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横道世之介

頭と性格が良く魅惑のマシンガントークをする素敵なお友達がいて、そのかたが読んだ小説ということで「絶対面白いよな〜」と、内容もジャンルも全くわからないままわくわくして読み始めました。

青々とした少し他人行儀な空気感から始まった桜の季節・・・そうかこれは青春のストーリーなのかな?

普段あまりこういうジャンルを読むことがなく、更に言うと日本の小説を読んだのも久々なのでとても新鮮です。
軽快なテンポで進む物語同様に、ページを繰る手も止まりません。

自分の学生時代を思い返したり、出てくる少女に自分を重ねたりしながら読み進めていくと全体の6割ほど読んだところで事故についての情報が・・・。
そうか、このために今まで時系列が。
ここで落胆して少し襟を正し、また読み進め・・・

人との出会いって不思議ですね。
縁が絡まり築き上げられそれが絆となって。
出会いに奇跡を感じることはあるけど、その奇跡ってもしかしたら運命と言い換えることもできて、それならば偶然ではなく必然なのかもしれない。

ノエキャロという人間はどんな影響を与えたでしょうか、あるいはもう忘れてしまう存在でしょうか。

「自分がいなかったらこの人の人生は全く違ったものだっただろうな」ということはPさんを見ながらよく考えているものの、実際にそんな話はPさんとしかしたことがなかったので、普段抽象的に考えていることが小説という形になって存在していることにとても感銘を受けました。

今日は読み終わったばかりで、このあとさらに色々な感想や疑問などが浮かんでくるんだろうなと思うとそれも楽しみですが、今はまだ最後の手紙で頬を濡らしています。

書籍は大抵Kindleで読んでいて、ハッとした部分にはその場でハイライトを付けています。
今見返したら、みっつありました。

「俺なんか、たこ焼きもまともに食えない人間なんだって……、俺もここで泣くぞ!」

何かが欲しいんじゃなくて何かを捨てたい

誰かを傷つけたことがないんじゃなくて、傷つけるほど誰かに近づいたことがなかった


最初と最後は世之介ですね。
たこ焼きはなぜかとても共感した台詞でした。
「あ、だめだ」っていうポキッと音を立てるときの心が、お砂糖やたこ焼きに具現化したんですよね・・・。

最近自分も人間関係で色々思うところがあり、1度途切れた縁がまた繋がった場合、それは強靭になるのか脆弱になるのかどちらなんだろうと怖くなります。
でもどちらに傾くかはお互いの有り様次第かもしれませんね。(そう信じて努力したいです。)

いつだって気軽に口にしている「またね」は、「普通に続く人生と関係性」を前提にしてるからこそ出てくる言葉。

それは本当に続いていくのかな?
突然消えてしまわない?

小説を閉じると同時に今日もまた伝えられなかったあれこれを思い出して、それがどこかへ飛び出していってしまわないように、ぎゅっと圧縮して心にしまいこみました。

この作品を教えてくれたお友達に感謝です。
いつもありがとう!
これからもたくさん遊んで色々語り合おうね☆

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