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【ニューノーマル の兆しを掴む#001】市場トレンド変化レポート(日雑品業界編)

スパイスボックスのSocial Data Labがお送りする、新型コロナウイルスをソーシャルリスニングによって分析するレポート第6弾。「市場トレンド変化レポート」編の第二弾として、「日雑品業界」に焦点を当てて企業・市場のトレンド変化を分析します。

※調査概要
・SNSプラットフォーム:TwitterおよびFacebook
・キーワード:「コロナ」「おうち」を含むコンテンツやTwitter投稿(無関係のものは分析時に除外)
・期間:2020年1月1日〜2020年6月23日
・ツール:spiceboxのオリジナル・ソーシャルリスニングツール「THINK」
・対象業界:日雑品業界(日用品・トイレタリー・一般医薬品・雑貨)


マスクや消毒液の買占めなど、大きな影響を受けた一般医薬品。

コロナウイルスによって最も大きな影響を受けた業界の1つはやはり、「マスク」や「消毒液」などを扱う一般医薬品業界。

マスクの買占め騒動や、首相による布マスクの配布などは記憶に新しい所ですが、ソーシャル上でもマスクの不足を嘆く声や、布マスク配布に対する賛否などが大きなエンゲージメントと共に注目を集めました。

参考)安倍首相による「布マスク配布」に関する発表 (112,203ENG)

またマスクや消毒液に対する注目の増加に伴い、企業による迅速な対応アクションは生活者からの賞賛の対象となるケースが多く見られました。

例えば注目を集めたのは、花王による「アルコール消毒液増産に関する情報」や、「キッチンハイターを用いた布マスクの洗い方」に関する投稿。喫緊の課題に対するアクションや、生活者が抱えている課題に対するタイムリーなお役立ち情報は、「すごくわかりやすい」「助かります!」などの声とともに、拡散される傾向が見られました。

参考)「花王による消毒液の増産情報(116,377ENG) 」「布マスクの洗い方に関する投稿(25,678ENG) 」

一方で、マスクや消毒液の供給が安定し始めた事により、生活者側の混乱も徐々に落ち着き始めている様子が見られます。

例えば「マスク」を含む投稿に対するエンゲージメントの推移を見ても、2月後半から4月末をピークにエンゲージメントのボリュームは減り始め、6月に入ってからは更に反応が落ち着いている様子が見られます。

図1

参考)マスクを含む投稿に対するエンゲージメント推移 (ツール:spiceboxのオリジナルツール「THINK」/SNSプラットフォーム:TwitterとFacebook)

上記のエンゲージメント数下降の背景にあるのは、マスクの供給が落ち着きつつあるという事と、生活者にとってもマスクはもはや「新しい日常品」の1つとなりつつあるということ。

例えば「職場・学校」や「デパートなどを含む公共施設・店舗」ではマスクを着用しての入場がスタンダートとなるケースが増え始めていますが、SNSでもそのような「ニューノーマル」を紹介する投稿や、それに対する違和感を表した投稿が、共感の声と共に大きな注目を集め始めています。

最近では本格的な夏が始まる中「夏場でもマスクを付ける必要があるのか」「マスクとどう付き合っていくのか?」という議論も見られますが、このようなマスクに付随する「新しい当たり前との付き合い方」に関する議論は、今後も盛り上がりを見せると考えられるでしょう。

トイレットペーパーや生理用品など、混乱の落ち着きと共に新しいトレンドが生まれるトイレタリー業界。

マスクや消毒液などのコロナウイルス対策に関する直接的な需要とは異なりますが、間接的に大きな影響を受けたのが「トイレットペーパー」や「生理用品」などを取り扱うトイレタリー業界。

品薄になっているとの「デマ」が「買い占め・買いだめ」へと繋がり、ドラッグストアでは一時的に品切れ状態になった店舗も多く見られました。

参考)「トイレットペーパーの買い占めを報じる記事(23,510ENG)」「生理用品の買い占めを報じる記事(4,886ENG)」

しかし「マスク」や「消毒液」と同様、供給の安定に伴いソーシャル上の混乱も安定傾向に。例えば「トイレットペーパー」を含む投稿に対するエンゲージメントの推移を見ても、トイレットペーパーの買い占めが注目された2月後半から3月初頭をピークに、エンゲージメントのボリュームが大きく減少している様子が見られます。

図2

参考)トイレットペーパーを含む投稿に対するエンゲージメント推移 (ツール:spiceboxのオリジナルツール「THINK」/SNSプラットフォーム:TwitterとFacebook)

しかし、トイレットペーパーへの注目が集まった事により、SNS上に生まれた「新しいトレンド」も。

例えばペットがトイレットペーパーを飛び越える様子を紹介する「#レベルアップチャレンジ」は、おうち時間を楽しく過ごすためのコンテンツとして、Instagram・Twitter・TikTokなどプラットフォームを問わず大きなトレンドに。

コロナによる環境変化に合わせた、ニューノーマル?と呼べるかも知れないコミュニケーションの変化が見られました。

一方で、一時期混乱状態にあった「生理用品」に関しても、供給の安定に伴い通常の企業活動が再開。

生理が大きくメディアに取り上げられたり、生理にまつわる映画が公開されるなどの理由から2019年を「生理元年」と呼ぶメディアもありましたが、2020年も「生理」が引き続き注目トピックスの1つとして、新ブランド発足情報や企業のキャンペーン情報が生活者の注目を集めていました。

参考)「生理用品ブランド『Nagi』始動(2,737ENG)」「#NoBagForMe 2020 始動(1,854ENG)」

以上、大きな変動があった「マスク・消毒液」などを含む一般医薬品業界と「トイレットペーパーや生理用品」を始めとするトイレタリー業界を中心に、日雑品におけるトレンド変化をご紹介しました。

Social Data Labでは引き続きエンゲージメントを獲得している企業のアクションを取り上げつつ、生活者の関心についてもソーシャルリスニングによって考察しています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。