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四人の幽霊

我が家には、四人のユーレイがいる。
「左馬之助」「伝五」「おたま」「おたけさん」
本人たちが名乗ったわけではないが、僕が軽いノリで名付けてみた。
おたけさんだけが さん付けになっているが、どうやら年上のような気がしてならないからだと思う。

大河ドラマ「麒麟がくる」の余韻が冷めやらずの頃だったので、「おたけさん」以外は、 明智光秀ファミリーの名をいただいてしまった。
さすがに光秀さんの名は畏れ多いような気がしたので、ファミリーだけ(笑)
おたけさんは 何となく僕が思いついた名前です… ^^;

今の この家に越してきたのは 去年の春3月。
引っ越しを手伝ってくれた友人達が、二階にあるこの家 唯一の和室に入ると「何か恐ろしい、空気が違う、異様な雰囲気がする」と口々に言っていた。
その後しばらく住むうち、僕以外誰もいない家の中なのに ひそひそと話し声が聞こえてきたり、コトコトと不可解な物音がしたり…。
そしてある日帰宅すると 閉まっているはずの物入れの扉が開いていた。
少しイラついた僕が「こそこそやるんじゃないよ!」と言うと、目の前で扉がゆっくりと静かに閉まった。
窓が開いていたので 風による偶然と思うことにした… ( ̄  ̄;)

夜、寝室の赤外線センサーの明かりが 勝手に点灯する。
全部の窓が閉まっているので風に動く物は無い。
センサーは僕とは真逆の方向に向いているので反応する動く物も無い。
眠りにつく前に 二回続けて点く時など「おっ♪今日は二人かい?」と笑えるほど、今では慣れてしまったのだが…(笑)

この話しを友人達にすると「あぁやっぱり」とか「よくそんな恐ろしい所に住んでますね」とか言われる。
こちらは面白くなり、結果 ノリノリで名前まで付け キャラも四人まで増え 半分以上は話しを作り ニコニコと笑いながら楽しんでいる(^^)

例えば… 床に落ちている髪の毛を捨てようとつまむと、ズルズルといつまでも髪の毛が出てきてなぁ……
どうも おたけさんは、床下にいるみたいだ。という具合だ。
床、フローリングなんだけどねぇ…∵ゞ(´ε`●)

まさか信じないだろうと思いきや、本気で怖がり耳をふさぐ男がいた(笑)
実はもしかして、こちらが軽くあしらわれているのではないか?と疑いたくなるほど、そやつは恐れおののいていた。 迫真の演技か?

なかには「引っ越した方がいいんじゃない?」と本気で心配するヤツもいる。
これはもうワタクシ、良心が少々痛みます。少々ですけど…(^^;

そういえば、目の奥に冷笑を潜ませながらも、ノリノリに乗ってくるカッパ男もいる。
最近では「おたけさん元気?」などと訊いてくるので、
「おたけさん、どうも風邪っぽいらしい… それはそうと お玉が、猫を飼いたいと言ってるんだが…」などと、わけの解からん会話が挨拶代わりになっている。
僕が体調を崩したとき「早く帰ってお玉ちゃんに看病してもらったら?」と言われ、ついうっかりその光景を想像してしまい「それはそれで、いいもんだなぁ…(´-`).。oO」などと、お玉が濡れ手ぬぐいを額にあててくれている姿を思い浮かべ、本気で幸せな気分になってしまった。 もはや異次元?

僕の周りの仲間たちは、わりと ひとり者が多く、定住を好まぬ遊牧民のような人達が多い。
この四人の幽霊たちは、その遊牧民たちの間で 今や人気者となっている。
僕自身も本当にいてくれてもいいのにな~ などと思っている。
現実と非現実のはざまに身を置くことが、わりと心地よい事なんだと知りつつある、今日この頃であります(笑)

そうは言っても、もしも おどろおどろしい姿で現われでもしたら 腰を抜かして逃げ出すのだろうが、そうではないので さほど気にはならない。
半分以上は嘘っぱちの四人なのだが、むしろ いてくれと言いたい♪(^^)

※ これ、ショートノートからの再掲載です♪
ちょいと書きたいものが出たんで、その前にメンバー?を再紹介しとこうかと思いまして…(ΦωΦ)

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