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すごいことが起きたので書きます 〜けつ毛処理と賢者の石〜

万緑の5月の末に、気持ちよく晴れた青空の下、すごいことが起きたので書きます。



「やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい」ってのが僕のモットーなのですが、それには軽いエピソードがありまして。


ざっくりいうと、15年ぐらい前に、超重そうな風呂敷を抱えた仙人みたいなおじいさんが信号の真ん中で倒れたので、助けたあと警察に引き渡した(犯罪者じゃない)んですが、その仙人が去り際におもむろに風呂敷を開いて、出てきたデカい石(もうほぼ岩)を「お礼にどうぞ」っつってこちらに差し出してきたんですね。

いや、まずおめーその風呂敷の中身全部石(岩)じゃんって。それが重すぎて転んでんじゃんって。そんなに大変な思いして運んでるもの俺にくれんのかって。お礼で石とか聞いたことないだろって。
つーかそもそも何の石なんだよそれ!!って。

ホリ越えの「ちょ待てよ」が自然と出たんですが。

もうこっちが軽いパニックになっちゃって、一瞬受け取るか迷ったんですが、結局「あ、ちょ、す、すみません!」(実際には焦りすぎて「シャウエッセン!」みたいになってたと思うけど)って言ってその場から速足で逃げちゃったのです。

で、その石が結局何だったんだろうて思いだけがいつまでも消えなくて、今でもふと気になっちゃうことがあるぐらいなんですね。
ハリーポッターと賢者の石がTV放送されたときには、「もしかしてあれって賢者の石だったんじゃないか」と真剣に悩んだこともありました。

こんな気持ちになるなら出会わなければよかった・・・!なんてロマンチックなことを、おじいさん相手に思っちゃったりするわけです。
あー、あのとき貰っとけばなって。なんてことない石だったら捨てればいいし、なんか飲み会でのネタとかにもなったのになって。


ってわけで、そんなことがあってから、僕の中で迷ったらまず「やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい」って基準に沿って行動するようにしてます。



で、ここからが今回の本題なんですが、


みんなこの自粛期間中何してた?

僕は仕事も在宅ワークになって、外も食料調達か運動不足解消のための散歩ぐらいしかしない不要不急ガチ勢だったので、唯一の楽しみといえば、インスタグラムを見ることぐらいだったのね。

インスタってすごいわ。
なんか見れば見るほど興味あるコンテンツが洗練されていって、ここでやめようと思っても、次から次にかわいい女の子やら癒しの動物やらの投稿が出てくるもんだから、無限に時間が消費される。
ミヒャエル・エンデが描いた時間貯蓄銀行ってインスタグラムのことだったのか!!!!
モモ助けて!!

って日々を送っていたんだけど、
まぁざざざーっと見ているうちに自然と目が行くのは、やはり水着の美女たちのお尻。みんなきれいなお尻してるんですわ。

で、ふと昔友達とスーパー銭湯に行ったときのことを思い出したのね。


脱衣所で洋服を脱いで、いざ出陣!!ってなったときに、友達から「お前ケツきたねぇなー!笑」って冗談めかして言われたことを。
確かにその友達のケツは美しかった。ミケランジェロのように、7月のモモのように、それは白く、完璧で、儚さも持ち合わせた、申し分のない美尻だった。

でも、、、「俺のケツってそんなに汚いのか・・・」。

友達の言葉が、僕の心にバラの棘のように刺さったまま抜けていない。


そうだ、ケツ毛の脱毛をしよう。
ていうかVIOと言われるゾーンを全部脱毛してみよう。


そう思い立った夜から、僕は必死にVIO脱毛について調べた。

さすがにクリニックに行くのは、ちょっと恥ずかしい思春期まっさかりの31歳なので、自分でできる脱毛で最も効果のあるやつを探した。

google先生の優秀な学習能力により、そこからしばらくの間、SNSに出てくる広告はススキノの案内所に用に、見る気もない脱毛クリニックのサイトをしつこく紹介してくれた。地獄だった。


脱毛サルベージをを重ねた結果、痛みを我慢できるなら、ブラジリアンワックスによる脱毛が最も効果的であるという結論にたどり着いた(個人差があります)。

ただ、その痛みについての報告はかなり痛々しいものばかりっだった。
もう二度とやりたくないと言っている人が大勢いた。
痛みを伴わない脱毛クリームを進める記事もたくさんあった。

やりたい。でも痛いのは嫌だ。でもやってみたい。

僕の心は、道明寺司(ブラジリアンワックス)と花沢類(脱毛クリーム)の間で揺れる牧野つくしのように悩み苦しんだ。
「ただちょっと毛をきれいにしたいだけなのにそんなに痛いの!?ありえないっつーの!!!
花沢類のほうに心が傾きかけたそのとき、僕は、逃げ出す僕を見る仙人の悲しい目と賢者の石を思い出した。


やらないで後悔するより、やって後悔する。だ。


会社の寮のワンルーム(風呂・トイレ共用)にブラジリアンワックスが届いた週の土曜日、僕は説明書と説明動画をじっくりと見た。
イメージトレーニングはばっちりだ。抜かりはない。

ちなみに、VIO脱毛をブラジリアンワックスでやったことある人はわかると思うけど、これ、いざワックスを塗る段階での格好がかなり恥ずかしい。
まず鏡を正面に置き、その前でインリン・オブ・ジョイトイ顔負けのM字開脚をしなければいけないのだ(中高でお世話になった家庭教師の先生がインリンに似ていたことを思い出した)。


石のように硬い股関節を限界まで広げ、鏡の前でM字開脚をする。

自分の身体に、まだ見たことないゾーンがあったことへの驚きの声が思わず漏れる。え?肛門ってこんな位置にあるの?え?そここんな色してるの?ていうか、え?俺のお尻ってこんなにAmazonだったの!!!!?

そんなアハ体験にも一通り慣れ、いざワックスを塗ってみると、まぁ痛い。毛が引っ張られてかなり痛い。塗る時点でかなり痛いのだから、剥がすときは世界が終わるかもしれない。


もうこのまま剥がさずに残りの人生すごそっかなぁ。。。
僕のVIOにブラジリアンワックスがついてても、世界は終わらないし、だれも気付かないでしょー。。。


そんなことを半ば本気で考え始めたそのとき・・・!!!


ガチャ


3年以上、僕以外の誰にも開けられなかった部屋の扉が開いた。
まさかのオープンセサミ。開けゴマ。

開いた先に立っていたのは、今日から寮に引っ越してきた新入社員。


たしかに、たしかに、うちの寮は部屋がいっぱいあってわかりにくいし、2階と3階のつくりも似てるから、新人には間違えやすいかもしれない(いや、だいたいどの建物もそんなもんだけど)。


でもさ、

でもさ、

なにもこのタイミングじゃなくていいじゃん!!!!!!!!!!!!

僕の一世一代のインリン・オブ・ジョイトイと新人がまさかの競演!!!!


新人・オブ・ジョイトイ!!!!


もうね、人間M字開脚をしたまま予想外のことが起こるともうピクリとも反応できないって知ってた?

新入社員のほうもほうで、「あ、、シャウエッセン・・・!!」っつって扉閉めて去って行っちゃうし。


そのあとはもう半分記憶がないけど、心の痛みがあまりにも大きかったので、ブラジリアンワックスのほうは全くなんにも感じないままVIOがきれいになってました。



そんなことがあったんで、くそー!もう引っ越すしかねぇ!!と思いつつ、心の傷を癒すために大好きな乃木坂の動画と物件を必死に漁っていたら、
会社に「在宅勤務をまじめにやるためにどうしても必要なんです!」って懇願して借りてもらったポケットWi-Fiのやつに、「通信料の上限を超えたので追加料金が発生します」(会社の予算)ってメールが20件ぐらい届いてたので、

週明けに会社に「すみません!反省の姿勢を示すために丸坊主にしてきました!」っつってきれいにつるつるになったVIOを見せに行こうと思います。

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