えっ!?コンクリートにアルミ粉を?-発泡剤としてのアルミニウム粉末-
アルミニウムは酸にもアルカリにも溶ける両性金属
そんなアルミニウムの粉末と生石灰と水を混ぜ合わせると、
水素と強い反応熱が生じます。
アウトドアや災害時の調理に使われる発熱剤はこの反応熱を利用したものです。
反応の流れは以下の通りです。
発泡剤としてのアルミニウム粉末
アルミ粉は発熱剤として活用されるほかにコンクリートに入れることもあります。
このときの主役は水素です。
上記の反応と同様に、コンクリートが硬化する際に水和反応によって生み出される水酸化カルシウムとアルミニウム粉末と水が反応することで水素が発生します。
コンクリート中に生成された水素は微細な気泡となります。
気泡の生成によって打設直後のコンクリートにおいて3つの良いことが起きます。
軽量気泡コンクリート(ALC)
とりわけ③の特性を活かしたコンクリート、軽量気泡コンクリート(ALC)は建築の現場で多く活用されています。
ALCの主原料は珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉です。
これを水で練り混ぜて高温高圧の蒸気釜で加熱するオートクレーブ養生をすることで硬化します。このとき水和反応により結晶が生成されるとともに上述のアルミ粉と水酸化カルシウムの反応による水素が発生し微細な気泡ができます。
この気泡のおかげでコンクリートの軽量化だけでなく耐火性や断熱性、遮音性も向上するためALCパネルは住宅や商業施設などで広く使われています。
まとめ
今回はアルミニウム粉末をコンクリートに入れると水素の泡が発生し、収縮を抑制したりコンクリートを軽くしたりすることができることについてまとめました。
ちなみに私はアルミニウム粉末を仕事で使ったことはないです。
発泡剤についてはコンクリート技士の勉強で初めて知ったほどです。
しかし、世の中ではALC造の建物にALCパネルが多く使われています。
私たちの知らないうちにアルミニウム粉末の恩恵を受けているのかもしれないとおもうと、なんだか面白いですよね。