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【観心寺音絵巻トリップ】光と音、意識と時間(後編)

どうも、はじめましての方と再来の方へ、たつのこ龍次郎と申します。

人の心に触れる言葉を紡ぎたい、そんな男です。

今回も写真多めでお届けします。

前回の投稿で、観心寺音絵巻も佳境となり、「幻の花の妖精」が現れたところから。

踊る妖精の姿にここ観心寺に咲くであろう花々の光の切り絵が投影され、幻の花となっていた。その後ろでは、金堂の壁には満開の桜が咲き乱れ、そして散ってゆく。

金堂にゆったりとした動きで巨大な龍が舞い登っていく。

合わせるようにゆったりとした優しげな音楽と清らかな女性ボーカルのコーラスが響き、観るものの心をグッと掴む☺️

ちなみに、このお花を模した帯や帽子の先端から伸びた飾り、指につけた飾りは木を削ったかんなくずを再利用した「かんなのはな」だった。

再び僧侶が登場して、今度はお堂の舞台上からお経を唱えてくださった。

ここに居る皆の幸せ、いや、この会場の外、‪コロナ禍‬に苦しむ皆の幸せを願って唱えられているように感じる。

除厄の寺で、お経と音楽と光の渦が折り重なって巻き上がっていた。


観心寺は不思議な起源がある。

平安時代の初め大同三年(808年)に弘法大師空海が訪ね、境内に北斗七星を勧請(※神仏の来臨を請うこと)され、弘仁六年(815年) 衆生の除厄のために本尊如意輪観音菩薩(※秘仏)を刻まれて寺号を観心寺と改称。

故に境内に七つの星塚があるほどで、北斗七星と縁深いお寺なのだ。

階段途中の外れにある拝殿では、その北斗七星が輝いており、現実の背景にある木々が混ざり合う不思議な宇宙を創りあげていた。

さらに階段横に広がる小さな丘。

奥のランタンひとつから差す花絨毯。
手前は鮮やかに投影された椿の花が広がる。

帰り道、長い階段を降りながら来た道を振り返る。まだ日が残っていた明るさの中では想像すらしなかった景色が広がっていた。

最初見た時に「?」と思っていた白い旗は、美しい植物と花を映し出して風になびいていた。

音楽を聴きながら境内で時代と意識をトリップさせていた時、東の空を見上げた。

朧月がぽっかり。

一緒に見ていた妻と「おぼろ月夜」の冒頭と最後だけ口ずさむ(笑)

昔から今に歌い継がれるいい歌だ。

おぼろ月夜
(高野辰之作詞、岡野貞一作曲)

菜の花畑に 入日薄れ
見わたす山の端 霞ふかし
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し

里わの火影も 森の色も
田中の小径を たどる人も
蛙の鳴くねも 鐘の音も
さながら霞める 朧月夜

人々が力を合わせて創りあげた美しい音楽、美しい景色。

歴史のあるお寺は、昔から人々が分け隔てなく集う場所。100年前、1,000年前でも、この寺で当時の人々がこのおぼろ月を見上げていたかもしれない。

コロナ禍で人数を制限し、配慮の上開催までこぎつけてくれた主催のみなさんに感謝の念が自然と湧き起こった。

(おわり、と見せかけておいて…つづく‼️)


→【観心寺音絵巻トリップ】光と音、意識と時間(番外編)


ではまた、どうぞお越しになってください。

2021.03.30(月)@4-009


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