【観心寺音絵巻トリップ】光と音、意識と時間(中編)
どうも、はじめましての方と再来の方へ、たつのこ龍次郎と申します。
人の心に触れる言葉を紡ぎたい、そんな男です。
前回の投稿で、観心寺音絵巻という寺院アートイベントに参加したきっかけと、日が暮れる中で光の切り絵アートの初体験が始まった。
金堂の中で「光る切り絵」を堪能してから、山門の方向を何気なく見下ろしてみると、下からお経を唱えながら五人の僧侶がゆっくりと歩いて登って来ていた。
すぐに後をついていく。
ちゃんと距離は空けて歩いたけれど、まるで六人目の僧侶の気分に(笑)
てっきり金堂で演奏している舞台へ上がっていくのかと思っていたら逆方向へ向かう。金堂に背を向けて横一列で立ち並び、金堂で演奏される美しい音楽が、唱え続けるお経と重なり合ってハーモニーが生まれていた。
うっすらと金堂に映し出される光の切り絵が、あたりが暗くなるにつれて鮮やかさを増してくる。
このプロジェクトの総合演出者であるサキタハジメさんが、ゆったりとした感じで今回の「音絵巻」について優しく説明してくれた。
「是非反対側から向かって映し出される光を見てほしい」と光源の方を指して会場のみんなに投げかけていたのを思い出す。
ほぉぉぉ……これが……
先にお堂の中で見た光る切り絵とは別次元の美しさだった。
大きな手のひらは、弘法大師空海が創った秘仏(通常は非公開のもの)「本尊如意輪観音菩薩」の手の平だという。
この時、僧侶の登場からそうだったのだけれど、観心寺全体が計算され尽くした「舞台」だったのだ、ということにようやく気づいた。
1,300年超の歴史ある観心寺という大きな舞台を、光と音で「過去と現在、人と人を繋ぎ合わせた」のがこのイベントの凄さなのだと思った。
僧侶が退場した後、サキタハジメさんが少しおしゃべりされてから観心寺は花寺として有名であることを説明した上で
「今日、ここでしか見れないお花をご覧に入れましょう」といって、また新しい曲が演奏されたと思ったら……
階段の方から花の妖精たちが舞い現れた。
(つづく)
ではまた、どうぞお越しになってください。
2021.03.29(月)@4-008
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