SIerからSaaSベンチャーに転職して良かった3つのこと
はじめに
初めまして、フラジェリンでエンジニアをしている野田です。
主にバックエンドとインフラを担当しており、アプリケーション開発やIaCに日々取り組んでいます。最近はありがたいことにユーザー数が増えてきたこともあり、SREやデータエンジニアといったロールでも働いています。
新卒からSIerで9年間働き、フラジェリンへ昨年の4月に入社しました。入社から1年経ったので、SIerからバーティカルSaaSベンチャーに転職して良かったことをまとめたいと思います。
バーティカルSaaSについてはこちらのnoteが参考になります。
これまでのキャリアが活かせたこと
SIerだと基本的な業務はマネジメントであったり設計で、コーディングは外部委託だったりするかと思います。企業によっては設計も含めて外部委託し、社員はコストやスケジュール、品質などの数字のマネジメントだけを行う場合もあると思います。
転職前の私のイメージでは、SaaS企業だとマネジメントはおざなりになりがちで、とにかくアプトプットを最大化するというイメージが強かったです。しかし、実際、そんなことはなくチーム、ユーザーと対話しながら必要なマネジメントを必要な量だけ行うことが多いです。また多くのSaaS企業で採用されているスクラム開発ではセルフマネジメントが強く求められます。その点でもSIerの経験は活かせました。
自由に技術を選べたこと
SIerだと基本的に技術やインフラなどを自由には選択できないと思います。計画値とのブレを抑制するために、企業として使い慣れた技術・プロセスを要求されます。ユーザーにどれだけメリットがあっても仕様書に書かれていることが全てです。余計なことはせずに粛々と計画を進めることがユーザーとマネージャーから要求されます。
以前、仕様書に書かれているサーバーの台数では、要求仕様を満たせないことがありました。サーバー台数を増やすとコストを大幅に超過するので、クラウドの利用を提案したのですが議論にもならずマネージャーから却下されました。セキュリティ要件も満たしており、可用性も上がるという付加価値もあったのですが、ユーザーに伝わることさえありませんでした。ここまで極端な例は少ないかもしれませんが、SIer出身者なら少なからず共感いただけるかと思います。
一方、SaaS企業では自由に提案できます。また最近はマイクロサービス化などで技術選定がチームに移譲されている事が増えています。私も入社してからAWS LakeFormationを使ったデータレイクの構築を提案し採用されました。採用してもらえる可能性があるので学習のモチベーションにも繋がっています。
ユーザーとの深いつながりを持てたこと
SIerだと受託開発がメインになるので、様々な業界と関わることになります。会社の方針にもよりますが、大手SIerだと業務を属人化させないため、数年毎に異動があったりもします。私も主なところで、刑務所、不動産、物流、自治体など複数の業界に関わってきました。
複数の業界の知識を得られるのは日常生活でも役立ち良かったです。ただし、特定の業界を極めようというモチベーションを保つのは非常に難しいという課題がありました。例えば自治体で防災システムを構築していた際に、防災士という資格がありました。しかし、講習は休日しかなく、いつか離れる業界の必要かも分からない知識にそこまでの情熱を注ぐことは難しかったです。
一方、バーティカルSaaS企業の場合、特定の業界向けに安心してどっぷり浸かることができます。その業界を知り尽くして、ユーザーと対話してプロダクトを改善していくことになります。その業界を知れば知るほどニーズを掘り起こしプロダクトに反映できます。今では安心してプロダクト開発に取り組めるようになったので良かったです。また製薬業界は、薬機法や広告規制など法規制が厳格で、やり込みがいのある業界だとも感じています。
おわりに
個人的には転職して正解だったと思います。これまでのキャリアを無駄にすることなく、新しい事にも果敢に挑戦できるようになり幸せです。この私の経験がSIerからの転職で躊躇している方の後押しに少しでも繋がればと思っています。
さて、フラジェリンでは事業拡大に伴いメンバーを募集しています。当社に興味を持っていただけた方は、ぜひ採用情報も覗いていってください!
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