憧れの乃木坂
僕が乃木坂ヲタクとして全盛期だった頃は1期生と2期生しか存在していませんでした。この当時のメンバーはオーディションでは憧れのAKB48メンバーを聞かれることがポピュラーだったらしい。それはそうだ。1期生はもちろん2期生のオーディションタイミングではまだ乃木坂は憧れを持たれる対象ではなかったでしょう。しかし3期生と4期生は違う。明確に乃木坂に憧れを抱いて加入してくる。中にはがっつりヲタク出身のメンバーさえもいる。果たして乃木坂は憧れの場所だったのだろうか?
1:ないものねだり
そもそも憧れるとは何なのだろうか。勝手な解釈だが自分にないものを持っている人に対して憧れることが多いのではないかと思う。つまりはないものねだりなのかもしれない。乃木坂に限らず世の中にはたくさんの人がいて全員違う特殊能力を持っている。その中から自分は持ってないけどほしい特殊能力に憧れるはずだ。特殊能力は願って手に入るものでもないし、不本意な特殊能力が備わることもある。芸能界は顕著に特殊能力を求められる。いかなる時もだ。だからすぐに特技を探し、奇を衒った特殊能力を欲しがる。しかし特殊能力のタネは生まれつき備わっているため、嘘の特殊能力はばれてしまう。努力では押し通せなさそうだ、、だからこそ憧れるという行為は危険だと感じてしまう。
2:「みなみちゃん偉いね~」
星野みなみは長い年月を経て「みなみちゃん偉いね~」というとんでもない特殊能力を手に入れた。これは一言で言うと何をしても許されるという特殊能力だ。かわいいからなにしてもいいのだ。偉いという表現は別としてもアイドルとしてここまで優れた特殊能力はないだろう。そしてこの特殊能力に憧れた後輩が出てきた。彼女は髪型や自撮りの撮り方、そしてみなみちゃん特有の無気力感と抵抗感をコピーしようとした。しかし特殊能力を手に入れることはできなかった。むしろ逆効果だったかもしれない。その後も齋藤飛鳥の特殊能力をマネてみたりもしていた。もちろん結果は失敗に終わっていた。なぜだろうか。かわいい女の子がかわいくない男に批判されるのだ。滑稽なお話ではあるかもしれない。理由は同じグループに同じ特殊能力を持った人は求められないからだ。かわいいとか歌がうまいのような外面的な魅力は被っても問題ないし、むしろ多いに越したことはない。しかし内面的な魅力は被ってはいけないのだ。いわゆるキャラ被り。大人数アイドルが受け入れたのは多種多様な特殊能力で異種格闘技を行って選抜、アンダーが分けられるからだ。同じ特殊能力でプロレスされても満足できないのだ。憧れることによって生じた悲劇。もし彼女が憧れを強く持っていなければ今頃きっと。。
3:推しメンに憧れる
前述したように乃木坂には元々がっつりヲタクだったメンバーもいらっしゃる。彼女たちはもちろん推しメンに憧れている。しかし彼女たちは恐らく推しメンに憧れていると言っておきながらも最初から推しメンの特殊能力を身につけようとはしていないだろう。とあるメンバーは星野みなみが推しメンと公言して加入してきた。しかしまったく「みなみちゃん偉いね~」とは程遠い特殊能力を持っているし、「みなみちゃん偉いね~」の技マシーンを探している気配もない。推しメンは憧れていても成れないものだと分かっているからだ。尊敬の念が強すぎて近づけないのだ。その結果新たな特殊能力を獲得し、独自の道を切り開けるのだ。
4:レジ袋は有料です
結局何が言いたいのかというとヲタクは等身大のアイドルを求めているのです。基本的には編集というフィルターを通して提供される。生放送であってもだ。元々アイドルとは手の届かない存在で偶像であってほしいと思っていた。しかしSNSに支配された現代社会では不可能だったのかもしれない。いつかはバレる。もしバレずに卒業できたとしても、自分を騙し続けた心労、応援してくれた人を騙し続けた罪悪感に悩まされる。きっとおかしくなる。そのままの自分をさらけ出す覚悟でアイドルを全うしてほしい。もし等身大の自分を提供してくれたならヲタクはしっかりとその商品を梱包して守れるようにしなくてはならない