
投手の安定感に不可欠なK/BB
K/BBと言う数字は、投手の安定感と深く関わっていると思っています。
K/BBって何?
そもそもK/BBとは、投手がとった三振の数を出した四球の数で割ったものです。つまり1回四球を出すまでに何個三振をとれるのかを数値化したものです。
この数字は通常3.5を超えればいいと言われています。
先程これが投手の安定感に繋がると言ったのはこれが高ければ高いほど四球が少なく投球のテンポが上がって野手も守りやすくなるからです。
また上に載せた写真のように四球の数が多くなると、必然的に試合の時間も遅くなります。
「それだと野球を観られる時間が長くなっていいじゃん」と思う人もいるでしょう。しかし現実はそうではありません。
審判団の間では、試合の時間をより短く(3時間程度)で終わらせることが出来る審判が良いとされています。なので露骨にアウトをセーフにするようなことはないのですが、ギリギリのボールをストライクにしたりと結果的にあまり面白くない試合になってしまいます。
つまり四球が多くなるとファンにも選手にもマイナスな方向に行ってしまいます。
なので四球を出す頻度を示すK/BBという数字はとても大事なのです。
本当に成績が良くなるの?
少し話が逸れてしまったので戻したいと思います。では今までK/BBが優秀だった選手の成績を見て見ましょう。
2016年K/BBランキング
パ・リーグ
1位石川歩選手 K/BB4.73 防御率2.16 14勝
最優秀防御率
2位則本昂大選手 K/BB4.32 防御率2.91 11勝
3位和田毅選手 K/BB4.13 防御率3.04 15勝
最多勝
セ・リーグ
1位菅野智之選手 K/BB7.27 防御率2.01 9勝
最優秀防御率
2位石田健大選手 K/BB3.67 防御率3.12 9勝
3位黒田博樹選手 K/BB3.27 防御率3.09 10勝
2017年K/BBランキング
パ・リーグ
1位岸孝之選手 K/BB4.97 防御率2.76 8勝
2位野上亮磨選手 K/BB4.71 防御率3.63 11勝
3位則本昂大選手 K/BB4.63 防御率2.57 15勝
セ・リーグ
1位マイコラス選手 K/BB8.13 防御率2.25 14勝
2位秋山拓巳選手 K/BB7.69 防御率2.99 12勝
3位菅野智之選手 K/BB5.52 防御率1.59 17勝
最優秀防御率、最多勝
2018年K/BBランキング
パ・リーグ
1位岸孝之選手 K/BB5.48 防御率2.72 11勝
最優秀防御率
2位上沢直之選手 K/BB3.97 防御率3.16 11勝
3位則本昂大選手 K/BB3.67 防御率3.69 10勝
セ・リーグ
1位菅野智之選手 K/BB5.41 防御率2.14 15勝
最優秀防御率、最多勝
2位大瀬良大地選手 K/BB3.88 防御率2.62 15勝
最多勝
3位東克樹選手 K/BB3.69 防御率2.45 11勝
上の表で見たようにK/BBが高い投手は、岸孝之選手、則本昂大選手、菅野智之選手のように常に安定した成績を残すことが出来る。また、2016年の和田毅選手や、2017年の野上亮磨選手、秋山拓巳選手等のように防御率が3点台に乗っているような投手でも四球を減らして守備でリズムを作ることでチームの勝利に貢献することが出来ます。
日本歴代最高のK/BBは?
日本のプロ野球選手(NPB)で最もK/BBの数値が高かったのは、つい最近引退をされた上原浩治選手です。上原浩治選手はNPBで1500イニング以上投げた投手の中で圧倒的な平均K/BB6.68という数字を叩き出しています。(ちなみに2位は土橋正幸選手の4.61)
私は上原浩治選手が先発、中継ぎ、抑えの3部門で活躍出来たのにはK/BBが深く関わっていると思っています。なぜなら何度も言ってきているようにK/BBが高くなると守備のテンポが上がって守備からリズムが作れるからです。
まとめ
良い投手を見分けるために基準となるのは、やはり出来るだけ四球を抑えて球数を減らすために必要な「制球力」と、相手を完璧に抑えて、観客を沸かせることの出来る「奪三振力」です。
この2つを兼ね備えると自然と球界のスターになることも出来ます。
なのでこの2つの数字のバランスが分かる「K/BB」という数字はとても大事です。
皆さんも是非野球を見る際にこのK/BBという数字も注目してみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます!