-popに落とし込む方法を模索していきます(個人的に一番好きな時期)。サビでmotsuが一生合いの手を入れてるのが面白いですね。MVはブルスク合成感が強く、手からなんか放つmotsu、謎の魔法陣、増えるt-kimuraなどが観測できます。

6. come together

13thシングル。m.o.v.eの楽曲中、最もトランスのフォーマットに寄せてきた一曲。PVカット(radio edit)も5分以上ありますが、CD収録のoriginal mixは演奏時間11分22秒を誇り、最初のmotsuのヴァースに到達するまで2分44秒もの時間を要します。宇宙的な広がりを感じさせるトラックにyuriのボーカル、motsuが9.11事件に触発されて書いたとされるシリアスなリリックが乗る渾身の一作。必聴です(長いですが……)。それと、B面曲『Blue Jewel』もめちゃくちゃダサい三連符トランスで良曲なのでおすすめです。

7. Romancing Train

Trance期のm.o.v.e大好きなのでめちゃくちゃ紹介してしまう。2002年の14thシングル。こっちもトランスしていますが、先ほどのcome togetherに比べるとかなりポップスに寄せた、聴き易い楽曲になっています。この時期最高のメロディーのエモさ。motsuも苦しそうにrapを挟んでいます。『FF:U 〜ファイナルファンタジー:アンリミテッド〜』という誰も知らないアニメのエンディングテーマなんですが、過去に一度だけアニクラで聴いたことがあり、今なおこの曲がコア・オタクのマインドに息づいているのを感じました。

8. ¡WAKE YOUR LOVE!

2002年冬の16thシングル。先ほどまでのトランスはどこへ行ったのか、突如m.o.v.eはラテンポップスに傾倒し始めます。なんでだよ。t-kimuraのすごい点として、ラテンもめちゃくちゃ上手い。すごくツボを抑えたノリの良いラテンポップスを出してきます。あと、このPVからyuriの顔が変わります。なんか声も少し太くなっており、若干歌の上手さすら出てきました。一体何が……?

9. Painless PAIN

18thシングル。ラテンポップスはアルバム曲含め4曲ほどで終わり、突如ネガティブなロックテイストの曲が出てきました。方向性定まらなすぎる。気怠げなABメロから、motsuの歌唱を挟んでyuriの切迫したCメロという変則的な構成。PVですが、砂の入ったデカい箱にyuriが半分埋まっており、最終的には全部埋まります。抜いてやれよ。motsuは水辺で叫びながらバシャバシャしています。motsuは叫んだり暴れたりしがち。

10. Blast My Desire

2004年の19thシングル。『頭文字D Fourth Stage』エンディングテーマです。テクノをやっていた時期の面影は既になく、完全にロックナンバーになってしまいました。大袈裟なストリングスがアニソン!って感じでいいですね。サビ、もうmotsuがシャウトしていて笑うしかない。なんで、なんでこうなったんだ……。とにかく寒そうなPVですが、これは本当に豪雪の中で撮ったらしいです。なんでそこは拘った?

おわりに

いかがでしたか?ここまで紹介してもまだ2004年までしか追えてないですが、デビューの'97年からその音楽性(とビジュアル)が常に変遷していることはお分かりいただけたと思えます。これ以降の曲とか、アルバム曲の話とかもしたいんですが、長くなりすぎるのでこのあたりで閉じたいと思います。大好きなm.o.v.eのことが少しでも伝わったなら幸いです。もしPVを観て興味が湧いた曲があれば、周辺のアルバムをお求めください(多分TSUTAYAにあります)。



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