鶴さん、愛について教えてください。
人間はふたつの愛を持っている。
自分に対する愛とそれ以外に向ける愛だ。
ふたつの愛は全く違う。
愛という同じ言葉で定義できないほど違う。
今、人間は自分に対する愛を他者に求めようとする。
だから人間関係も恋愛もこじれるんだ。
自分に対する愛は、自分自身の存在を認め、大切に思う感情だ。
自分以外に向ける愛は、自分と他人は違うと認識するための感情だ。
自分以外、お前の思い通りに動く人間なんて誰もいないんだ。
家族だろうが恋人だろうが、お前とは違う人間なんだからな。
互いを特別に想う気持ちで繋がっても、それは変わらない。
でも、そう思えない人間の方が多いだろうな。
自分を愛してくれているなら、自分の思い通りになるはず。
自分が相手を愛するように、相手が自分を愛してくれると思い込む。
自分を愛してくれているなら、自分と同じように連絡してくれるはず。
そうでは無いと、あの人は私を愛してくれないと一人不安に陥る。
当たり前だろ、あの人はお前とは違う。
愛情表現や連絡の頻度、愛する感覚が同じ方が異常なんだ。
それは他者への愛ではない、
自己愛を他人に押しつけているだけだ。
自分を愛することに責任を持て。
自分を慈しむことを他人に委ねるな。
お前はもっと自分を愛することができる。
お前の心は、他人ではなくお前自身に愛されることを待っている。
子どもに対する愛だってそう。
お前と子どもは違う。
子どもの心をコントロールなんてできる訳がない。
周りを自分を重ねるな。
お前はこの世にたった一人しかいない、特別な存在なんだ。
お前が望む愛を与えてやれるのはお前だけだ。
お前がお前を愛するんだ。