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My daughter has 二重国籍

1月7日(火)
11月30日から約1ヶ月弱の日本一時帰国が終わる。長いようで短かったな、帰る度に思う。羽田空港発の夕方便だったので、娘のお昼寝も(自分もちゃっかり)しっかり済ませ、最後また実家に顔を見せに来てくれた姉にも「またねー!」と元気よくお別れをし、父の運転で空港へ向かう。大きなキャリーケース4つに小さいの2つ、ちなみにそのうち大小1つずつは数日前に買い足した。大きなリュックも2つ。なんでいつもこんなに荷物が多いんだろう。規定の重さを超えないよういちいち計りながら、最後には全体重を乗っけてキャリーケースを閉めるこの自分の姿、ミニマリストには程遠いなぁ。この頑張りも、実は後に無駄になる。

食べたくて買ってあったチョコ味の雪見だいふくを冷凍庫に忘れていたのを出発間際に発見し、車内で食べる旦那。ちょっと溶け始めた頃に食べたのでMochiがPerfectだと言っている。今回は特に餅を楽しみにしていた彼は、滞在中に大福や串団子などを食べていた。いつからこんなに餅好きになっていたのか私も知らなかった、嬉しいね。運転して送り届けてくれる父、娘がぐずらないように車中相手をしてくれている母、餅を堪能する旦那(笑)、みんなに感謝。また帰ってこれて良かった。車中から見える横浜の海、綺麗な夕焼けに見惚れているとあっという間に空港に到着。搭乗時間までもまだまだ時間がある、余裕があるって素晴らしい。

たっくさんのお土産屋さんに目を惹かれながらも、まずはチェックイン…と足を急ぐ。子どもがいると何もかもに時間がかかるから、なんでも余裕をもって行動する癖がついた。ユナイテッドユナイテッド…見つけた、まずはセルフチェックインの機械で情報入力。私の情報を入れ切ったところでカウンターにお越しくださいという表示が出る、今回は子連れだからまぁそんなこともあるだろうとそこまで気に留めない。旦那の情報を入力、問題なく航空券が印刷されキャリーケースのハンドルにシールをつける。ガラガラとすべての荷物を運びながらカウンターへ。パスポートを提示しつつ機械でエラーが出ましたと伝えると、お子様のパスポートをお出しくださいとのことで日本のパスポートを提示。ぺらぺらっとめくりながら、アメリカのパスポートは?と。まだ持っていませんと伝えるとスタッフさん、口をあんぐり。お嬢さんアメリカで生まれてるんですよね?アメリカのパスポート、ないんですか?…ない…です……事の重大さをまだ理解していない私は、心のどこかではどうにかしてくれるんじゃないかなんて思ってた。

簡潔に言うと、私の娘は二重国籍者なので(すっかり忘れてた笑)もちろん両国のパスポートが必要とのこと。要は、アメリカのパスポートがないとアメリカには帰れない。ということで、仕事がある旦那はそのまま予定していた便に乗り帰国、私と娘は飛行機に乗れなかった。泣きそうになるのを堪える旦那と、まだ幼くて何も分かっちゃいない娘、呆然しつつも冷静な私。というか、頭の中でぐるぐる考え事をしていた。娘が生まれた瞬間いやもはや生まれる前から、日本人になるには大使館に出生届を、日本に日本人として行くには日本のパスポートを、と日本人として重要な書類は色々調べたり人に聞いたりしてやってきた。でも二重国籍者を持つ親としての調べはしてなさすぎた!てか調べなくても普通分かるもの?私がバカすぎるのか!?ーーパニック!!!!そもそも娘を未だかつて“二重国籍者”として見たことがなかった。アメリカに住んでいながら日本国籍を取ろうと乳飲み子片手に書類と向き合ったのはこの私なのに、その私が今や娘が二重国籍者だということを忘れているという前代未聞のおとぼけだ。我ながら訳がわからない。ただ今回の件で彼女は紛れもない二重国籍者だということが私の脳に叩きつけられた。

カウンターで今後のやらなければいけないことや手順を教えてもらい、その間に旦那はキャリーケースの中身を彼のものと、私+娘のものとでざっくり分ける作業に取り掛かる。あぁ、あんなに何度も計り直したり、全体重を乗っけて閉めたのに、パーだ。カウンター横で人々が行き交う中、4つものキャリーケースがおおっぴろげられている。それを遠目で眺めつつ、グランドスタッフからの説明を聞いているようで聞いていない私。あぁこんなことって現実に起こるんだなぁ最悪だなぁ、だめかぁほんとに飛べないかなぁ、、こんなことを頭の中で繰り返し、繰り返し思っていた。お手数おかけしました、ありがとうございましたとだけ伝え、カウンターを後にする。

とにかくなるべく早く帰れるようにするからねと伝え、ハグをし旦那としばしのお別れ。絶賛イヤイヤ期の娘は旦那にハグ+キスを求められると顔面を叩こうとしていた、なんて奴だ。こんなのが最後のシーンだなんて旦那には申し訳ないが、これが魔の二歳、Terrible Twoである。この魔王を手に負う気力もなかったので荷物検査に進んでいく旦那に大きく手を振り、空港を後にすることにした。帰りの車内ではぼーっとしつつも、充電器が旦那のリュックに入ったままだったことを思い出し途中コンビニに寄ってもらう。家に着くともう夜の20時を過ぎていた。両親はコンビニのカップラーメンにおにぎり、私はペヤングをすすった。申し訳ない。両親も仕事がある中でこの1ヶ月もの期間を滞在させてくれていたので、予期せぬ延期になってしまい申し訳ない気持ちになる。孫と長いこと過ごせて嬉しいと言ってくれているし、本音だとも思うけど、どうしてか申し訳ないと思ってしまう。でも娘がいてくれて良かった、娘がいてくれるおかげでこんなことが起こっても大人たちは笑顔でいようと思える。

今夜中に出来ることは何一つないし、心身共にどっと疲れたので寝ることにした。隣ですやすや寝息をたてて眠る娘を見て、頼むから今夜だけは夜通し寝かせてくれと手を合わせ、布団にくるまった。

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