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最後に、もう一度ひと目見ておきたかった・・・
こんにちは、水曜日担当のTです。
大阪は、東京に次いで日本で 2 番目に大きい都市でその人口は250万人。
西日本の経済、文化の中心地として古くから栄えてきた街です。
そんな大阪の街ですが…
先日、久しぶりに、淀屋橋に行く機会があり、地下鉄で出かけることにしました。
御堂筋線で淀屋橋駅で下車、御堂筋側の出口に上がりました。
淀屋橋の北側から、南を見ると…
御堂筋の淀屋橋の交差点付近の景色に、度肝を抜かれてしまいました😲
これは「ええ?ここはどこ?私は誰??…」状態です🥴
ここは、もはや私が記憶している大阪ではありません。
なんと、橋の向こうには、予想もしていなかった光景が広がっているのです。
すぐ前の交差点の御堂筋の両脇が、「超高層のツインタワー」に建て替えられています。
しかも、交差点の角のビル1棟ずつという生易しいものではありません。
東西ともに淀屋橋の1ブロックを「ドーン」と占めるほどの巨大なビルに替わっています。
私は思わず「なんでやねん! ! 」と突っ込みをいれたくなるほどでした!
帰宅後、「淀屋橋 ツインビル」でネットで検索すると、
大阪のど真ん中の淀屋橋交差点南側に御堂筋を挟んで東西に高層の複合ビル2棟が建設さ
れる「淀屋橋ツインタワープロジェクト」であることを知りました。
ネットによるとまだ、両ビル共に、竣工はしていませんが、2025年中に完成だそうです。
ショックです。コロナ禍に、ビルがなくなっていました。ビルマニアの私にとって
、再開発前の建築を見に行かなかったことをとても後悔しています😢
かつて、淀屋橋の交差点南西角には、味のある大小9棟のビルが建っていました。
それが、1棟の巨大ビルとなってしまったのです。
昭和初期の高層建築、残念ながら建て替えられてしまいました😭
実は、3年前までこの淀屋橋交差点の南西角に、素晴らしいビルが立っていました🎵
そのビル名は、「石原ビルディング」です。
大阪の名建築】石原ビルディング
淀屋橋交差点の南西角に建つ石原ビルディング。
それは、黒の石貼りの1・2階、上層階は白のタイル貼りで、縦の直線が
強調されたデザインの何とも味のあるビルでした。
戦前の昭和14年(1939年)に建てられたビルだそうです。
1階の御堂筋川には、大きなガラスの入った木製ドアの入り口を入ると、高価な輸入時計
も並ぶ大理石やモザイクタイルの内装が豪華な造りの石原時計店がありました。
昔、電池交換で何度か入ったことがあります。現在はもうありません。
確か、正面の看板にロンジンのロゴがあったように記憶しています。
このビル、入り口が狭くてちょっと見つけにくかったです。
ビル内に入ると大理石に覆われた荘厳な空間に包み込まれ、装飾ひとつ見るだけで
その歴史が伺えます。
静かなビル内、物音ひとつ聞こえません。
各階を繋ぐ竣工当初からあるエレベーター、扉の色は昔のまま、柱や壁に使われている
大理石や御影石に強いこだわりと美的センスを感じます
床のモザイクタイルも良い具合に年季がはいっています
それから、ここには、私が大好きだった創業以来70年という
「MJB珈琲店」という純喫茶が地下にありました。
MJB珈琲は、なんとも言えないこれぞ純喫茶というお店でした。
地下に向かう階段は、絨毯がひかれていたらせん階段で、なかなか優雅なものです。
店に入ると、外からは想像できないほどの広いフロアが広がっています。
美しい絵画や、ランプのような照明などアンティークな置き物を、
やさしい照明が照らしています。…
左側には、なんと「マントルピース」まであります。
とてもシックな佇まいです。
いつも、装飾品の美しさに圧倒されていました。
ここが、淀屋橋だとは、信じられないほどゆったりとした時間が流れていました。
その雰囲気が、とても好きでした。
モーニングは、「ハムチーズトーストセット」など5種類もあって、すべて500円です。
単品メニューも、「ミックスサンド🥪」、「ナポリタン」や「グラタン」「オムカレー
など種類が豊富でした。
デザートメニューは、店内で生地から焼く「喫茶店のホットケーキ」)や、
フルーツと自家製プリンがのる「プリンアラモード」などがありました。
これぞ、まさしく純喫茶!
看板にあった「七色の珈琲」というキャッチフレーズが懐かしい。。。
七色の珈琲とは、曜日ごとにブレンドを変え本日の珈琲として提供する日替わり珈琲の
ことでした。
店では、ドリップは手立てで一杯ずつ淹れていました。
老舗珈琲店のこだわりを感じました。
珈琲カップにもこだわっていて「ウェッジウッド」を使っています。
スプーンの上には、角砂糖が2つ乗っていました。
珈琲は飲む前からとてもいい香りがしていて、とても飲みやすく美味しい珈琲です。
そこで飲む珈琲は、もう最高の気分でした。
この「MJB珈琲店 淀屋橋店」は、もう存在しません。
2019年に、その約70年の歴史を閉じました。
都心の中心としては、珍しい駅前の隠れ家の店でした。
「MJB」は、私を珈琲好きにしたきっかけのお店です。
初めて、MJB珈琲店に行った時は衝撃で、
こんな居心地の良いカフェがあるんだと感動したのを今でも覚えています。
「お客さんがゆっくりできる、フルサービスの喫茶店がまた1軒閉じてしまいました。
最近、老舗の珈琲店は、どんどん閉店しています。
私は、日本中どこに行っても「S]、「K」、「T」のチェーン店の珈琲店に
なってしまうことは非常に残念だと思います。
今回、知ったMJBの閉店は、本当に悲しい事でした。
最後に、ひと目あの店内を見ておきたかったです。
石原ビルディング(旧淀屋橋中央ビルディング)
所在地:大阪市中央区北浜4丁目1-1
竣工:昭和14年(1939年)
閉鎖:令和4年(2022年)
設計:眞水・三橋建築事務所
構造:鉄筋コンクリート造 地上8階(一部9階)・地下2階