友人関係のテーマを考えたくなった――「胃が合うふたり」を読んだ
千早茜・新井見枝香『胃が合うふたり』を読みました。
信頼しているYoutuberさんが紹介していて気になっていたのだった。私はとても食べ物について書かれた文章が好きで、なおかつ食べ物を通して語られるふたりの関係性が良いという話だったので食いついた。
もうずーっと美味しそうだったし、確かに最高の友情だった。
私も友達と美味しいものを食べに行きたいという衝動にかられたし、友達のキャラをじーっと分析したくなった。それに、彼女たちと私の胃は合っているのだろうか……?
私は友達と会うときのテーマがあるか? を考えた
ふたりは自分たちの関係のテーマを「胃が合う」とした。だから軸は食べ物だ。
私と友人にはテーマがあるのか? と考えた。そんなこと考えたこともない。とにかく楽しそうな場所だったら一緒に行く! って感じだ……。
恥ずかしい話、私はほとんど友達を遊びに誘わない。誘われてばかりだ。というのも、行きたい場所が特にない。というか、探し方がわからない。
でも、テーマがあれば行きたい場所を絞れるかもしれない。軸がないから探せなかっただけかもしれない。私と友人が共通で好きなものって何なのだろうか。ちょっと考えてみたくなった。
食べ物をもっと楽しまなきゃ、と思った
これまで私は食べ物のエンタメ性を無視してしまっていたかもしれない。
手をかけて作られた料理やお菓子には人を楽しませる工夫がたくさん詰まっているというのに!
なので私も食べ物のメモをとろうと思った。
私もメモ魔だけど、食べ物に対してしっかりメモをとったことはなかったな。旅行に行ったときのホテルの料理も、記録用に写真を撮って、食べて「おいしー」で終わっていた。内心「それでいいのか? もっと楽しむ方法があるのでは? もったいないのでは?」と思っていたが、私は食に対する解像度が低いせいか、それ以上のことができなかった。もっと素材とかに着目したらよかったんだ……。
襟を正して会う友達も「本当の友達」なのよ!!!
ふたりは間違いなく仲のいい友達で、私は「最高の友……! いいなぁ!」という感想を終始抱いていた。それでも決してベタベタはしていないなーと思った。なんでも見せ合うわけじゃないし、気持ちが荒れているときは相手を傷つけないように近づかないようにしたり。
昔Twitterでイジワルなやつが「友達の前でも居住まいを気にするなんて女ってのは他人行儀だねぇ」とイヤミを言っていた。私は当然それに反感を覚えた。今思い出してもむかっ腹が立つ。
「なんでもありのまま見せ合うのだけが友人関係じゃないだろ💢」と。「人間だれしも自分以外は他人だぞ、どんな関係でも一定の線引きは必要だろ。親しき中にも礼儀ありって言葉を知らねぇんだなこいつは。親しさを免罪符に友達をぞんざいに扱ってそー! ハァむかつく!」と小一時間キレていたことがあった。
で、今回このエッセイ集を読んでわかった。何もかも見せ合わなくても、お互いにベクトルが向いていてお互いへの敬意があれば最高の友達なんだよ! と。
友達という関係の奥深さにもっと触れたいよ~
読了後、もっと仲のいい友達関係を書いたエッセイを読んでみたい、と思った。
なぜかというと、私のなかに友達のロールモデルがあんまりなかったことに気づかされたからだ。遊ぶときは友人と共通するテーマを参考にすればいいんだ! とか驚きがあったし。
おいしそうな食べ物と友情に満たされた。好きな本リストに入りそうです。
おすすめされるがままに読んでよかった。