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「想定外」をいかに想定するか。後悔がわたしたちを苦しめる。

2024年1月1日に石川県北部を襲った能登半島地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
また、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

わたしは、震災遺構・震災伝承施設などによく足を運んでいます。

地震・津波・原発事故(福島の一部限定)で罹災された方々と対話する中で、「後悔」という言葉をよく耳にします。
日本また世界各地で今後必ず起こるであろう大災害に対して、むやみやたらに恐れるのではなく、できる限りの備えをして、犠牲者を減らすことはできないかを日々考えています。

私たちは地球という自然の中に活かされているのであって、自然をある程度知ることはできても、まだまだ解明されていないこともたくさんあります。
過去の事実に直視し、それ以上のことも起こることを想定し、起こった後ではなく、起きる前から後悔しない準備をする必要があると感じています。

そこで過去の震災を振り返ってみると、
当時の想定をはるかに超える「想定外」のことが数多く発生しています。
いまわたしたちにできることは、「想定外」をそのまま放置するのでなく、過去の事実から学び、できる限りのことを考え、準備することが重要だと考えています。

近年起こった2つの大規模地震のデータを元に、犠牲になった方々の年齢層や死因を共有していきます。

画像:神戸市より提供

共通点としては、
大地震であったこと、60歳以上の生命が多く失われたことです。

まず男女年齢別死者数からみていきます。

引用:「東日本大震災と阪神・淡路大震災の男女別年齢別死者数」社会実情データ図録
引用:「東日本大震災と阪神・淡路大震災の男女別年齢別死者数」社会実情データ図録

引用元データ

人口構成上、高齢者が多いので年齢別だと必然的に高齢者が多くなるのではないかというご意見もございます。

東日本大震災のデータで見てみると、
年齢別人口比では、
60歳代:1.4倍、70歳代:2.3倍、80歳以上:3.3倍
と“高齢者ほど死亡率が高くなっている”、事実があります。

つぎに死因について見ていきます。

2つの大地震は、立地や生活環境などの違いから死因は大きく異なっています。
阪神・淡路大震災は、70%以上が建物の倒壊に伴う窒息・圧死。
東日本大震災は、90%以上が津波に巻き込まれたことによる溺死。

また1923年に発災した関東大震災では、焼死が一番多い死因でした。

建物の倒壊は一瞬で逃げる余地もありませんが、津波などは正常性バイアスが働いていたそうです。

大切な命に国籍、年齢、性別などは関係ありません。
みな一つの命ということは変わらないのです。

高齢者の方々の被害を最小限にするにはどうしたらよいか。
理由に関しては様々な見解がありますが、はっきりと分かっていないこともあるため、今後ヒアリングなど含め考察を続けていきたいと思います。

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