コンクリート充填鋼管構造―最後までコンクリたっぷり!
コンクリート充填鋼管構造とは
みなさんは虎ノ門ヒルズをご存知でしょうか。
最新の技術が活用されたされた高層ビルである虎ノ門ヒルズの設計には
コンクリート充填鋼管構造(以下CFT)が採用されています。
コンクリート充填鋼管構造の特徴
一般的にコンクリートは引張に弱く、鋼管は圧縮に弱いです。
しかし、鋼管にコンクリートを充填することによって両者の良いところを両取りすることができます。
この特徴は充填コンクリートと鋼管の相互拘束効果(コンファインド効果)です。
この効果によってコンクリート充填鋼管構造は通常のコンクリートや鋼管よりも剛性が高まり、柱寸法を小さくしたり、階高を高くできます。
また、型枠や鉄筋が不要になるため工期を短縮することもできます。
型枠が不要になれば木製の合材も使わないため環境にも優しいといえます。
コンクリート充填鋼管構造の作り方
鋼管へのコンクリートの充填方法は2種類あります。
ひとつは圧入工法です。
鋼管の下部からポンプ車の圧送配管をつなげてコンクリートを挿入します。
もうひとつは落とし込み工法です。
鋼管の頭部からトレミー管やフレキシブルホースを使ってコンクリートを落とし込む工法です。
どちらも締固めが困難なため自己充填性のある高流動コンクリートを使用して打設します。
まとめ
今回はコンクリート充填鋼管構造について簡単にまとめてみました。
鋼管にコンクリートを充填するコンクリート充填鋼管構造を採用するとその高強度の構造により自由な設計を行うことができ、生産性、経済性に優れます。また、環境対策にも貢献するという素晴らしい工法です。
しかし圧入や落とし込みには施工不良を起こさないようにするための高度な技術が求められます。
そのため、施工業者も限られ優れた性質の割にまだまだ採用される件数が少ないのが現状です。
それでも技術の普及が進めば様々な建造物でコンクリート充填鋼管構造が採用されると考えられます。
そんな上から下まで「コンクリートたっぷり」なコンクリート充填鋼管構造をお知りいただけたならこれに勝る喜びはありません。
お読み頂きありがとうございました!