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家族が移住を決めるまで
およそ1年ぶりのnote。その間、わたしたちは思いっきった決断をした。
突然の告白
「松本(長野県)へ移り住もう」
夫が仕事終わりに急に言ってきた。いや、急とは言いながらいつかこう言われるのではないかと予測していた。
わたしはもともと関東出身で、仕事の関係で関西へ。そして結婚、妊娠、出産。息子も元気に1歳半近くになり、毎日なんだかんだ言いながらもなんとかやっていた。しかし夜になると急に考えてしまうこれからのこと。
息子は近くの0歳児クラスの保育園へ通っている。なんの問題もなかったらこのまま進級して、仲のいい友達も増え、ここが地元になるんだろう。
夫も新卒から入った会社で働きつづけ、役職につきながらキャリアを積み上げていくんだろう。
わたしはこれからどうなるんだろう?
このままここで暮らしていくの(いけるの)かな?
子どもが産まれてから、自分が育った情景を思い出すことが多くなった。
のどかな雰囲気の小さい町だったが、温かい人が多く、雄大に広がる田畑の匂いが忘れられない。交通の便などはあまり良くなかったが、ゴミゴミした様子もなく緑豊かな地でのびのび育った。
子どもには田舎で育ってほしい。
自分の過去と照らし合わせ、いまの環境が違うと決めつけてしまうことは必ずしも正しいとは限らない。
だけど、わたしはこの先ここで暮らしていくことが想像つかないのだ。
こういう「将来どうなるかわからないよね、これからどうしようか」な考えは、子どもが寝た夜9:00くらいから押し寄せてくる。
仕事から帰宅した夫からしたら聞きたくないだろう(今思うと申し訳ない)
そんなわたしを見て、関西から離れた穏やかな地に引っ越そうと夫も一念発起をしてくれたのだ。
ちなみになんで松本かというと、
・隣の市にわたしの実家がある(埼玉から移動)
・山が近い(登山が趣味だった)
・関西にも関東にも行きやすい(松本は中信地区)
・都市部も田舎も兼ね揃えている(暮らしに飽きない!)
などなど、移住先として魅力的。
なにより自治体が移住者向けに仕事や住まいの情報を発信しており、安心して移り住めるような体制が整っていた。
一歩踏みだすはずが…
ここは喜んで移り住むことに前向きになるはずだが、わたしの答えは違った。
本当にいいの?
あれほど、ここは違う!と言ってきたのに、いざ動ける選択肢が出た途端、そのカードを引こうとはしない。いったいなぜ?
移住のリスク
3年前の夏、埼玉の実家にいた両親が長野へ引っ越したいと言ってきた。子どもが巣立って、長野に戻りたいという両親の希望を叶えたいと、仕事を辞めて移住の手伝いに尽力した。
そのときの移り住むという意味は同じだが、今回はリスクが大きい。
大きく分けて3つ。息子の保育園、夫婦揃っての転職、そして住まいだ。
前述の通り安心して移り住める情報や選択肢は多いが、着手するのにどんだけあるの状態。ましてや保育園入園も抽選だし、落ちる可能性もある。いやいや、そんなことよりわたしたちの仕事。転職失敗して無職になるかもしれない。住まいもこことは違って冬は極寒。自転車移動が車に変わることも視野に入れないといけない。
なによりいまの守られている生活を脱してまで松本への移住を選ぶべきなのか?きっと前向きに考えられないのはこういうリスクからだ。3年前と比較すると、独身時代ってなんて身軽だったんだろう…
引っ越しに前向きな夫婦
移住したほうがいいのかな?どうしようかな?と考えながら夏は過ぎ、先週、元実家がある埼玉へ向かった。
なぜなら埼玉の実家に引っ越したいと申し出てくれた夫婦に会うためだ。
ここでは詳細について書けないが、2人とも関東以外の出身で埼玉とは縁もゆかりもなかった。結婚してから埼玉へ越してきて、地元の人と交流したり、ほかの移住してきた人と話していくうちにどんどん打ち解けたらしい。知人を介して、わたしたちが住んでいた家に住みたいと言ってくれたのだ。
「憧れだった家庭菜園を始めて、自給自足したい」「もし可能なら家の一部をDIYしたい」
2人とも将来の生活に前向きで、理想を語り始めたら止まらないくらいだった。初めてお会いした夫婦だが、なんだか応援したくなる素敵な夫婦だった。
引っ越し「ええやん」
大阪にもどり、その日あったことを夫に話した。
夫は「ええやん」しか言わなかった。
引っ越しに前向きな夫婦もいれば、リスクを並べて立ちすくむわたし。えらい違いだなと思っていたけれど、夫の「ええやん」を聞いて、きっと彼も前者なんだろうと感じた。
そういえば以前「仕事を辞めてまで移り住むの?キャリア放ってもいいの?」と聞いたことがある。夫は「仕事よりも家族との時間を優先したい」と答えた。当時は「へ〜」としか思わなかったが、いま思うとその考えだけで引っ越そうと思えば引っ越せるんだな。(だからリスクを取ってでも家族としての将来性を優先してくれるし、他の人の引っ越しにも「ええやん」と前向きなんだな〜)
1年後楽しく過ごせたら
正直、松本のこれからの生活は鮮明には想像できない。が、ここよりかは楽しく過ごせていると思う。のびのびした環境で子どもを育て、新しく仕事を始める。家族と小さい賃貸で住みながらも、明日は上高地におでかけしようかと言いながら笑ってる。
うん、それで十分。夜9:00に押し寄せる不安もきっと訪れなくなるだろう。
来年4月には新天地・松本で新たな生活を迎える予定だ。それまでええやん精神で引っ越ししていくぞ〜!
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