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気象庁データ解説①~将来の予想~

 気象庁の発表する気象関連データのうち,現在より先の天候の予測に関するものについて解説します。

①天気予報
 皆さんがテレビ等のメディアで目にするものです。1週間先までの「天気」,「最高/最低気温」,「降水確率」を予測しています。ちなみに「天気」は晴れだとか曇りだとかの空の状態を示しています。2日先まではこれに、「風」,「波(沿岸部のみ)」が加わります。降水確率は,あくまで雨が降る/降らないの2択であるため,100%だから大雨になるというわけではありません。具体的な雨量に関しては気象庁では発表しておらず(民間気象会社では発表しているところもあります。),予報期間の平年値に対して多いか少ないかで表現しています。

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 3日目より先には「信頼度」の項目があります。これは雨が降る/降らないの予報が当たるかどうかをA,B,Cの3段階で示しています。Aが最も信頼度が高く,翌日の予報と同程度に自信があるということです。あくまで個人的感覚ですが,「曇り」で信頼度Cと出ている場合は,あまり自信ないんだな・・多分予報変わるな」といった感じで見ています。「晴れ」または「雨」で信頼度Bならばかなり信用してもいいのではないでしょうか。

②2週間気温予報
 気温に関しては,2週間先までの最高/最低気温の予測が発表されています(都道府県内の代表地点)。1週目はその日の予測値ですが,2週目はその日を含む前後2日間(計5日)の平均となっています。同時に予測範囲も示されていて,その範囲に入る確率は80%です。この予報は1日1回発表されますが毎日見ていると結構変わっています。特に極端な変動がある場合は,日が近くなるにつれて変動幅が大きくなる傾向があるように感じています。

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 翌週の気温傾向がどのようになるかはとても有益な情報です。例えば播種後の発芽期に低温にあたる可能性があれば播種時に対策を施すことができます。また,鍋需要など季節性の強い品目では需要予測にも利用できます。
 なお,2週目の気温が「かなり高い」,「かなり低い」(10年に1度クラス)となる可能性が高まっているときには「早期天候情報」が発表されます。

③季節予報
 季節予報は3種類あり,「1か月」,「3か月」,「暖候/寒候期」予報です。その期間における大まかな天候を平年との差で表現します(晴れの日が多く,気温は高め,降水量は少なめなど)。気温は「1か月」中でさらに1週ごと,「3か月」の中でさらに1月ごとに細かく分かれます。

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 数字での表現が独特で確率になっています(気温,降水量,日照時間)。気温を例にすると「低い」「平年並」「高い」となる確率がどれくらいか%で示します。ちょっと分かりにくいのですが,当然最も確率の高い区分となる可能性か高いです。気象庁のHPでは地図に色塗りされているので,そちらで視覚的に確認するのがいいと思います。

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 ちなみに高くなる確率が高いほど,気温が高くなるというわけではなく,あくまで平年値より高い範囲に入る確率です。〇℃高くなるという具体的な数値は発表されてはいませんが,予報する上での数値計算資料が公表されていて,そちらを見ると〇℃くらい高くなるという数値がある程度は分かります。
 農産物の生産は数カ月単位にわたるので,季節予報を利用することは大きな利益になります。例えば低温の予報が出ていれば,作付けする品種を変えたり,保温用の資材を予め準備したりと対応することができます。季節予報の精度について気象庁が検証していますが,精度は良いです。
予報確率が上がるほど実際の出現率は予報よりも高くなる傾向があり,予報確率が高い場合は外れることは少なく信用してもいいと思います。


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