プロポーズ大作戦(失敗) part1
洗濯機が壊れてお客様相談センターに電話した人いる?
以前、祖父の家の洗濯機が壊れたっつうんで、よっしゃ俺に任せときって感じで意気揚々と相談センターに電話したら、岡田准一もびっくりの永遠の保留。
こちとらお天道様のいるうちに洗濯機回してお外へ黄色いハンカチ干すんでぃって心意気で来てるのに、ずっと機械音声。
「ただいま、電話が大変混み合っております」を軽く100回は聞いた。このままギネス狙おうかと思うぐらい聞いた。機械音声の女性の姿を想像して、恋人の設定にして、結婚して子供が出来てってぐらいでやっと繋がる相談センター。
まぁ軽く一時間ぐらいはね、保留中だったわけです。こんなに待たされることは今後なかなかないだろうと思っていた自分は若かったなぁと。
プロポーズの返事がね、保留。
計4ヶ月。
岡田准一もとっくにゼロ戦降りてる。
2年付き合った彼女に、今だ!!!っつってお花渡してプロポーズしたら返事が「ありがとう」。
プロポーズの返事と言ったら普通は Yes or No。
枕でも答えられちゃう。
プロポーズって、「結婚してください!」「・・・はい!」「ありがとう嬉しい!」「わたしもよ!」「「わーいわーい」」で万歳三唱して周りからおめでとーなんて言われて「いやー、すいやせん。ぼくたち晴れて夫婦になります」ってのが一つのセットになってるものと思ってたらまさかのバラ売り。
ディアゴスティーニの「誰でもできるプロポーズ」創刊号だけ特別価格380円で買っていたのかと震撼した。
こりゃスッキリしないなぁと思って、後日改めて確認したら、もう少し考えたいと。
理由は、まぁいろいろと細かいニュアンスの違いはあるけれど、わかりやすくまとめると、「価値観や考え方が、理想の男性像と離れすぎている」。
うん。
わかる。わかるよ。
確かにそうだと思う。
そうだよなー。うん。
ぼくも薄々気づいていた。
ていうかその案件については、何度もディスカッションした。
なんどもなんどもした。
アグリーとコンセンサスがオーサライズしてた。
はずだった。
でもそうだよなー。
自分でもわかる。ダメなところ。合わないところ。出来ていなかったところ。
でもなー。
新規商品開発で言ったら、もうDR(Design Review)も数回終わってる交際期間。
なんならもうこの会議(プロポーズ)終わったら、金型GOして試組とか段取りするフェーズですよ。
そんな時にまさかの事業部長(彼女)の一声「お客様が本当に求めているものではないかもしれない(結婚に相応しい男性じゃないかもしれない)」。
そんなものはね、もう企画フェーズで終わらせておけと。
市場調査をしてニーズぐらい把握しておけと。
せめてDR1の段階できちんと話し合うべきだったなと。
それを、表面だけうまく取り繕って、発売日を守るためにごまかしごまかしやってきた結果、もうほとんど取り返しのつかない段階で、「その商品、本当に世の中に出して意味あるの?」となったわけです。
要するに、
言いたいことは、
メーカーの研究開発職として、お客様の求めているものを、企画の自由度があるうちにしっかりと把握しよう。
これです。
かけるリソースが多くなればなるほど、自由度は下がると、
かの濱口秀司氏もおっしゃっています。
だから、せめて、後戻りできなくなる段階じゃなくてよかったと、
商品化された後、結婚した後に失敗だったと思わなくてよかったと、
そう思って今後とも仕事に励んでいく所存です。
なんのこっちゃ。
こういうところなんだろうなー。
あ、メーカーに勤めた今、お客様から相談を受けた相談センターからかかってきた相談の電話を永遠に保留しているのは私です。
(プロポーズの結果についてはいつかまた。(もうネタバレしてる))
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