メルメタルexの可能性について
exスタートデッキにて初登場したメルメタルexの鋼デッキ。
デッキ自体が発売されてしばらく時間が経つが、
カードショップやコンビニでわりと余っているのを見かける。
メルメタルってよわいんだろうか…と思い、メルメタルexを主軸としたデッキを構築してみたのだが、かなりのポテンシャルを感じたので、自分用にまとめました。
皆様のポケカライフの参考になれば幸いです。
1、メルメタルexの基本情報
HP300、鋼タイプ、1進化(メルタンから進化)
技1:鋼 きんぞくきゅうしゅう
山札から基本鋼エネルギーを2枚加速
技2:フルメタルナックル 90+
鋼エネルギーの数×30ダメージ追加
炎弱点、草抵抗、逃げエネ4
一見すると、現行の環境(レギュE~G)における「高耐久だけど技を使うのに時間がかかるタイプ」のカード。スタートデッキ同士で戦うのであれば気にはならないのだが、それ以外のデッキや大会等で使う分にはかなり厳しい、、、というのが一般的なプレイヤーからの評価だろう。
実際、鋼デッキは過去に優秀だったグッズのメタルソーサーがレギュ落ちしている都合上、レギュE~Gのカードプールにおいて鋼エネルギーを加速させる手段がほぼないに等しい。
唯一環境に多少出没しているのが「アルセウスのトリニティ●●で鋼エネルギーを加速させるディアルガデッキ」と言っても過言ではない。
メルメタルexを含む鋼タイプの大型ポケモンをメインにデッキを組むとなると「なんとかして鋼エネルギーを加速させる手段をデッキに組み込む」か「鋼タイプ特有の高耐久を生かしてじっくり育てる」方針になる。
今回は後者を主軸としたデッキとなる。
2、メルメタルexの特徴
メルメタルexをメインとしたときの伸ばせる利点は以下の通り
・HP300
・1進化、進化ポケモンであること
・上技で自力で加速できる
(・特性を持たないので雪道を採用できる)
まず1進化でありながらHPが300もあること。
レギュE~Gの中で、1進化かつHPが300以上あるカードというのが
このメルメタルを含めて現状3枚しかない(ダイオウドウex、ギャラドスex)。
HP300は現環境で猛威を振るうギラティナVSterのロストインパクトを道具やスタジアム等の効果なしで1回耐えることができる点や、悪テラスリザトードンexのバーニングダークを×90(サイド3枚取り分)までなら耐えることは覚えておくといいだろう。
また、ダブルターボエネルギー付きアルセウスVSterのトリニティノヴァ(180点)を2回耐える可能性を秘めている。
それが2つ目の特徴である「1進化」であることを生かしたガチガチバンドの採用である。
1進化ポケモンであるが故、ガチガチバンドを適応することができ、これによりトリニティノヴァの火力が150点に抑えられる。
ただしこのままだと2回の攻撃でピッタリ300点となってしまうので、HPを回復する手段がほしいところだが、これはかがやくアマージョやオドリドリ(パッションダンス)、サワロ等少ないパーツで容易に達成することができる。
またガチガチバンド装備によって前述している悪テラスリザexのバーニングダークがサイド4枚取り分まで耐えられるようになるので、対リザードンデッキに対しては、2-2-2のサイドプラン(悪リザ2体+ピジョットex1体等)を目指して動くことが可能になる。
3つ目の利点「自力エネ加速技を持っている」はオマケのようなものだが、後述する比較対象カードは軒並み自力でのエネ加速手段を持たず、メルメタルexデッキを使うならむしろこの技を使うルートが基本とまで言っても過言ではない。
ほぼすべての技を1度耐える耐久を持っているからこそできる、エネ加速技を使うターンを生み出しやすいというのはほかの鋼デッキにはない利点だと言えるだろう。
先行1ターン目の手張り+2ターン目で進化しつつ手張りして上技使用、3ターン目から殴りに行けるようになり、デッキ紹介の項目にて説明するが、3ターン目の手張り先を1体目のメルメタルにするか、後続のメルメタルにつなげるかの二択を作ることができる点が優秀である。
最後の利点「雪道を採用できる」はレギュレーションEのカードを採用するのに抵抗がない人は積極的に採用したいところ。
こちらも後述する比較対象のカードは軒並み特性持ちのルール持ちばかりなので、どうしても特性に依存した戦い方になりがちなのだが、メルメタルは特性を持っていないので、逆に雪道を積極的に貼って相手の行動を妨害していきたいところではある。
なお、後程紹介するデッキの一例ではレギュレーションEのカードを極力採用しないことを前提としているのでレギュ落ちとか気にしない~って方向けの考え方であることは念頭に置いておいてほしい。
3、比較対象カードと差別化点
メルメタルexと役割や運用方法が被るカードを紹介していく。
・ダイオウドウex
メルメタルex主体デッキを作るうえで最も念頭に置くべき1枚。
HPが300で同じであること、1進化ポケモンであることも同じ。
特性でさらに耐久があり、技も3エネで攻撃可能、火力も260点出る。
また、進化前のゾウドウがHP100もあり、かがやくゲッコウガに倒されにくいのが特徴ともいえる。
一見するとメルメタルに勝ち目がないが、ダイオウドウexの弱点は、技のデメリットとして自身のベンチポケモン全員に30点がばら撒かれる。
この効果はマナフィの「相手」の技のダメージを防ぐ系統の特性や道具では止められない為、HP60以下の味方がベンチにいる場合、技を2回うつだけでサイドが一気に取られてしまう。
前述したゾウドウのHP100という利点も削られてしまい、結局HP70のメルタンと同じになってしまうので後続の体力を温存したまま育てにくいというのが弱点になる。
今後、EXレギュに存在していたバリヤードのような味方の攻撃によるダメージを防ぐカードが出ない限りは、この点で差別化ができる。
また前述した通り、エネ加速技を持たない都合上、技を使うまでの3ターンですべて手張りするしかなく、後続の育てやすさではメルメタルに軍配が上がる。
またメルメタルの特徴の項目でも述べた通り、雪道によって特性がなくなるので、そうなると実質メルメタルと同じになるので、むしろダイオウドウexのデッキを組む人は、雪道採用のメルメタルデッキとどう差別化するかを考える必要があるだろう。
・ブロロロームex
HPが280なのでギラティナにワンパンされてしまうが、同じ鋼タイプの1進化であり、技も3エネで攻撃可能。
さらに技を使うと次ターン被ダメージが減る効果付きに加えて、特性で道具を複数所持できるため、実質的にメルメタルよりも耐久はある。
道具を複数個持たせることを前提にデッキ構築が進むため、かなりとがった構築になりがち。
逆に言えば道具に頼らない戦い方や、1枚しか付けないで戦うのであればそれメルメタルexでいいよね、となるので、そういう意味では差別化を意識するのはむしろブロロローム側になる。
また打点が170点しか出ないので、進化前Vやたねexをワンパンできない。それを補うための道具4枚装備可の特性なので、デッキ構築がメルメタルとは似て非なるものになるだろう。
ダイオウドウと同じく、自力エネ加速手段がないので3ターンすべて手張り対応が必要だが、こちらはダイオウドウ以上にデッキ構築がとがっていることが多いせいで、エネを引き込むことそのものが困難になりがちな点も気になるところ。
また雪道によって特性が消えるため、道具を一気に剥がされる羽目になることもしばしば…。
唯一メルメタル、ダイオウドウに勝る点というとランブルエンジンの特性を持つ別の進化先が存在すること。また毒タイプも持つため、以降の新弾で悪タイプのブロロロームが出る可能性があることくらいか…。
・ディアルガV、ディアルガVSter
ダイオウドウexに次いで意識すべきカード筆頭候補。
進化前Vは上技でトラッシュから2エネ加速ができ、VSterの上技はメルメタルの下技とほぼ同じ効果を持っている。
Vの上技に関してはディアルガ側からすれば、この技を使用すること自体事故のようなものなのだが、トラッシュから加速できるということは、中盤以降やハイパーボール等のコストにしたエネを利用できるため、序盤に山札からしか加速できないメルメタルexはいかに初動が大事かということになる。
VStarの上技の火力に関しては、メルメタルの下技は4鋼エネであれば210点に対して、ディアルガは200点と10点勝っており、ヒスイゾロアークVやマフォクシーV、スイクンV等をギリワンパンできる他、5エネで両者240点となるため、火力に関しては差別化を意識する必要はほとんどない。
しいて言えばディアルガは1エネでも攻撃できるので、最悪事故っていても打点を刻んでいけるのに対して、メルメタルは4エネ付かないと攻撃することすらできないという点でディアルガに軍配があがる。
またVSterパワーで追加ターンを得られることも考えるとディアルガにはカードパワー的には負けてしまうだろう。
となると、意識するならやはりHP300であること、1進化ポケモンであるところで差別化を図りたいので、耐久面で差別化を図りたい。
またディアルガデッキはアルセウスVとの混ぜ物デッキや、ジバコイルでのエネ加速を求められる構築になりがちなので、事故が起こりやすいという点ではメルメタルが勝っている…かもしれない。
・その他比較対象
パッと思いつく限りだと比較対象はいるが、ほとんど意識しなくてもいいものばかりなので簡潔に記載しておく。
1 )ギャラドスex
HPが300であること以外は全然違うタイプなので、意識しなくていいだろう。
2 )ザマゼンタV(おうじゃのかまえ)、ザマゼンタVSter
朽ちた盾がレギュ落ちしてるので、耐久に関してはメルメタルが上で、VStarの上技も連射ができない技なのでその点でもメルメタルのほうが優秀。
3 )ミミズズ(えいようてつぶん)
鋼エネルギーが3つ以上つけばHPが実質230となる…がそれだけ。たねポケモンなので勇気のお守りが採用できるので合わせれば280まで底上げができる…がそれだけ。どうやって3エネをつけるか、つけ終わるまでの間はHP130なのをどう切り抜けるかが難しいのでファンデッキの域を越えられないだろう。
以上のことから、実はメルメタルex、ガチガチバンド+回復手段を加えた構築にするだけで差別化は結構簡単にできる。
スタートデッキだけあって「鋼タイプの基本的なデッキ」としてはかなりお手本のようなデッキである。
4、デッキ紹介
まず始めに説明したいのがデッキコンセプト。
『スタートデッキで初めてポケモンカードをプレイして、楽しかったから今後も続けたい!』と思った人が構築することを前提とし、今後も長く続けていけるように『あえてレギュレーションEのカードは極力採用しない』ことをコンセプトとしている。というかスタートデッキのコンセプトはこれだと思っているので、レギュEのあのカードやこのカード採用すればいいのに…という意見は今回は聞かなかったこととする。
メルメタルexの進化元となるメルタンは地味にスタートデッキに入っているものが1エネで20点出せるもので一番使いやすい。
その他パックだと、ポケモンGOのパックのメルタンは2エネ20点、コイントス表でマヒにできるが、構築の都合上後攻1ターン目でこの技を使うことができず、先行2ターン目以降はとっとと進化したいので、後攻1ターン目で技を使う可能性があるスタートデッキのメルタンで十分だろう。
メルメタルに関しても今回はスタートデッキのもののみを採用。ポケモンGOのメルメタルは2エネ60、3エネコイントス次第で30、120、210のいずれかの火力が出るが安定せず、exの枚数を割いてまで採用する価値が対ミミッキュ用くらいなので今回は不採用とした。
オドリドリ(パッションダンス)とかがやくアマージョがこのデッキの回復役。いずれもHPを20回復する。3体ともベンチにいる場合は毎ターン60の回復ができる。
HP60回復のムーブはあくまで理想であり無理に3体すべてを並べる必要は薄い。相手のデッキを見て『でかい攻撃を1発耐えるように動く』か『いくら回復すれば2発以上耐える可能性がある』かを見極めてベンチに並べるかを判断したいところ。
ピィに関してはにげるエネルギー0の枠として採用。ここは好みになるので、人によってはほかの逃げ0ポケモンを採用してもいいだろう。
基本的に相手のあなぬけのひものケアや、自身が使うあなぬけのヒモの対象先、とりあえず前に出して引き次第で考えたい場面等で出す要因なので多投はしない方がいい。
マナフィはベンチ保護用。このデッキはベンチ狙撃対策をするほどでもないが、ダイオウドウexデッキとの差別化のためにも採用はしたいところ。
特にオドリドリがかがやくゲッコウガに一気に2体取られやすいので、かがやくゲッコウガ採用のデッキと対戦するときは優先して出していきたい。
このデッキの動き(おしゃれポイント)として説明しておきたいのは「ペパー」を使用したときのサーチ先。
ペパーは『グッズ』と『ポケモンのどうぐ』をサーチする効果だが、後者に関しては言わずもがなガチガチバンドをサーチすることになる。
そのため前者のグッズのサーチ先が盤面によって異なってくる。
序盤であればボール系統、使用時にダメージを受けておらず相手の盤面にエネルギーがあればクラッシュハンマー、ダメージを受けており回復すれば耐久できるのであればきずぐすりをサーチする。
そう、このデッキ、大真面目に「きずぐすり」を採用している。
現行レギュにおいてグッズでHPを回復する手段で、一番まともなのが、大真面目に「きずぐすり」しかないので採用となった。
スタートデッキにも収録されているという集めやすさもGOOD。
一応、コイントス次第で無限にHP回復ができる『あまいミツ』もあるのだが、1回目のコイントスが裏の場合、回復できずに終わるという事故が発生するので不採用とした。それでも1回は表が出れば40回復とこの時点できずぐすりを上回り、以降、表の数×40回復となるので、80、120と回復できる可能性も秘めている。コイントスに自信のあるサルノリコイン持ちの人だけ採用しよう。
なお、これまでさんざん記述した通り、回復することで『何かしらの攻撃を2回目を耐えること』がわかった盤面できずぐすりは使用するので、常に盤面の打点に関しては理解をし、30回復することで何を耐えられるかを考えておく必要がある。
上記の画像ではクラッシュハンマーを4投しているが、この枠が自由枠となる。
手札干渉カードの採用や、さらに多くのオドリドリの採用、メルメタルex以外の攻めサブプラン枠の採用などが考えられる。
クラッシュハンマー、スナッチアームと似たような性能の『サカキのカリスマ』や『エリカのおもてなし』、『野盗三姉妹』なども該当する。
ここは戦い方の好みによって分かれるところで、スーパーボールを採用してさらにサーチ手段を増やしたり、回復道具をさらに増やしたり、ガチガチバンドやペパーの採用枚数を増やしたりが入れ替えポイントになる。
このデッキで戦う上で覚えておきたいのが「3体目以降のメルメタルexを育てる行為を行っているということは、ほぼ負け確盤面」なこと。
メルメタルexの下技が最低限4エネを要求しているほか、この技を使うために上技を1回は使用することになる都合上、1体目の育成の完了後は即座に2体目を地道に手張りで育てていく必要がある。
となると4-3で採用しているメルタン・メルメタルのラインだが、実際に盤面に出ているのは2-2で、3体目のメルメタルを出す余裕はほとんどないと考えていい。
そもそも1体目のメルメタルに4エネ、2体目にも4エネをつけることになるので、エネルギーがかつかつで攻撃にそもそも移れないのである。
またオドリドリ、マナフィ、アマージョ、逃げ0枠でベンチを圧迫する都合上、そもそもベンチに3体目のメルタンを置くことが難しい。
画像のデッキの4-3採用はサイド落ちケアとしてかつバトル場スタートをメルタンにしたいという考えのもとなので、サイド落ちやバトル場スタートを気にしないのであれば3-3や3-2まで落としても問題ないと思われる。
さて、メルメタルexの特徴のところで前述していた「3ターン目の手張りを育てた1体目のメルメタルにするか、後続のメルメタルにつなげるかの二択を作ることができる点」について解説をしておく。
1体目のメルメタルを育てるムーブが、先行1手張り+先行2手張り+上技使用が理想となるわけだが、この時点で下技の火力が210になる。
ここで相手の盤面を確認し、210で倒せる相手かどうか、もう1エネ手張りして240で倒せるか…の手張り先を変えるプランを取ることができる。前者ならもちろん後続のメルメタルを育てるために後ろに手張りすればいい。
1体目のメルメタルは210点で刻んでいき、2体目で240or270点で後片付けをしていく、といったムーブもできるので、これに関しては実際に盤面を見て判断するしかない。
また今回上記の画像では採用していないが「レッスンスタジオ」を採用することでさらに打点が+10されるため、HP220までワンパン圏内となることは覚えておこう。(ただし相手も1進化デッキの場合、相手の火力を上げることになるので気を付けよう)
5、最後に(おまけ)
というわけで以上、メルメタルexデッキ考察でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
コンセプト説明の記載で、レギュEを極力採用しないと記述しましたが、もしレギュEカードの採用に抵抗がないなら…
ドータクン、モミ、雪道、結晶の洞窟、コックあたりの採用は真面目に検討できるかと思います。
というかきずぐすりやサワロなんかを採用するトチ狂った考えがまず出てこないでしょうね。
特にドータクン+モミのコンボであれば、290点までの打点を2耐えすることができるようになるので、オドリドリやアマージョすら不要になる。
なんならこうしたほうが大会とかでもそこそこ活躍できそうなのが…
楽しみ方は人それぞれなのでEレギュ採用に抵抗がない人は、ぜひこれらでメルメタルexデッキをさらに強化してみてはいかがでしょうか。