そんなことで泣いていてはダメですよ 後編
そんなこんなで診察が終わって、帰りにデパートなどに寄ったりして、母は機嫌がよかったと思う。
私は、どうだっただろう。
だいぶ泣いたし、かなりダメージはあったんじゃないかと思う。
なのに母は、割と機嫌よく食事や買い物などをしていた気がする。
別に機嫌がいいならその方がまだマシだけど。。
でも、さっき、娘が医者にケチョンケチョンに言われまくってるのを黙って何にも言わなかった母には、やっぱり、ちょっと悲しくなった。
病気だから、仕方ない。
今は正常な母じゃないのだから。。
けど、少しくらい庇ってくれてもよかったのに
とか、実はあの場でも少し思っていた。
正常だったら、庇ってくれただろうか?
なんだか母も、この医者と同じこと思ってたのかもとか、もしかして実家に帰らない娘が説教されてていい気味だったのかなとか、そんな妄想もちょっと入ったけど、そんなことよりやっぱり、医者に言われたことの方がダメージ強くて、泣きはらした疲れもあって、ぼんやりと抜け殻みたいになってたと思う。
そして、そんな私と相反するように、やたらと機嫌の良い母は、なんなのかと思ったけど、機嫌がいいならもうそれでよかった。
悪態つかれるよりは全然いい。
で、帰宅してから夕食後。
父に、今日の病院の報告をしていた。私のことではなく、病気のことで言われたことを話した。
母がいないところで話していたけれど、それに気づいてか、父に病院のことを話していたのが気に入らなかったのか、母が怒り出した。
「あんな病院、連れて行きやがって!」
「お前らが仕組んだのか!」みたいなことを言ってきた。
今日、買い物したものにも、
「こんなもん買わせやがって!」
と怒り散らしだした。
あぁ、やってしまった、怒らせてしまった。
この後、薬を飲んでもらいたかったのに、雰囲気わるくなったかも。
しばらくして、怒る母に、今日病院でもらって来た薬を飲んでほしいと頼んだ。
でも、やっぱり怒り心頭で、
「またこんな薬飲ませて、頭おかしくさせるのか!殺す気か!」と、わめいて飲んでくれない。
なので、「そんなこと言うなら、私もこの薬飲むから、それなら大丈夫やろ!」と、こちらもやけくそになってきたのか、とにかく、このくらいしないとわかってもらえないと思って、先に薬を飲んだ。
すると、母は少しわかってくれたのか、びっくりしたからかわからないけど、薬を飲んでくれた。
そして、その日の怒りも、だんだん治まっていったと思う。
薬を飲んだ私は、、なんだか顔が熱くなってきて、やっぱり飲まなくていい人が飲む薬ではないんだな、、というのがよくわかった。
とにかく、今、こうして書き出してみると、なかなかの1日だったんだなと思う。
良かれと思ってやったことは、見事に蹴り飛ばされて、散々の結果になった。
今なら、病院や医者をもっと調べてから行けばよかったんじゃないかとか、母を逆撫でしないやり方があったんじゃないのかとか、いろいろ良い方法があったのかもしれないけど、この時の私には、これしかできなかった。このくらいの力量しかなかった。
だから、医者から厳しいことを言われたのかもしれないし、それで大泣きして、若くて甘かったというわけだ。
まぁでも、今の私から見たら、よくがんばったよねと思う。
若くて甘いのは当然だし、と言って、今の中年の自分だって、甘さなしできっちり責任とって生きてます!とも言えないし、甘くなることだって山ほどあるし。(あ、ダメっすかね?)
この出来事からの気づきは、今は、それくらいしか思いつかない。
メチャメチャ言われたけど、納得いくところもあるしドロー、オカンが知らんぷりなのも病気だから大目に見るということで。
そして、このことでそこまで傷つかず、省みることもできたことを、よくがんばったねと当時の自分を抱きしめてやろうと思いました。
甘いですかね。。