見出し画像

いちょうの色づき 2021年

今,いちょうの黄葉(こうよう)について追いかけています。

気象庁が観測しているいちょうの黄葉日の2021年の結果が出そろいました。下表はその結果でかえでも一緒に一覧にしています。

2021いちょう・かえで表

全国の平年差の平均は+1.7日となっていますが,地域ごとに特徴がないかと地図上に落としてみました。
観測は代表都市となっていますが,北海道以外は1都道府県1都市なので県域全てをその代表都市の値としています。

PNG黄葉日2021マップ

いちょうの黄葉が早いということは,いちょうで見れば秋の訪れが平年より早かったということになります。遅い地域はその逆ですね。
地域ごとに傾向がはっきりと見て取れるのは図中に補足で示した地域です。

ちなみに石川県(=金沢)は特異点です。ここ数年平年値よりもかなり早い傾向が続いていてるのですが,これは北陸新幹線金沢開通以降なのです。ですから新幹線開通がいちょうの木に何らかの影響を与えた説を唱えております。2年後に予定されている福井開通に注目しましょう!

さてみなさんのお住まいの地域はいかがでしょうか?
「確かに今年は秋が早く来た気がする。いちょうもやっぱり早かったか。」
と思った方,あなたの感覚間違いです!

下図はかえでの紅葉日を同じく地図上に落としたものです。

PNG紅葉日2021マップ

こちらも地域ごとに傾向ありますが,その傾向はいちょうとは逆です。いちょうでは色づきが早かった北陸~中部内陸はかえでにおいては色づきが遅かったのです。さらに大阪湾周辺,九州南部も傾向が逆です。

これは「いちょう」と「かえで」では色づきのメカニズムが大きく異なるということを示しています。単純に気温の下がりに比例して色づくのではないので紅葉が秋の深まりを表しているとは一概には言えません。また,どの葉を見るかによっても感覚は左右されてしまうでしょう。秋を感じるのも一筋縄ではいかないですね。

落葉樹の葉の色づきのメカニズムについてはまだはっきりしないところが多いようですが,地域による傾向の差,かえでといちょうの差をヒントにさらに追いかけてみたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?