コロナのなか作った「カクシ」というサウナの話
こんにちは。
The Sauna支配人の野田クラクションべべーです。
https://brutus.jp/magazine/issue/975/
12月1日発売の「BRUTUS」さんの表紙に選んでいただいた「カクシ」というサウナの話を少しだけさせてください。
1号棟を越える! 順風満帆にはいかなかったサウナ作りの話…
遡ること…2年前…。
The SaunaもOPENして1年ほど経ち、おかげさまで少しづつ予約が埋まるようになってきました。
そろそろ2号棟…を作りたいな…と想いつつも、働き手もまだまだいなかったこともあったし、経営的にはまだまだ余裕がなかったこともあり、言い出せずにいました。
そんなこんなでやってきたコロナという化け物。
LAMPも営業ができなくなり、はじめて固定費という悪魔と対峙してガクガクブルブルしたことを今でも覚えています。
普通経営判断としては、スタッフを休ませてなんとか給付金みたいなのをもらうのが先決ですが、正直それでもわずかな補填にしかならなかったこともあり、アップデートをしよう! サウナをつくるぞ! みたいな流れになったのです。
なんの計画もなく作り出したから苦難の連続
1号棟の記憶をたどりつつ、2号棟をつくることにしました。
なんとなくの絵は頭のなかにはあって、ワクワク要素を入れ込みたいからフィンランドのロンナ島で体験した2階建てサウナみたいなのを作りたい! と思って、ラフスケッチを作り、LAMPのスーパー大工の遊さんにお願いをして設計図を作ることに。
サウナをつくる上で1番大事な「ログ」の素材は、LAMPの美魔女楓さんの旦那さんであるめちゃくちゃ顔の濃い隼人さんに見繕ってもらい手に入れることに成功。
ただ、建てる位置が道路から離れていること、地面がグチャグチャで車で入れないことがあり、手で運ぶという判断に……これが地獄の1日のはじまりだった。
「こんなことやるために仙台から上京したわけじゃない」by サラマンダー小野
単管パイプに紐をくくりつけ、8人で1本の丸太を運ぶという地獄のような作業を66往復しました。
帰宅部が多いLAMPのメンバーの体力で立ち向かえない嘘みたいな作業に、みんなでヒーヒー言いながら、「くるよ!くるよ! うわぁぁ!」みたいな悲鳴混じりのビートが森にこだましていて、一体コロナというなかで何をしているんだ。
やっとの思いで運び終えたあとは、サラマンダー小野と丸太の皮を剥き
スーパー大工の遊さんと、大工でもなんでもないけど器用ないたるさんが、ログを刻み、積み、刻み、積み……。
途中からはカニクレーン(重機)という即戦力の新入社員のおかげで、なんとか走り終えることができました。ありがとう、カニクレーン。
完成と同時に修正の日々……
LAMP全員で作った「カクシ」ですが、思うように温まらない日々が続き……どうしてなんだろう……何が悪いんだろう……と毎日吐くほど悩みまくりました。
そこで救われた救済ブログ「Saunology」さんのブログ。
当初は熱のマニアックな話とか水の話とかなんのこっちゃわからなかったのですが、サウナを作って悩んだときには解決するヒントがたくさん書かれていました。
どうやら、断熱とか気密性とかが大事で、ありとあらゆる隙間を埋めて温めてみると、隙間風みたいなのがなくなり、温度が少し上がるようになったり、使っていたストーブが「輻射式」でサウナ室のつくりてきには「対流式」だから、熱がうまくサウナ室に回っていない…ストーブを囲んでいる素材は? レンガ。レンガは熱反射がよくないらしい! なんだよ! よくレンガで囲んでいるじゃないか騙された!
じゃあ、熱反射のいい素材って? 「鉄」! めちゃくちゃ身近なアイテムじゃん!
すぐにホームセンターにいき、鉄をカットしてもらい、間に入れてみるとまぁ不思議で温度が上がる上がる! 科学すごい!
知り合いのアイアン職人の方にオリジナルの鉄のBOXみたいなを作ってもらい、みんなで必死に入れてなんとかいいサウナに近づいていきました。
ストーブがぶっ壊れる
ある日、ストーブから煙がうっすらでるようになりました。そう、ストーブの負荷がすごすぎてストーブに穴が空いてしまったのです。
絶望の縁に立たされていたときに、知り合いのTTNEの皆さんからHARVIAのストーブを紹介してもらい、グッドタイミングで入れ替えることができて、無事にいいサウナへと変貌を遂げました。リアルに1年くらいPDCA回しまくって、相当強くなった。
まぁ、そんなこんなで、みんなで作った「カクシ」は3号棟、4号棟のコルメとネリャの双子が誕生してからは次男坊となり、責任感を持ち始めて、より多くの人を温めることができるようになりました。
昔は「ユクシ最高ですね!」みたいなコメントが多くて悔しい想いをしていたのですが、最近では「カクシ好きです!」という声が多くて涙ちょちょぎれですよ。
最近では、LAMPのデザイン番長サキさんの作ってくれたリースにセキレイが巣を作ったり、自然とサウナがうまく融合してきているな〜と思う日々です。
最後に
なぐり書きみたいなブログになりましたが、想いが溢れて溢れて文章にしないと爆発しそうだったので。僕たちはサウナ施設を作っているようで、楽園を作っていて(冗談抜きで)、なにかしんどいときに「ディズニーランド」を思い浮かべると、頑張れるんです。個人的に。
これからのテーマは「循環」。
どんどん進化するThe Sauna、LAMP野尻湖をどうか今後ともよろしくお願いします。
それでは、「サウナ、その先の楽園へ」を読んで、サウナの沼へ。
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