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金利の変動と不動産市場への影響について解説

今月、金利上昇の話題が取り上げられていますが、金利には「短期金利」と「長期金利」の2種類があります。日本銀行が銀行に資金を貸し出す際の金利が上がると、銀行は市場金利を引き上げざるを得ず、結果として資金調達コストが上昇します。一般的に、金利が上昇すると経済の動きが鈍くなるといわれています。

日本ではこれまでマイナス金利政策が導入され、お金を借りやすい状況が続いていました。しかし、景気の回復に伴い、インフレーション(通貨の価値が下がり、物価が上昇する現象)が進行しつつあります。これを抑制するために金利が引き上げられることで、物価の急激な上昇を防ぐ狙いがあります。

金利上昇が不動産市場に与える影響


金利が上がると、住宅ローンの負担が増し、不動産を購入する際のコストが高くなります。その結果、不動産価格は下落すると言われています。実際、2013年以降の金利引き下げにより、不動産価格はこの10年で大きく上昇しました。しかし、金利上昇は必ずしも不動産価格の下落を意味しません。

その理由の一つとして、不動産価格以外の要因(人件費や建築資材の価格上昇など)が挙げられます。例えば、新築マンションの建築費が上昇すると、売却価格も上がらなければ採算が取れません。そのため、金利が上昇しても、新築マンション価格が下がるとは限らないのです。

都市部と地方での価格動向の違い


現在、円安の影響もあり、海外投資家による都市部の不動産購入が活発化しています。そのため、東京や福岡などの都市部ではマンション価格が上昇しています。一方で、都市部以外の不動産価格は、今後の人口減少を考慮すると下落する可能性が高いと考えられます。

ただし、地方でも「駅前の一等地」や「高級住宅街」に関しては、地元の資産家が購入を検討するため、価値は維持される傾向にあります。特に、投資収益性の観点から、地方の駅前一等地に目を向けるのは有効な戦略といえるでしょう。

福岡市内の不動産市場の特徴


福岡市では、70㎡のマンションが1億円前後で取引されるケースも出てきています。特に中央区では、富裕層向けの高級マンションが投資目的で値上がりしています。しかし、金利上昇が続けば、一般的なマンションの価格は横ばい、または若干の下落というシナリオも考えられます。

ただし、福岡市は全国的にも人口増加が続く数少ない都市の一つであり、大規模な再開発も進行中です。そのため、金利上昇の影響を受けにくいポジティブな要素も多く、不動産購入を検討する際は「相場より割安な物件」や「今後も人口増加が見込める地域」を選ぶことが重要です。

不動産投資と資産運用のバランスを考える


不動産投資においては、不動産価格の動向だけでなく、株式投資や自身の収入向上(人的資本への投資)も含め、バランスの取れた資産運用を意識することが重要です。金利の変動を踏まえながら、長期的な視点で資産形成を進めることが、これからの時代に求められる戦略といえるでしょう。

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