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〈著書紹介〉エネルギー溢れる日を送るには休息が必要
私たちが最善の状態で活動するには、身体・情動・頭脳・精神の4つのエネルギーを必要とします。
単に「生きていく」そのもののニーズが満たされていくと、わたしたちは、体を良い状態にしていこうと、身体面の持続可能性を求めるようになります。
それには、活動と休息の健康的でリズミカルな波を作り出すことがよいそうです。
下の4分割図に記していますように
私たち個人レベルの持続性で、最も望ましい状態が、右上と右下の部分を往復していることです。
どちらか一方にとどまり過ぎていると最適なリズムとはいえなくなるそうです。
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多くの人は、身体的には運動不足の側(左下)に傾きやすくなります。
他方、十分な運動(右上)は心拍数を上げ、身体能力を高めていき、
また、頭脳面、情緒面の回復にも貢献していきます。
運動そのものには、頭を休め、気持ちを落ち着かせる効果があるそうです。ただし、きつい運動を長くやりすぎるのは、禁物です。
ネガティブ側面・メンタルの影響
私たちは、情緒面で、安全と幸福感を求めており、他者に受け入れられるまたは、自分の価値が認められていると感じるかどうかにより、仕事のパフォーマンスなどにも影響を与えます。
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特に、わたしたちは、他者から価値を認めてもらえないと、生存レベル(サバイバルゾーン)に引き下がる傾向があります。
情緒面での最適なリズムは、自分の力がフルに発揮しているときのポジティブなエネルギー(パフォーマンスゾーン)と、感情を落ち着かせる再生ゾーンを往復する状態です。
当然ながら、最高のパフォーマンスと結びつくのはポジティブな情動です。
ということは、パフォーマンスゾーンにいないときは、最善の状態で仕事をしていないということでもあります。
それでは、ちなみにサバイバルゾーンを特徴づける状態は、なにかというと『闘争・逃走反応』です。〈動物が恐怖に反応して交感神経系の神経インパルスを発し、自身に戦うか、逃げるかを差し迫ること。「戦うか逃げるか反応」という。〉
これは、大脳皮質の下の中脳にあるアーモンド形の「扁桃体へんとうたい」によって引き起こされる反応です。
この反応は、人間の遺伝子に埋め込まれたもので、特に大昔の毎日のように捕食動物による生きるか死ぬかの脅威にさらされた時代には、とても役に立つ能力でありました。
ただ、現代の私たちのように、本当に生命の危険にさらされる機会が少なくなると、闘争・逃走反応はしばしばマイナス面のほうが、大きくなってしまいます。
まずその第一は、健康面で、闘争・逃走反応は、交感神経系を活性化させ、その反応としてコルチゾールを血液に送り込む。
コルチゾールは、普段なら体にとって役立つ働きをしますが、長く継続して体内を循環すると、実質的に毒に変わってしまうそうです。
第二に、前頭前野の活動を妨げることで、ほとんど機能停止状態になり、代わりに交換神経系が脳を支配することです。
つまり、目の前の状況を冷静に判断し、最善の反応を選ぶ能力を失わせてしまうことです。
最も基本的なレベルでは、理性の力を犠牲にします。
認知能力が引き下げられ、思考の柔軟性がなくなり、想像的・戦略的に考えられなくなるのです。
その理由としては、闘争・逃走反応を示しているときには視野が狭まり、目の前の脅威だけに集中してしまうからだそうです。
気を付けなければならないのが、あまりサバイバルゾーンに長くとどまりすぎていると、燃えつきゾーンに引きずりこまれてしまうことがあるそうです。
メンタルを再生させるには
サバイバルゾーンに落ち込むのを防ぐには、意識的に再生ゾーンで時間を過ごすようにすればよいとのことです。
特に、定期的にポジティブな情動を得ることが、サバイバルゾーンを避けるための鍵となります。
たとえば、何時間もデスクの前に座っていたあとには体を動かしたり、疲れたときはしっかり体を休め、十分な睡眠をとるなどを実践するとよいようです。
または、なんらかの成功体験を実感するなど。
実践していくには、日々の生活習慣と密接につながっていますね。
表題には『社長~』となっておりますが、社長でない方でも、ビジネスに携わる方にはおすすめの一冊です。
本書内容の一部に触れてきました。
忙しい社長のための「休む」技術
集中力、モチベーション、生産性を高める最新技術
著 トニー・シュワルツ 他
ダイレクト出版