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絵が上達したい人必見、AIから学ぶ矛盾点

 自己表現の一種として、インターネット上に自身が書いたイラストを投稿する文化はもはやSNSに触れたことに無い人たちにも認知される、日本国内問わず海外でも強く根付いている文化です。この文化そして記事のタイトルに惹かれ、ここまで読み進めている読者の方もいると思います。この記事では「AIイラストで発生する矛盾点」についてそこから学べるポイントを交えて紹介していこうと思います。

矛盾点

 「AIは手が描写されない」このような話は実際によくありますし、私が生成するものもそこそこの頻度でこの現象が発生します。しかし、それよりも多いのが「背景画像」の生成にあります。こちらをご覧ください。

prompt:教室、高校

一見、ただの教室のように見えますが、なんだかおかしいように見えますね。パース(消失点を基に引かれるライン)はおかしくはありませんし、色調も雰囲気に合っていて問題がありません。ではどこが問題なのか?一旦ここで目を閉じ、「自分が通っていた学校の事」を思い出してみてください。席に着いて、目の前を見たとき、必ずあるものがこのイラストにはありません。そう黒板です!!加えて、柱の位置もなんだかおかしいですし、時計が二つありますね。他のものも見ていきましょう。

prompt:病院、病室

これは先程のものよりも分かりやすいと思います。

道の真ん中に鎮座するベットです!!これは明らかにおかしいですね。このような大きさの違和感や冷静に考えたらおかしな点、作画崩れの点を矛盾点とここでは定義します。

矛盾点と画力向上のポイント

 先程のイラストを見て、皆さんはどう思いましたか?比較的分かりやすいものを用意しましたが、すぐに矛盾点に気が付くことが出来ましたか?ここで大切になってくるポイントはこの矛盾点に即座に気が付くことにあります。 
 これはあくまで私の持論ですがAIイラストは「ぱっと見は全くの違和感が無い」イラストであると思っています。それはどんなキャラクター、どんな背景、どんな創造物、文字、全てにおいて言えます。そう、ぱっと見は全くの違和感が無いのです。ですが先ほどのイラストをスマートフォンかパソコンから見た皆さんは拡大表示され、加えて私が指摘したことでよりしっかりとAIイラストを見たことで矛盾点にはすぐに気が付いたことだと思います。
 AIイラストの最大のデメリットはやはり「そのままではイラストとしては不完全なケースが多い」ということです。これを皆さんには体験していただきました。ただ、人が手で描いたものが必ずしも完璧、つまりは「矛盾点が何一つ無い」ということはありません。子供の描いた絵を思い出してみてください。身体に対して明らかに顔が大きく、遠くの木は小さい、濃い青の水、明らかに構図やバランスが悪いものが多かったことだと思います。しかし、成長するにつれ、個人差はあるものの、そのような矛盾点は減っていきます。これは経験がもたらす成長の一つであり、積み重ねた経験をアウトプットする際に記憶から矛盾点に気が付けるというものです。ただ、ヒトの記憶に絶対はありません。正確には記録と消去を永遠に繰り返しているのです。その為、日常的にアップデートされていくものは蓄積されていく一方、アップデートされないものはどんどん忘れていき、その輪郭はぼやけていきます。そのせいでヒトが描いた絵でも矛盾点が生まれてしまうのです。加えて、間違った記憶が畜されていた場合、その間違いを認識することも修正することも難しいものになります。
 さて、ここから本題です。画力向上の最も手早いポイントですがそれは
絵の矛盾点を見つけること」になります。そこで使えるのがAIイラストです。先ほど記載した通り、AIイラストはぱっと見はよくできています。あくまでもぱっと見、これは構図や色遣い自体は決して悪いものではないことを意味しています。矛盾点を見つけたのち、どこに違和感を感じたかということを認識し修正する、一見、いやらしい勝手な改善のように見えますが(人のイラストでやったら大問題)これはあくまで練習ですし、人が作った限りなく修正が無いイラストとはまた別のものなので単純に学習商材として価値が高いものです。今回のAIイラストの使い方こそが前記事で記述した通り、私の考える「AIイラストの正しい使い方」の一つとなります。では実際に私が行った例を見てみましょう。

prompt:男女六人組

今回はあえて矛盾点が顕著に出るように複数人がいる構図を指定しました。案の定ぱっと見は違和感が無いように見えます。

NODE07が着目した矛盾点

しかし、あくまでそれはぱっと見です。よく見るとおかしな個所は多々あります。ヒトのような模様であったり、存在しない手の形状、色がやや複雑化している箇所があったりします。ただ、この絵自体はそれぞれのキャラクターが良く引き立っていてとてもいい雰囲気を出しています。私が注目した点はこの青い丸で囲った四点です。AIイラストの最も悪いところとも言えます。こちらを修正してみましょう。


修正後

青い丸で囲ったところ以外にも顔の大きさ、目の大きさ色合い、髪の長さなどいくつか修正しました。キャラ一人一人の目線や輝かしさがより際立ちました。画面の下側と髪の上にオーバーレイレイヤーで赤色を足しました。凱旋ともいうべきでしょうか、一枚からよりストーリー性が感じられるようにできたと思います。

まとめ

 今の修正では主に人体と複雑な色の混ざりを単色化することで情報量を減らしたことでより見やすくなりました。加えて赤色を足したことで全体に統一感がより出たと思います。ただ、矛盾点に気が付き、それを修正する力は紛れもない実力の一つです(自画自賛みたいになってしまいましたが)。
 ただ大事なのはあくまでアイディアと学習として使用するというもので構図や色合い、キャラクターデザインをそのまま使うことはNGです。積み重ねた経験・技術は紛れもなくあなたの実力です。AIイラストを学習とアイディアのヒントとして用いることは無限の可能性が秘めているのではないかと私は信じています。


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