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畑で気象データを測定する②~気温と地温~

 畑に温度計を設置しました。どのようなデータが取れるでしょうか。

 温度計(エー・アンド・デイ社製 AD-5326TT)は測定間隔(サンプリング周期)を任意に設定できます。サンプリング周期とは温度測定結果を記録する間隔のことで,10分に設定しています。サンプリング周期は短い方がより気温の微妙な変化をとらえることができ正確性が高まりますが,データ数が増え処理は面倒になります。また温度計の応答速度も問題となります。ちょうどよい間隔が10分だと思います。
 下図はある冬の日と夏の日の測定例です。気温は深夜から明け方にかけて下がり,大概夜明け前が最も低くなります。日が昇れば気温も上昇し,昼過ぎくらいにピーク,日没とともに低下するというサイクルを繰り返します。地中温度は気温と比べて変動が小さいです。夏,冬ともに昼間は気温より低く,夜は気温より低くなります。

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 下図は気温の10分ごとの測定値を1時間ごと(前6点分)平均値としたものです。10分ごとの値と比べてみると,最大・最小値を取り逃がしています。夏の例で見ると,1時間平均値では38℃以上は発生していないことになりますが,実際は1時間程度38℃以上が記録されています。もし,38℃以上の気温が作物に致命的な影響を与えるという知見があった場合,10分ごとのデータであればその原因となる高温があったということが分かります。

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 下図は地中温度の同じものです。地中温度の変動が緩やかなので,1時間平平均値としてもピークの取り逃す可能性は小さいです。

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 データはCSV形式で回収されますので,エクセル等の表計算ソフトでデータ処理,グラフ化等ができます。データを折れ線グラフにして眺めてみるだけでも面白いですし,何か新しい発見があるかも知れません。

次回は最寄りの気象庁測定データと比較してみます。

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