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がん細胞のCD58欠失はCAR-T細胞療法の効果を減弱させる

<論文>
CD58 loss in tumor cells confers functional impairment of CAR T cells.
Blood Adv. 2022 Nov 22;6(22):5844-5856.
Yan X, Chen D, Ma X, Wang Y, Guo Y, Wei J, Tong C, Zhu Q, Lu Y, Yu Y, Wu Z, Han W.

<内容>
sgRNA libraryを用いたCRISPR/Cas9スクリーニングを使用して、様々な遺伝子を落とした標的細胞とCAR-T細胞を混ぜ合わせることで、CAR-T細胞に抵抗性のある標的細胞が濃縮されることを用いて、CD58ノックアウトの標的細胞がCAR-T細胞に抵抗性を持つことを見つけた。

CD58はT細胞上のCD2と結合し、CD58の変異や欠失は悪性腫瘍ではしばしばみられることが知られている。CAR-T細胞を用いた実験ではCD2のブロッキングをしても機能が低下することがわかった。
機能が減弱する理由としては、CD58の欠失は標的細胞とCAR-T細胞との免疫シナプスの形成が妨げられることが判明した。

<感想>
CAR-T細胞療法においても通常のT細胞と同様に免疫シナプス形成が機能や治療効果に大きく影響する。免疫シナプスに関わる因子に対する介入でCAR-T細胞療法の有効性を増強できる可能性がある。


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