
難しいことをわかりやすく
以前、何かの写真展だったか写真集の紹介で見つけた文章。
「韻を踏んで結びついた大胆な一連の独特な画像配置で正確な視覚言語を不明瞭で無意識の連想の領域にまで押し進めている」
こういうのを見ると、
「混沌とした言葉の渦に翻弄されながら自己消失の幻想を漂いわずかな引き金を探り寄せる体験を過ごす」
とか、意味のない返歌を送りたくなります。
書いている人は悪意もなく、澱みなくスラスラ書ける人なのでしょう。語彙も豊富だし、写真のこともよく知っているのかもしれません。でも、本物のプロは自分の言葉に酔わずに、平易な言葉で表現するものです。
知り合いの写真家・学者の塩澤一洋さんの言葉を思い出しました。
「 難しいことをやさしくするのが学者の役目、それを面白くするのが教員の役目」
その通りだと思います。