ブロックチェーンを観光で活用してみた
今回の記事は、2020年4月発売の『月刊仮想通貨6月号Vol.27』にて、弊社代表藤田がOwlTing社と対談し、観光地におけるブロックチェーンの活用について話した内容をもとに、弊社の考えを書き残しています。
独自の歴史や文化を持つ白川郷で、ブロックチェーンの導入…??
なんだか相反するもののように感じますが、ブロックチェーンは白川郷の魅力である"人情味"をどう訪問者に届るか?ということの一つの解決方法だと感じています。伝えたいことは、ブロックチェーンの導入が目的ではないということ。これ、大事なポイントですよ。
SBIグループからも出資を受ける台湾のブロックチェーン・スタートアップであるOwlTing社が、一体なぜ白川郷と協業することになったのか。その出会いの経緯・想いを紹介していきます!
観光需要高まる一方で、現場は予約作業で手一杯…。
世界遺産にも登録され、国内外から年間170万人以上の観光客が訪れる白川郷。日本の原風景が残り、歴史ある文化や生活を体験してみたいというニーズも高く、今では観光客の7、8割程度が外国人観光客になっています。
実はここ白川郷には、合掌造民宿、ゲストハウス、旅館、一般民宿など約40の宿泊施設があるんです。
https://shirakawa-go.gr.jp/stay/
予約方法ですが、合掌造民宿では電話やFAXで受付けていました。さらに、手作業での予約管理は時間や手間がかかるだけではなく、ヒューマンエラーも起こりやすくなっていました。現に、オーバーブッキング、ダブルブッキング、NO SHOW(予約したお客さんが予約通りに来訪しないこと)などが発生してしまうことも…。
インバウンド需要が上がっているにも関わらず、
・外国人にとって予約をするハードルが高い。
・予約の機会を損失してしまう。
・作業は宿側にとっても大きな負担になる。
などなど、予約に関することだけでも沢山の問題を抱えていました。
「民宿の女将さんでもわかる」利便性を重視し、地域に寄り添うDXを実現
そこで、弊社代表の藤田は予約管理システムのデジタル化を進めようと考え、多くの予約管理システムを実際に使ってみて比較してみることに。
その過程でOwlTing社と出会ったのです!
私たちが目指したのは、宿側にとってもお客様にとっても使いやすい予約管理システムを導入するという点です。これまで紙ベースで予約管理をしていた合掌造民宿の女将さんでも使いやすいこと。そしてお客様にとってもわかりやすいこと。その条件をもっとも満たしていたのがOwlNestでした。
https://www.owlting.com/owlnest/ja?l=ja
数ある予約管理ステムの中で、ブロックチェーンを使っているかどうかということではなく、利便性を重要視して比較していました。利用者はどんな技術を使っているかなんて気にしませんし、民宿の女将さんに〝ブロックチェーンを使っているんですよ〟なんて言っても、まったく何のことやら?という反応ですよね(笑)それよりも、わかりやすくて使いやすいことが一番です。
予約負担を軽減し、訪問者に体験価値を提供する
白川郷の魅力は美しい景観に加えて日本の伝統的な文化を感じられること、そして人情味あふれる人とのふれあいです。
“結の精神”と呼ばれるように、小さな集落の中で村人同士が助け合いながら生きてきました。そんな人との繋がりを大事にする文化の中で、全てをデジタルに頼る必要は全くありません。本質は業務の効率化ではなく、地域の人たちによって使いやすく、訪れた人たちに価値ある経験を提供していくこと。自然と人情あふれるこの地域で感動を創出し、"また白川郷に行きたいな"と思っていただけることが何よりも嬉しいことです。
白川郷はすでに日本屈指の観光名所ですが、これまで以上に多くの方にその魅力が伝わるように尽力できたらと思います!
*現在、予約業務を観光協会に集約したため、本サービスは終了しました。
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