ヒーローの帰還 【短歌10首】
いつだってカッコわりぃよ
誤ちの数だけ負けと向き合ってきた
冷めちまって食えねぇ夜の明かし方
教えてくれよ
寒いんだ、ここ
ピーキーな心臓だよな
狙うならスピード狂の芯をつらぬけ
このまんま飛んじまったら楽だろう
夜空の中に愛の字を書く
義務感で差し伸べられた手をつかむ……
つかむ……、つかめよ!つむんだ、ほら!
願わくは
アルジャーノンに札束を!
成金どもに真の自由を!
本物の永遠なんていらねぇよ
ホテル・カリフォルニアにミサイルを撃つ
宇宙にも熱があるとか
腐るならひとりで逝けよ、何もねぇから
全力がダサくてもいい
魂が怯えていたら救えないだろ
ヒーローは敗北してもヒーローだ
涙の底で鉄拳を振る
ああ眠れない。明日も仕事なのに、ああ眠れない。きっと今私はゾンビに一番近い人間だろうと思う。うぅー、とか、あぁー、とか叫びながら徘徊する存在だ。それで許される生命体であればどんなに楽なことか。ああ、明日が怖い。