ADHDの診断と心理検査
ページへの訪問ありがとうございます。今回は私がADHDの診断をどのように受けたかを書きたいと思います。よければ最後まで見て下さい。
⚪︎まずADHDとは何か
ADHD(注意欠如・多動症)は、Attention(注意)Deficit(欠如) Hyperactivity(多動)Disorder(症)の頭文字を取ってADHDと呼ばれています。「不注意」「多動性」「衝動性」を特徴とする神経発達症の一つです。この特性は誰にでも起こりますが、ADHDの場合、日常生活や社会生活に支障をきたすレベルで持続的に現れる点が特徴です。多くの場合、幼少期に兆候が現れますが、診断を受けないまま大人になるケースも少なくありません。
私自身、社会人になり反復性うつ病で10年以上精神科にかかっていたものの、今年9月に診断を受けました。それまで「なぜ同じ失敗を繰り返すのか」「努力が足りないのか」といった自問自答と自己否定に苦しむ日々を送っていました。しかし、診断を通じて自分の特性を知り納得。不安はありますが今は特性を理解していき適切な支援や環境調整の方法を学ぶようにしています。
⚪︎診断の重要性
ADHDの診断は、ただ「病名」をつけるためのものではありません。診断を受けることで、自分の特性を理解し、それに合った対応策や支援を見つけるための第一歩となります。また、家族や周囲の人も特性を理解しやすくなり、必要のない誤解やトラブルを減らすことができます。
診断には、精神科の医師や心理士が実施する問診と合わせて心理検査をする場合が多いです。この検査は「自分がADHDかもしれない」と感じた場合、または家族や学校、職場からの指摘がきっかけで受けることもあります。私の場合は主治医からADHDかも知れないので心理検査を受けてみないかと言われ心理検査をしました。
⚪︎ ADHDの診断プロセスと心理検査
診断は一般的に以下の流れで進められます。
1. 問診
医師や心理士が、幼少期から現在に至るまでの行動特性や困りごとを詳しく聞き取ります。家族に協力を求め、第三者からの視点を得る場合もあります。
2. 心理検査
心理検査は、ADHDの特性を客観的に評価するための重要な手段です。私の場合は下記のような心理検査を受けましたが一例であり、違う組み合わせで検査を受ける方もいます。
• WAIS -Ⅳ(ウェクスラー成人知能検査)
知能指数(IQ)だけでなく、注意力、記憶力、処理速度の特性を分析します。これにより、ADHD特有のパターンが明らかになることがあります。
• CAARS(Conners’ Adult ADHD Rating Scales)
18歳以上の大人が抱えるADHDの症状をチェックするための心理検査です。CAARSでは「注意が散りやすい」「じっとしていられない」「衝動的な行動が多い」など、ADHDに特徴的な行動パターンを数値化し、症状を評価します。
・PFスタディ
2人以上登場人物のいるマンガ式の絵を用いて、検査を受ける人に吹き出しの中に言葉を埋めてもらい、性格傾向を把握します。
⚪︎診断を受ける際の注意点
診断は慎重に行われるべきプロセスです。なぜなら、ADHDの症状は他の疾患(うつ病、不安障害、双極性障害など)や環境要因と重なる場合があるからです。そのため、信頼できる医療機関で専門家の判断を仰ぐことが大切です。
もし検査を受けるのであれば検査内容を検索しないことをオススメします。検査内容を予測してしまうと、予備知識もできますし検査結果も変わってきます。
また、診断を受けることは必ずしも「治療」を意味するわけではありません。治療の有無や方法は個々人の状況に応じて異なりますが、環境調整やスキルの習得が重要な役割を果たします。
⚪︎診断後の生活と支援
診断を受けた後は、特性に応じた対応を行うことで、日常生活の質が向上します。例えば、以下のような工夫があります。
• 環境を整える(視覚的な整理、スケジュール管理ツールの活用)
• 周囲に特性を伝えることで、サポートを得やすくする(言える環境であれば。言うことで環境が悪化するパターンもあります。)
• 必要に応じて薬物療法やカウンセリングを受ける
また、支援を受ける際には、地域の発達支援センターや福祉サービスを活用することも有効です。
⚪︎家族や周囲の理解を得るために
ADHDの診断は本人だけでなく、家族にとっても大きな意味を持ちます。家族が特性を理解し、一緒に適応策を考えることで、本人がより安心して生活できる環境をつくることができます。
しかし、理解を得ることは簡単ではありません。診断名への偏見や誤解が根強く残る場合もあります。そのため、専門家による説明や支援グループへの参加を通じて、情報を共有することが有効です。
⚪︎この回で伝えたかったこと
ADHDの診断はゴールではなく、スタート地点です。診断を受けた後の行動や選択が、生活をより良い方向に進める鍵となります。
また、ADHDの特性に悩む方やその家族が、自分たちの特性を理解し、必要な支援を受け『生きづらさ』が少しでも減っていくことを願っています。
☆最後まで見ていただき、ありがとうございました。