米国政府がまたもイランの体制変革を支援している
COBRAの2020年1月20日の記事「Blue Dawn」で紹介された記事「'Regime change is in the air': US establishment seeks to capitalize on Iranian protests… again」を翻訳しました。
※翻訳料は無しです。お気に召しましたらぜひサポートをご検討くださいませ。
"多くの方からの質問があった件ですが、ソレイマニの暗殺の表には出ていない内容は、オイルダラーのシステムを保存するための体制変更です。"
元記事
レジームチェンジ【regime change】とは
「武力を行使したり、非軍事的手段によって、他国の指導者や政権を交代させること。体制転換。政権交代。」
テヘランのアミール・キャビール工科大学前で抗議デモを行うイラン人学生たち
- 2020年1月11日
12 Jan, 2020 19:00 / Updated 11 days ago
テヘランがウクライナ旅客機撃墜事件への関与を認めたことで、イラン国内では抗議デモが続いている。そして米国政府からも抗議デモを支持する声が後を絶たない。純粋にイラン国民を応援しているのか。それとも、レジーム・チェンジ(体制転覆)をしようとしているのだろうか。
ウクライナ旅客機には、多くのイラン人が搭乗していた。調査の結果、それがイラン政府によって誤って撃墜されたという知らせに対し、多くのイラン人が怒りの声を上げている。その 「勇気」 を、米国政府関係者はいずれも賞賛しているのだ。
しかし、米国政府は176人の命を奪ったこの悲劇を使い、イラン人たちの感じている悲しみをさらに煽っている。イラン政府によって国民がどれだけ抑圧されているだとか、この機を使って世に知らしめようとしているのだ。アメリカにとっての長年の「敵国」とされるイランに対してこの動き、単なる偶然と言えるだろうか。
ドナルド・トランプ大統領はこの数日間、英語とペルシャ語の両方で、抗議者への賛辞とテヘランへの警告をツイートした。日曜日には、彼はテヘランに「偉大なイラン人を殺すのを止めろ!」と書き込んでいる。ちなみに死者はまだ出たという報告はまだ無い。扇動された群衆に対して、催涙ガスや放水砲が配備されたという報道はあったものの、死傷者は出ていないのだ。
トランプ大統領のツイート「イランの指導者たちへ。抗議者たちを撃つな!すでに数えきれないほどのイラン国民を殺害し、幽閉してきただろう。世界はお前らを見ているぞ。特にアメリカ人はちゃんと見ているぞ。報道を自由化しろ!偉大なイラン人を殺すのをやめろ!」
この数日前、米大統領は、「イランと戦争することになれば、著名な文化遺産を含むイラン国内52か所を壊滅させる」と宣言していたことを思い出して欲しい。そんな大統領が今度は、自分は大統領に就任してからずっとイラン国民の味方だと伝えている。
他の米当局者もまるで予定していたかのように速やかに、イランの抗議者の支持者たちの応援コールを送った。ウッディ・ジョンソン駐英米国大使は日曜日にツイッターで抗議者と「残酷なハメネイ政権を打倒する勇気あるイラン人」という賞賛を送ってる。
ジョンソン大使「抑圧的な指導者に抗議するため、ストリートを占拠するイラン人。アメリカは彼らの味方だ。」
米国防総省のマーク・エスパー国防長官も、今回の抗議行動がウクライナ旅客機撃墜によって引き起こされたという意見を出し、米国政府側の発言とした。同氏はCBSの番組で、「いまイランの人々が立ち上がり、自分たちの権利とより良い"別の"政府が欲しいと主張しています」と語っていた。
米国が敵国と見なすイランとの戦争支持派であるジョン・ボルトン前国家安全保障担当大統領補佐官は、「これは体制改革の兆しだ」「イランの人々なら分かるだろう」と大っぴらにストレートな発言をした。
ジョン・ボルトン氏「ハメネイ体制に極度の圧力がかかっている。今こそ体制改革の時だ。イラン人なら分かるはずだ。アメリカ、ヨーロッパ、フランスは不正政府に対して手出しすべきじゃないし、交渉の余地もない。」
元CIA長官であり、現国務長官であるマイク・ポンペオ氏は初めのうちは「イラン人たちの声」を代弁しようとしていたが、土曜日には公けに体制変革を推進するようになった。
イラン国内は未だにウクライナ国際航空752便の痛ましい墜落事故で、動揺している。政府の行動に対する国民の反抗心が高まる中、2日目のテヘランの路上抗議デモが起きている。
イランほどの米国の敵対国となると、いかなる抗議の兆しであっても米国政府にとっては強い関心の的となる。といっても、この関心の理由は人道的とは言えない。前回の抗議行動では、燃料費の高騰が引き引き起こされたとき、米国務長官ポンペオ氏はイラン国民が警察に弾圧されている動画を送るよう尋ねていたことが解っている。「民主主義チャンピオン」である米国政府だけが、イランにさらなる制裁を科すことができるとでも言いたげだ。