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同性婚と養子縁組
普段の生活の中で、ポッドキャストを聞くことがよくある。アプリを開けると、フォローしている番組がずらっと並び、耳が足りないほどに、新しいエピソードが更新されている。
最近は映画やドラマも、よく見ている。少し前「ぼくのお日さま」を見た時はその美しさに温まり、昨日は二度目の「あのこは貴族」を見て、実直なフェミニズムに心を強くした。(改めて、人の対話が好きなんだと思う。)
この数日は特に、見たもの、聞いたものから、フェミニズムやジェンダー、ケアについて考えたり調べたりすることが続いていた。そんな最中、好きなドラマの一つ「きのう、何食べた?」のシーズン2を見て、怒りだったことがある。
(本当に素敵なドラマなので、概要も貼っておく。Netflixに出ているので、良ければぜひ見てね。)
原作は、シリーズ累計945万部(電子版を含む)突破のよしながふみによる人気漫画「きのう何食べた?」(講談社)。2LDKのマンションで同居する、料理上手で几帳面・倹約家の弁護士・筧史朗(通称・シロさん)と、その恋人で人当たりの良い美容師・矢吹賢二(通称・ケンジ)の毎日の食を通して浮かび上がるほろ苦くてあたたかな日々をリアルに描きます。
season2の最終話。シロさんとケンジが養親縁組を組むか相談するシーンがあった。恥ずかしいことに、これまで同性パートナーたちが向き合う「養子縁組」について深く考えたことはなく、ドラマを観ながら、その現実にショックを受けた。
日本では未だ同性婚が認められていない。法的な手続きがないので「家族」という役割が必要な場面で、自身の関係を否定されてしまうことがきっといくつもある。
養子縁組をするメリットを調べてみるとこんな感じ。
(法律事務所のページをいくつも見てみた)
メリット
・第三者にも身内として主張できる
・カップルで同じ氏を名乗ることができる
・パートナー間に相続権が発生する
・税務上の恩恵が受けられる
・健康保険・年金など社会保険上の恩恵が受けられる
デメリット
・婚姻費用(共同生活費用)の分担・財産分与請求権といった法律上の夫婦のような法的保護がない
・当事者間の年齢によって親子(氏)が自動的に決まる
・「養子縁組をする意思」をめぐって縁組が無効になるリスクがある
・同性婚が法制化されたとき、結婚できない可能性がある
率直に言うと、この選択をさせるってとても酷いことだと思う。
同性婚が認められず、言うならば差別のように権利を奪われている現状なので、当事者の皆さんが養子縁組を組むことで救われること、叶えられることがあるのは、もちろんわかる。そしてそれは大切なことだと思うし、この決断をされた皆さんのこと、とても素敵に思う。
ただ、心はどうなんだろう。
養子縁組をした場合、まさしく法的な「家族」となる。同じ名字を名乗って同じ戸籍に入れる、家を借りる時問題なく契約ができる、緊急時の病院などで家族としての権利を得れる。
でもそれは、家族であるけれど、「親子関係」なのだ。
そしてさらに、今後同性婚が認められたとき、結婚できない可能性があるとは、どれほど残酷なのか。
法的な結婚が認められない上に、その法律のために、こんなにも残酷な決断をさせるなんて、酷くないか。
夜遅くにこのドラマを見て、一人で衝撃を受けてしまい、その気持ちのままに Chat GPTにこの話題を投げかけた。(最近AIとのお喋りも楽しんでいる)
思うことに共感してくれて、参考になる記事をいくつもシェアしてくれて、最後には「本来、法律は人々を守るものであり、幸福な人生を支えるための土台であるべきです。」と声をかけてくれた。
本当にその通りだと思う。法律を求めるために、心を痛めるって、おかしいことだと思う。
話は変わるが、いつかポッドキャストで「傷ついてる人に戦わせないでよ。」と言う声を聞いた。
聞くCINRA #16 で話されていたこと。とてもハッとしたので、リンクをこっそり貼っておきます。
どんなことにおいても、一人だけの声が大きい世の中ではなくて、一人一人の声が同じボリュームで聞こえる、そんな生活をしたい。