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自爆する若者たち / Gunnar Heinsohn | 読書メモvol.11

このnoteは私が読んだ本の中でよかった本を1,2分で読めるように要約しています。ご興味持った方はぜひ読んでみてください。

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世界各地で頻発するテロ。
この原因は、民族、宗教、貧困のせいだけなのか。
テロや戦争の原因は、 増えすぎた若者たちにあったとする筆者の本に目が留まり読んでみました。
若者の増加がテロや紛争につながるというメカニズムには新たな気づきを得ることができました。


要約

一国の15-24歳の比率が、少なくとも全人口の20%、もしくは0-15歳未満の年少人口が少なくとも30%を占める際、
「ユース・バルジ」= 過剰なまでに多い若者世代
が見られる。

これら世代の人口が急増した場合、深刻な問題となることは、彼らが社会に出た時に職につけないこと。

職に就けなかったものが残された道として、
・国外への移住
・犯罪に走る
・クーデターを起こす
・内戦もしくは革命を起こす
・集団殺害や追放で少数派のポストを奪う
・越境戦争を仕掛ける
がある。

米国陸軍省は、ユース・バルジを第1級の脅威としている。
その理由として、ユース・バルジの男子が多い第3世界の国々は、大軍団を戦火の中に送り出すことができる。
一方で、第1世界の男子は一人っ子が多く、軍事的動員に応じきれていない面がある。男子の多い方が戦闘では有利となる。

イスラムのテロリストには、社会的地位を有する者が少なくない。
貧困や飢えがテロリストを生むのではなく、殺人を犯すのは、ステータスと権力に目がくらんでのことである。
紛争や戦争をなくす上での問題は、食糧や学校の不足よりも、増え続ける野心満々の若者に、相応の地位を用意することができないことである。

現在、イスラム諸国は、数量的にユース・バルジの好例といえる。
これらの国々では、1900-2000年の100年(5世代)の間に1億5000万人から12億人へと人口は8倍にもなった。

2020年代には、イスラムが人類の4分の1を占めるとされている。
この数値は、1900年、欧州による世界支配が頂点にあった時、
1920年、大英帝国が絶頂にあった時の比率に相当している。


人口減少街道を突き進む日本だが、世界では人口が爆発的に増えており、真逆の世界観にも色々と問題が潜んでいるのだと痛感させられた書籍でした。

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逆境のパッショニスト
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