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転職は有言実行すること。

転職したいと思ってる。

一ヶ月前にそう親に言った。それを言うにはハードルがかなり高くて、言うか言うまいか3週間ほど悩んでいた。なぜなら言ったら辞めないといけない、有言実行しなければならないから。

私は有言実行が苦手だ。

言ったらその事をやらないといけないから。そんな弱い自分から逃げないために、有言実行をするんだろうけど、とにかく縛られるのが嫌だった。

でも、そんな私も有言実行したことがある。それは転職だ。新入社員として入った会社を6ヶ月で『辞めます』と言ってするっと辞めた。その時はすぐに辞めたかった。上司が合わなくて、仕事が合わなくて毎日が苦痛だった。次のことは考えず、辞めてから考えることにした。
正に有言実行。だったけど自分で6ヶ月って早いな、辛坊できない奴だなとそこで思った。次はもっと長くその気持ちが残った。

転職先はすぐには決まらず日にちだけが過ぎてった。何もしない日が続く程、世の中や社会から切り離されたみたいで、お祈りメールをもらうたびに6ヶ月で辞めた自分って社会から必要とされてないのかと思った。そうなるともう終わりで、必要とされればどこでも良いと思うようになってしまった。

そして今の会社に転職。
今の会社は気づけば7年目に突入している。まず、私はもうそんなになったのかと思った。この6年、とにかく続けることだけを考えて生活していた。辛くてもとにかく続ける。辞めない。そう思って生きてたら気づいたこんなに月日が経っていた。
私は今の会社で目標としていた事がすぐに辞めないことだと、気づいたのは最近のことだった。

ふと5年後の自分を想像出来ないことに気づいて振り返ってみると『この6年なにやってたんだろ』そう思った。辞めないことだけを目標に、私は何も得ようとしてこなかったのだ。辛くても耐える。ただそれだけで、乗り越える事をしなかった。

そうなればただ所属していただけ。中身は空っぽの6年分の私が完成していた。虚しかった。私は何を履き違えていたのか『石の上にも三年』ただ座ってれば良いと本気で思っていたのだ。恥ずかしい。

今の会社は人には恵まれている。いい人たちだ、こんな人たちとはもう巡り合わないかもしれない。そう思うけど寝るために帰ってくる仕事には疲れてしまったのだ。

そしてまたこう思う。 

『転職しよう』

そうして私はまた有言実行をするだろう。
でもまだ上司には言えていない。次を決めてから言おう、そう思ってる。その次がいつかなんて分からない。だって空っぽの私のことだ、全然次の仕事が決まらないかもしれない。
だから私を必要としてくれるどこかに出会えるまで転職を言うことは出来ない。いつか有言実行することができるように今は水面下でコツコツと自分と向き合って、次を決めて這ってでも進んでいこうと思う。

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