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【農業女子にインタビュー】主婦から農家へ転身した奈緒美さんが思う”カッコいい農家”とは?

こんにちは!農GIRL×農LIFEプロジェクト事務局です。

農GIRL×農LIFEでは、全国の農業女子の皆さんと一緒に、農業のイメージ向上や魅力発信、コミュニティづくりに取り組んでいます。

SNSでの農業女子紹介や、農作物のプレゼント企画、直売所での加工品販売など、様々な企画を実施してきましたが、『農業女子ひとりひとりの魅力をもっと伝えたい!』という想いから、このnoteでは農業女子により密着したインタビューを配信しています。

《前回の記事はコチラから↓↓↓》


今回は、三重県・伊賀市にてアスパラガスと椎茸を栽培されている、瑞雲ファームの代表・中井奈緒美さんにインタビュー。

農業未経験からお義父様の農業を継ぎ、代表になった奈緒美さん。
アスパラガスと椎茸の栽培についてはもちろん、奈緒美さんが目指す
カッコいい農家”についてもたっぷりお話を伺いました❗️

■未経験から農家になった理由

Q.まず初めに、農業を始めたきっかけについて教えてください。

ーー義父が亡くなったのがきっかけで農業を始めました。
義父が定年後から始めたアスパラ栽培ですが、2016年に突然、その義父が亡くなり…。
当時、私は主婦で主人はサラリーマン。
委託も考えましたが、『日本一のアスパラを栽培する』と、頑張っていた義父の姿を忘れる事が出来ず…農業未経験でしたが、継ぐ覚悟を決めました。
嫁という立場で、しかも農業未経験。最初の頃は、周囲からよく思われていないようでしたが、義父が亡くなったことで後ろ向きになってしまっていた家族が少しでも前を向くきっかけになればと、一念発起したのを覚えています。

Q.農業を継ぐとなった当初、農業にはどのようなイメージをもっていましたか?

ーー当時は農業に全く魅力を感じた事がなく……。
汚い、時間がない、儲からないという悪いイメージしかなかったです。

Q.未経験から農業を始めて、辛いと思ったことはなんですか?

ーー家庭菜園もした事がなく、右も左も全く分からなかったことが辛かったです。質問をしたいけれど、何から質問すればいいかも分からない状態でした。

Q.何もわからない状況の中で、どのように農業を学ばれたのですか?

ーー地元のアスパラ農家さんなど農家さんの繋がりも全くないところからのスタートだったので、まずはInstagramで全国のアスパラ農家さんをフォローし、投稿を見させてもらったり、質問して教えてもらったりもしました。
JAの営農指導員の方にも毎日電話したり圃場に来てもらったりして色々な事を教えてもらいました。
地元農家さんとの横の繋がりも積極的につくり、たくさんの方に支えていただきながら学んでいました!

Q.農業を始めてみて、驚いたことはありますか?

ーー三重県伊賀市は三重県では唯一のアスパラの産地なのですが、アスパラ農家を継いで初めて『三重県伊賀市がアスパラの産地である』という事を知りました。
義父が栽培していたのにも関わらず、全く知らなかった……。
私を含めて、地元の人が『知らない』という事に大変驚きました。

■瑞雲ファームについて

Q.瑞雲ファームさんの従業員構成を教えてください。

ーー私と義母の2名で運営をしています。

Q.今は1月ですが、この時期は毎日どのような作業をしているのですか?

ーー10月〜3月が椎茸の収穫時期なので、今は椎茸の収穫をしながらパック詰めや温度管理、(椎茸を)発生させるための刺激を与える作業などをしています。
アスパラの収穫時期は4月〜9月あたりなので、1月からは、立茎(りっけい)という収穫シーズンが終わってから、根っこに養分を蓄えるために伸ばしていた茎を全部刈り取ったり、畝をバーナーで焼いて消毒したり、次の収穫に向けた作業をします!

アスパラは一度植えれば毎年栽培ができる多年生植物。
10年、20年と長く美味しいアスパラの収穫を行うためにも、こういった作業が大切になってくるそうです。

Q.アスパラガスの次に、椎茸の栽培を始めたことには、どのような理由があるのでしょうか?

ーー農業って、基本ひとり作業が多くて。
自分と向き合ったり、アスパラと日々向き合う中で、だんだんと農業の魅力や可能性を感じるようになりました。
『アスパラと逆のシーズンで何か…』と、探している時に、椎茸の栽培が気になるようになって……。


実際に椎茸栽培を始める2年前から、椎茸の全国大会や研修に参加したり、地元椎茸農家さんや三重県の椎茸農家さんとの繋がりを持ったりする中で、『椎茸栽培をめちゃくちゃやりたい!!』という気持ちを高める事が出来たので、ハウスを新設して椎茸栽培をはじめました!

Q.瑞雲ファームさんのアスパラガス、椎茸の魅力や特徴を教えてください!

ーー伊賀市は昼夜の温度差が大きいため、甘いアスパラガスが育つことが特徴です!
椎茸はとても肉厚で香りが豊かなところが魅力です。

瑞雲ファームでは、アスパラと椎茸の収穫シーズンが被らないように栽培をしているので、1つの作物に手をかけられる時間が多く、しっかり管理をして、美味しいものを育てることができています!

Q.奈緒美さんおすすめのアスパラガスと椎茸の食べ方を教えてください!

ーー4月〜5月のGW頃、シーズンの一番最初の方に収穫されるアスパラは、“春アスパラ”と呼ばれています。
春アスパラは甘くてスジがないのが特徴なので、ベーコンと炒めたり、サッと茹でたり、あまり手を加えないで食べるのが1番アスパラの美味しさが引き立って良いと思います!

瑞雲ファームで栽培している椎茸は、肉厚で大きい品種なので、椎茸とお揚げと白だしを入れて、炊き込みご飯にするのがおすすめです!
乾しいたけも製造、販売をしているのですが、そちらもさまざまな料理と相性抜群だと思います。

Q.瑞雲ファームさんのアスパラや椎茸を購入できる場所を教えてください!

ーー地元の地場産コーナーや、ふるさと納税(楽天、ふるさとチョイス)でも取り扱っていますが、公式HPからだと、全国どこでも気軽に購入することができます。

Q.瑞雲ファームとして今後、挑戦していきたいことはありますか?

ーー製品開発には積極的に取り組んでいきたいと思っています。
自分の中でも大きな挑戦なのですが、2月頃にアスパラのお茶、
『明日晴茶(アスパラ茶)』を発売する予定です。


伊賀市も関わるプロジェクトのもとで開発を行っていて、茶葉を入れている紙管のパッケージデザインも伊賀市のイラストレーターさんが手がけています。
成分分析を行なった結果、アスパラの代表的な栄養価であるアスパラギン酸、葉酸、ルチンがお茶として煮出しても残っていて、女性にも嬉しいお茶に仕上がっています!
伊賀市から全国へ知られるようなお土産品になれば良いなと思っています。

■農業のやりがいや魅力について

Q.奈緒美さんは現在瑞雲ファームの代表をされていますが、代表としてのやりがいを教えてください。

ーーもともと、性格的に雇われは向いていないと思っていました。
今は、自分のやりたいように経営できている事が楽しいです!
農家としては、「おいしかった」というような感想が直接自分の元へ届いた時に、やりがいを感じます。
購入をしてくださった方がSNSに感想や作ったお料理を載せてくださったり、DMをくださったり、SNSを通して、お客様の生の声を聞くことができるのは嬉しいです。

Q.就農を考えている人や、新規就農したばかりの人へ、経営者として何かアドバイスはありますか?

ーーまず、自分が困った時にSOSを出せる環境をつくることが大事だと思います。
土とか、肥料とか、栽培技術について知識があるのはもちろん大切だけど、
知識が全くない状態でも農協の方や、専門の方に助けてもらえるので、積極的に外との関わりを持つことが必要だと思います。
特に、周りに農家さんが多い地域だと、地元に根付かないと続けるのが難しいことも多いと思います。
リアルはもちろん、SNSでも縦横広く繋がりを持っておくと、何かあった時に人に助けを求めることができるので安心です!

Q.お仕事をする上で、大切にしていることはありますか?

ーーはじめの方でも答えましたが、もともと農業に対するイメージが悪かったので、 そのイメージを持ったまま自分が農業をするのはホント嫌で……。
継ぐ覚悟を決めた時から『農家に見えないカッコいい農家になる』と決めて、作物の品質はもちろんの事、農作業服やヘアスタイルなどこだわっています。
自分の好きなスタイルで何か言い訳する事なく突き進み、チャレンジし続ける人生でありたいと思っていて、そんな農家になりたいです。

Q.ヘアスタイルや服装でこだわっているところを教えてください

ーー人と絶対かぶらない農ファッションを大事にしています。
好きなヘアスタイル、好きなファッションを農作業着にしているので、こだわりというか、こんな感じのスタイルが好きなだけなのですが…笑
普通に会社で働いていたら、髪型やファッションに規制があることが多いけれど、農業は自由に好きな格好ができるので、見た目で判断されるのが嫌いな私には合っているなと思います。
ヘアスタイルは通いなれた地元の美容室でつくってもらっていて、いつもおまかせでカラーを入れてもらっています!

Q.農ママとしても奮闘されていますが、子育てをする上で、農家でよかったと思うことはありますか?

ーー栽培の楽しさ、難しさなどを間近で見ている分、子供に食べ物の大切さをきちんと教えられるところは農家ならではの良さだと思います。

Q.農業を始めて、お子さんから掛けられた言葉で印象的だったものはありますか?

ーー「ママ、カッコいいよ。」と言ってくれたことです。
息子には収穫を手伝ってもらったり、アイデアをもらったり、助けられています。
特に、年末年始は椎茸の需要が多く、高値で取引されるので、そこに合わせて発生を調節していたのですが、収穫が追いつかず、4日連続で2時間くらいしか寝られなくて……。
主人はサラリーマンでギリギリまで仕事があったので、息子にヘルプを出して手伝ってもらっていました。
息子には農業を継いで欲しいというような希望はなく、本人がやりたいことを、やりたいようにやって欲しいなと思っています。

Q.商品パッケージやロゴのデザインはどのように考えているのですか?

ーーその時のひらめきです。
プレゼントにされるお客さんがとっても多く、『もし、自分がプレゼントされるなら、どんなパッケージが良いかな?』というのを必ず1番に考えています。
ロゴやイラストは、SNSで発信をしている中で出会った方が、たまたまデザインのお仕事をされていたので、制作をお願いしました!
作業着のロゴプリントも印刷のお仕事をされている方との繋がりがあったので、その方にお願いをしています。
ロゴやイラストは自分を表現するものなので、私のことを全然知らない人よりも、普段やりとりをしている方のほうがイメージを共有しやすいし、理想のものができると思っています。

Q.奈緒美さんの今の夢や目標を教えてください!

ーー再来年、アスパラを作付面積25a増やします。!
農業をはじめる前からやりたかったカフェ経営は全く諦めていなくて、カフェ経営やキッチンカーは必ず!!!っと思っています。

Q.最初は農業にマイナスイメージをもっていたようですが、現在はどのように変わりましたか?

ーー農業は高齢化で衰退している現状がありますが、たくさんの職業が失われていく現代においても、人間が生きていく上で食は必要不可欠なのものなので、食をつくる農業はなくならない職業だと思っています。
ネットやSNSが普及して、生産者のプロフィールや、作物ができるまでのストーリーなど、今まで見えなかった情報を発信することができるようになりました。
これからは生産者の想いや、収穫までのストーリーが付加価値になる時代。
とても魅力と可能性に溢れていると思います!

自分らしく、様々なことに挑戦していく奈緒美さん。まさにカッコいい農家!
三重県伊賀市がアスパラの産地だということを広めるため、日々のSNSの投稿では作業の様子やアスパラについての情報を積極的に発信されています。
2月発売予定の明日晴茶(アスパラ茶)もとっても楽しみです♪

■瑞雲ファーム&農GIRL×農LIFEの情報はこちらから!

《瑞雲ファーム》

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