パパとパパっ子4姉妹 第3話
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日曜日
この日もいつもと同じように喫茶店の支度作業をしてると
咲:パパ、手伝うね
◯:おっ、ってそっか。日曜はオフなんだっけ
咲:うん、それにいつもパパの手伝い出来てないからさ
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咲月は平日と土曜日は部活のため、日曜日のみ、喫茶店の手伝いをしてくれている。咲月は料理も得意だから日曜日限定で《咲月のランチセット》を販売してる
初めはあまり注文は入らなかったが、ある日咲月のチームメイトが食べに来てくれたのをきっかけに連日、完売になった
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常連さんの中には咲月のランチセットを食べるためだけに訪れる方もいらっしゃるとか
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?:さっちゃ~ん👋
咲:あっ、瑛紗!
◯:いらっしゃい。いつものやつで良い?
瑛:はい!
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◯:そしたら咲月も一緒に食べたら?
咲:えっ、でも…
◯:別にそこまで混んでないし、絢音ちゃんもいるし大丈夫だよ
咲…うん。じゃあ休憩もらうね
◯:あいよ。
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今入ってきたのは咲月のチームメイトの池田瑛紗ちゃん。ちょっぴり不思議ちゃんだけどもバスケとなれば熱いプレーでチームを引っ張る。咲月と同級生の2年生
ーー
◯:今日は平和だなぁ
絢:ですね
おれと絢音ちゃんがカウンター越しに話していると
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和:パパ、にゃぎもお話したい
◯:おし、じゃあ絢音ちゃんと三人でお話しようか
和:うん!
◯:じゃあ、和は大きくなったら何になりたい?
和うんとね、パパのお嫁しゃん!!
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◯:えっ…パパのお嫁さん?
和:うん!だってにゃぎ、パパが大好きなんだもん!
◯:…そっか。じゃあ和が二十歳になるまで長生きしなきゃいけないね
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◯◯side
和:パパのお嫁しゃん!!
和は屈託のない笑顔でそう言った。普通の4歳の女の子ならそう言うだろう。でもうちらはそうじゃない。
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うちには和たちの母親がいないこと。でも母親の顔を覚えているのはを美空と咲月、そして彩だけ。和はママのことを知らないし、会ったことすらない
いつかはこの事を和には伝えないといけない。伝えたら和はどのような反応をしてくるのだろう。
すると
絢:◯◯さん、大丈夫ですよ
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隣にいた絢音ちゃんがそう言った
絢:確かに伝えるのは怖いかもしれませんが、きっと和ちゃんなら分かってくれると思いますよ
◯:絢音ちゃん…
絢:お母さんがいないのはあの4人にとって寂しいことかも知れないけれども、その分◯◯さんからの愛をたっぷり受けてます
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絢:和ちゃんはお母さんの愛を受けてないのなら◯◯さんが2人分の愛を伝えてあげたら良いんじゃないでしょうか?
◯:そうだよね。あの子の分も愛してあげないとな
絢:ですね。私もお手伝いします
◯:ありがとうね
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その頃、和はというと
瑛:はい、和ちゃんあーん
和:おいちぃ!
瑛:んふふ、ゆっくり食べてね
咲:ごめんね、瑛紗。
瑛:ううん、良いの。それに私子供好きだから
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しばらくすると
和:すぅ。すぅ💤
咲:今日はありがとうね。和と遊んでもらっちゃって
瑛:ううん。私も楽しかったし。和ちゃんは私の妹みたいなものだから
咲:そっか。それにしても和がここまで瑛紗に懐くなんて
瑛:そうなの?
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咲:うん。誰にでも人見知りしちゃうし、知らない人と会うとすぐパパの後ろに隠れちゃう子なの
瑛:そう…なんだ。でも私には心を許してくれたんだろ
咲:分からない。こればっかりは和に聞かないと
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しばらくすると
和:ん~。
咲:あっ、起きた。おはよ和。良く寝たね
和:ふぁ~おはょ。
瑛:和ちゃん、おはよう。気持ち良かった?
和:うん!にゃぎ、お姉ちゃのお膝好き‼️
咲:あらあら
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その後も和は瑛紗と一緒に遊んでもらっていた
瑛:あっ、そろそろ私、帰らないと
咲:だね。ほら、和お姉ちゃんにお礼言いな
和:やだ!お姉ちゃとまだ遊びたい!!
咲:和、わがまま言わないの
和:やだもん!
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瑛:和ちゃん、また日曜日一緒に遊ぼ。
和:ほんと?
瑛:うん!だからそれまで我慢出来る?
和:うん…にゃぎ我慢すりゅ
瑛:えらいえらい。ナデナデ。じゃあ指切りしよ
和:うん!
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「「指切りげんまん嘘付いたら針千本飲ーます!指切った‼️」」
瑛:じゃあまたね。さっちゃん、和ちゃん
和:お姉ちゃ、バイバ~イ👋
咲:瑛紗、ありがとうね
ーー
咲:和、良かったね。楽しかった?
和:うん!
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咲:でもどうして、お姉ちゃんとお話出来たの?いつもならパパの後ろに隠れちゃうのに
和:ママに似てたから!
咲:えっ、ママに?
和:うん!ほら、あのお写真
和が指差すその先には1枚の写真立てが
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それは和がまだ生まれる前、この喫茶店をオープンする時に、みんなとお店の前で撮った写真だ。でもパパの隣にいる人をママだとは教えてなかった
咲:誰に聞いたの?
和:美空お姉ちゃが教えてくりぇたの
そっか…お姉ちゃんが…
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咲:そうなんだ。よし、じゃあパパのお手伝いするよ
和:あい!
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