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たくちゃん、ナイス

行列になる寸前の午前8時前、

滑り込みセーフでテーブル席に

着くことが出来た。

但し相席、入り口に一番近い

右側のテーブル。

「ミニ、めんカタね」と確認する

フロア担当の「たくちゃん」は、

若いけれど、随分と前から朝のお店を

切り盛りしている。

間も無く相席の方へいい匂いのする

一杯を供したたくちゃん、

意外な言葉を発し始めた。

「これが胡椒。ちょっと待って、

はい、お水足しておいた。

お箸割ろか、うん、自分で出来るね」

気がつかなかったが、相席の方は

視覚障害者の方だった。

彼は相手が常連さんだろうが

一見さんだろうが、

外国人だろうが日本人だろうが、

障害者だろうが健常者だろうが、

常に正しい接客をする。

洗練された感じではないが、

見ていて実に清々しい。

相席の方は嬉しそうに麺を

すすり始めている。

『たくちゃん、ナイス!』

心の中で、よくそう言ってる。


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