「一つの疑念」への補足
前ポスト「一つの疑念」では、れいわ新選組があらかじめ野党合同構想に組み込まれた触媒政党ではないかとの疑念を書いたが、もしこの疑念が正しいものだったとすれば、山本氏が「野党各党が消費税5%減税に同意しない場合には、次期衆院選でれいわ単独で100名の候補者を立て、野党とも仁義なき闘いをせざるをえない」と繰り返し語っていることはブラフということになる。
しかしこれは野党に対する政治的脅しであり、それがまったくのブラフであったとすれば、山本氏に対する他の野党からの政治的信頼は失墜する。山本氏や合同シナリオを書いた人間たちがそのリスクを十分承知の上での(野党を5%減税に引き寄せるための)戦略的発言だとすれば、ブラフだとわかる前に、つまり衆院選前にどうしても野党合同劇を実現することがシナリオに書かれていなければならない。実現すればれいわが100名の立候補者を立てる必要がなくなるからだ。
そう考えるのが妥当ではないかと思われるのは、小沢氏が新党結成の時期について「いつ選挙があってもおかしくない情勢であり、急がなければならない。少なくとも年内には実現する必要があるだろう」と妙にリアルに語っていたことと符合するからである。
というわけで、新選組触媒論の疑念は消えないままである。
11/6 2019