囃子方からシテ方へ
こんにちは。渡邉瑞子でございます。
noteを読んで下さっている方から、何故、当初は囃子方(特に笛方)を目指していたのに、シテ方に転向したのか、その辺りの話を聞きたい!というリクエストを頂きました!まことにありがとうございます🙏
ということで今回はその辺りのことを書いて行こうと思います。
もともと私は能楽師のうち、三役と呼ばれる囃子方、とりわけ笛方になりたかったというお話しはすでにさせて頂きました。
能は長く男性が演じて来た芸能ですので、掛け声を掛ける小鼓、大鼓、太鼓より一切声を発しない笛方の方が良いのではないか?と当初は漠然と考えていたためです。
また、笛という楽器にも興味があり、音色の美しさ、神秘的な響きと佇まいにもとても惹かれていました。
そこで藝大に入り、シテ方(能で主役をつとめる役職のこと)として謡と仕舞のお稽古に励みつつ、笛の稽古にも自分としては熱心に取り組んでおりました。
新入生として朝一に登校し舞台を拭き、藝大での数々のレッスンを受け、野村先生の青山のお稽古日であれば行き、お茶汲みをしつつお弟子様のお稽古を拝見させて頂く日々でした。
また、野村先生は私が入学する前年度に藝大を退官なさっておられましたが、私が入学した年度に非常勤講師という形で1年藝大に留まられ謡のお稽古にも来てくださいました。
そのような経緯もあり、野村先生のお稽古を受けるだけでなく、先輩方のお稽古も拝見させて頂き、芸に対するお考えやお人柄を窺い知ることが自然と出来ました。
次第に、初めは笛方になりたいと考えていたけれど、野村先生のもとで一からしっかりシテ方の勉強をしたい。シテ方になりたいと考えるようになりました。
夏休みを経て秋にはその考えは固まっていたと思います。
そして、ある日野村先生は私に、「今後の方針について考えているか」とお尋ねになったのです。私はその時、間髪入れず「野村先生のもとでシテ方として勉強させて頂きたいと考えております」と申し上げました。先生は、「そうか」と一言仰いました。(私には少し嬉しそうに見えました。気のせいかも知れませんが)
今回は、囃子方からシテ方になる決意を固めた、その経緯をお話しました。お付き合い頂きありがとうございました。
なお、写真は私の社中会を「瑞生会」と野村先生に命名していただいた時のものです。それでは、また。
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