憧れのあの方と同じテレビ画面に収まった日
そろそろ私は、あの日のことを大いに語ってもいいような気がした。
私には人生において二回、一生分の運を使ったと思ったことがある。
つまり来世の分も運を使ってしまっている。来世はもう期待できない。
一つは2019年の冬、フジファブリック ・山内総一郎の弾き語りソロライブに当選し、最前列で夢のような時間を過ごせたこと。
そしてもう一つ。
遡ること2017年の夏。私がギリギリ20代だった時。
高校生の頃から敬愛している、エレファントカシマシの宮本浩次さんと地上波の同じテレビ画面に収まったことだ。
はい、自慢話です。
それでもよければ先に進んでください。
2017年のとある日。
エレカシファンクラブに所属している私の元に、一通のメールが届いた。
その内容はTBSで放送されている「A-Studio」にエレカシが出演すること、そしてその観覧客を募集しているというものだった。
募集要項によると年齢制限があり、私はギリギリ応募できる年齢であった。
これは!!
もしかすると、こういった機会はラストチャンスなのでは?!!
そう思い早速応募。
正直当選するなんて微塵も思っていなかった。
この時期には眉毛に白髪が生えるようになり、年齢を感じたりもしたが、一本だけだったので福毛だと思い込むようにしていた。
なのでその一本は大事に抜かないようにしていたのだ。
だがしかし、ついうっかりその福毛を抜いてしまった。
あーあと思ったのも束の間、その日のうちに「A-Studio」観覧当選のメールが届く。
私の眉毛の福毛は、奇しくもミサンガのような役割を果たしたのだ。
そんなことはどうでもよくて。
観覧当日。
TBSの「A-Studio」のスタジオへ、足を踏み入れた。
もうずっとソワソワしっぱなし。
前説では芸人さんが「リアクションは大きくお願いします!」など盛り上げてくれた。
そして収録開始。
MCの鶴瓶さんと当時のアシスタントであるemmaちゃんが登場。
少しお話しした後に、エレカシの皆さんが目の前に現れた。
もう十何年もファンを続け、何回もライブに行っているのに。
普段は四人揃ってバラエティーに出演することは殆どなく、その貴重な場面をこの目と耳に直接焼き付けることができるなんて思いもしなかった。
四人のこれまでの沢山のエピソードをお話ししてくれた。
放送では尺の都合上カットされた部分もあるので、それはそれは本当に貴重で。
憧れの方が目の前で楽しそうに話している。
幸せ。ありがとう。もう悔いはありません。
トークが終わると、エレカシのライブの収録のターンに。
トークの時は座っていたのだが、ライブ時は立ってくださいとの指示を受ける。
えっ?こんな近くで聴けるの?いいの?
こんなふうに思ったほどに、敬愛する宮本さんがすぐ近くで歌の準備をする。
隣にいた女性と小さな声で「ヤバイですね」とお話しした。
披露した曲は「悲しみの果て」と「今宵の月のように」。
それはそれは、それはそれは。
至福の時間で、全てが幸せで、今死んでもいい。いや今死なせて。
いつものライブのノリで、うっかり腕を突き上げそうになるのを堪えた。
そんなこんなで収録は終わり、フワフワした気持ちで帰路に就く。
それからしばらく経ち、「A-Studio」放送日。テレビの前で待ち構えていた。
ちょくちょく私も映ってるなぁなんて思いつつ、一度聴いたトークを楽しむ。
そして人生の宝物にもなった、あのライブの放送が始まる。
「今宵の月のように」の時にその瞬間は訪れた。
宮本さん越しのマイクケーブル越しに私が映ってる!!!!!
こんなことがあってよいのか?
いや、よいのだ。
敬愛する宮本さんと同じテレビ画面に収まる日が来るなんて。
神様、仏様、おじいちゃん、お父さん、色んな方、ありがとう。
生きててよかったです。
ちなみに、めちゃくちゃうっとりした顔でのーこは映ってます。
私、ライブの時いつもこんな顔してるのね。
多分なんですけど、私の人生のマイナス分ってこういう時にプラスになって返ってきてるんですよ。
そうだとしたら悪くねえなと思ったりもします。
はい、ただの自慢話でした。
たまには私の幸せ話をしてもよいでしょう。
せっかくなので今回は「今宵の月のように」のMVを。
今は憧れですが、昔はガチ恋してたんですよねぇ。
年齢を重ねて、ソロ活動も始めて、更に魅力が増して。
カッコいいんすよ。本当に。
エレカシの新曲、ゆっくりでいいんでずっと待ってます!!