三愛ドリームセンター解体
いろんな思いが詰まった建物が解体になるというので、書いておこう。
三愛ドリームセンターができたのは1963年、ボクが幼稚園の頃だ。今日まで60年間、銀座4丁目のランドマークだった。向かいの和光は1894年にできて1932年建替したから築90年超、それでもどっしり佇んでいる。ニュース映像でいつも和光が映るのは歴史が古いとかフォトジェニックだからというのもあるけど、屋外広告がほぼないというのも大きな理由だと聞いた。ドリームセンターは広告だらけの建物だったから。
ここに写真ギャラリー「RING CUBE」をオープンしたのが2008年。2020年閉館まで12年間の運営だった。(ボクは最後の数年は運営から外れた)
柿落としは森山大道さんにお願いすることは、どんなギャラリー作るか決まってもいない時から、密かに決めていた。それから多くの個展を開催し、様々な実験的な企画展にも挑戦させてもらった。その辺の話は以前書いたので割愛。
https://note.com/nogutomo/n/ne4625dea17b1
過去の思い出は美化しがちだけど、苦労も多かった。それはほぼ”人”の悩みだった。ちょっと問題な人がいて、メンバーから相談を受けることがよくあって。事情があって配置換えもできず。去り方も非礼なものだったから後味も悪く。
今回のニュースを見て一番驚いたのは、解体に2年もかかるということ。今の建築法などの関係で、新しい建物がもっと細長くなってしまわないかとか、余計な心配もしてみたり。でも、売却じゃなくて建て替えということなので、どんなものができるのか、楽しみだ。
日本を代表する建築デザイナーが建てたものでも「夏は暑くて冬は寒い、何よりメンテナンスにお金がかかりすぎて頻繁に清掃もできない、見た目はカッコいいんだけどね」なんていうものもたくさんある。建築は難しい。和光のように流行に左右されず、100年後の銀座のランドマークになるような場所になるといいな。その頃は、ドローンの基地局になっているかもしれない。