写仏部員の赤坂散歩:猿と狐と虎がいました
note写仏部といっても仏様ばかり見ているわけではありません。神社や道端の石像など、信仰の対象になりそうなものも鑑賞いたします。
そんなわけで、今回はあまり仏像は出てきませんので悪しからず。
9月上旬、半日ほど時間ができたので、赤坂のあたりに散歩に行きました。以前この辺りに来た時に気になったスポットがいくつかあって、いつか行ってみたいと思っていたのです(今回は約2,900字)。
最初に向かったのは日枝神社です。
(所在地 : 東京都千代田区永田町2-10-5)
永田町の高台にある大きな神社。石段を登りたくない人はエスカレーター(写真撮り忘れました)を乗り継いで上がれます。このような設備があることからも、規模が大きく参拝者が多い神社であることがうかがえます。
門の裏には大きな猿の像がガラスケースの中に設置されています。なんで猿?気になります。
歴史のある神社のようです。
こちらが本殿。
本殿の前、両サイドに猿の像がありました。狛犬ではなく「狛猿」なのです。
この2匹は夫婦なのだそうで、向かって左が母猿。かわいい子猿を抱いています。縁結びや子授け、安産などを願われてきたとか。
向かって右はお父さん。
こちらは商売繁盛や社運隆昌を願うと良いと言われています。
日枝神社と猿との関係については、神社のサイトに説明がありました。
猿は御祭神の使いだったのですね。
境内には、「山王稲荷神社」「八坂神社」「猿田彦神社」も末社として祀られています。
上記にあった「山王稲荷神社」に行ってみました。
途中にお寺を発見。立ち寄ってみます。
次にやってきたのは豊川稲荷東京別院。
愛知県豊川市にある『豊川稲荷』の直轄別院です。赤坂見附駅から徒歩約5分とアクセスもよく、著名人がご利益(金運や商売繁盛、子宝、災難避けなど)にあやかるために訪れるほど有名なパワースポットなのだそうです。
(所在地:東京都港区元赤坂1-4-7)
豊川稲荷は神社かと思いきや、実は曹洞宗のお寺です。
ご本尊とは別に守り神として、豊川吒枳尼真天(とよかわだきにしんてん)という女神が祀られています。この像が、白い狐にまたがって右の肩に稲の束を担ぎ、左の手に願い事を何でも叶えてくれる宝の玉(宝珠)を持った姿であることから、豊川稲荷と呼ばれるようになったそうです(正式名称は豊川稲荷妙厳寺)。
ちなみに、京都の伏見稲荷大社を総本宮とする稲荷神社が祀っているのは宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)です。ですから豊川稲荷は伏見稲荷の系統とは違っているといえます。
豊川稲荷の吒枳尼真天(だきにしんてん)像がどんなものなのか見てみたいのですが、残念ながらネット上にそのものズバリの画像は見つかりませんでした(豊川市観光協会のサイトによると、豊川稲荷の吒枳尼真天のご開帳が2030年に百年ぶりに行われるそうです)。
東京別院に祀られている吒枳尼真天についてもどんなお姿なのかわかりません。
参考までに、豊川稲荷のものではありませんが、ネットで見つけた吒枳尼真天の絵を描き写しました。今回はこれを写仏(?)作品としてnote写仏部に提出します。
境内には狐がいっぱい。
まるでダンシングチームのようにズラッと並んだ狐たちは圧巻でした!
虎がどこにいたかというと、大通りを挟んで豊川稲荷の向かいです。
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ここです。
老舗の和菓子屋さんで一服することにしました。
とらやは室町時代後期の京都で創業。明治2年(1869)東京遷都にともない、天皇にお供して、京都の店はそのままに東京にも進出、現在に至っているそうです。
赤坂店の店舗は内藤廣の設計。この建築家はとらやの他の店舗も手掛けているようです。木をふんだんに使ったモダンな内装です。
3階に茶寮があり、お茶や和菓子をいただけます(時間によっては軽食も)。
日除けのシェードが下りていて窓の外が見えなかったのが残念ですが、目の前いちめんに赤坂御用地の緑が広がっているはずです。ここを借景にできるとはなんて贅沢なロケーションでしょう。
和菓子屋さんだけあってお抹茶やあんこがおいしいので、宇治金時でも、と思っていたのですが、冷房の効いた店内でお品書きを見ているうちにかき氷の気分ではなくなってしまいました。迷った末あんみつを選びました。
北海道産小豆を使ったこしあんは風味が強く濃厚ですが、後味すっきり。求肥や水羊羹、琥珀羹、梅の甘露煮などがトッピングされ見た目も味も華やかです。10月からは栗を使ったあんみつが登場するそうですよ。
赤坂散歩はこれまで。ご覧いただきありがとうございました。
猿、狐、虎の賑やかし帯はいつきさんの作品を使わせていただきました。ありがとうございました。