クラッシックとハードロック、 そしてものづくり、デザインへ
イギリスのハードロックバンドを挙げて、クラッシックを感じると言いましたが、イギリスだけでなく、私の聴いているヨーロッパのハードロックバンドはそういう感じを持っっています。言い方を変えると、「だから好きで聴いている」というだけなのですが。スエーデンのギタリストでイングベイ・マルムスティーンという人がいまして、その人が「最も影響を受けた人は?」という問いに対して一言、「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ」。とてもかっこよかったです。なんとなくですが分かるような気がします。ギターの音は、私の好きなゴリゴリなのですが、メロディーが本当になんとなくなのですが、クラッシックを感じるのです。聴いてみてください。インストゥルメンタルで"Krakatau”。意味は「インドネシア、ジャワ・スマトラ両島の間の小島にある活火山のこと」です。場所は置いておいて「活火山」感はあると思います。
聴いて分かる通り、ものすごい速弾きなのです。そして大好きなマイナーコードで、音はゴリゴリ。この曲を初めて聞いた時は落雷を受けた感じでした。決して大げさではなく。それまでこんな曲聴いたことがなかったので、とにかく突き刺さりました。
youtubeでギターを弾いている人で、Tina Sというフランス人の女性がいます。youtubeの映像は彼女が高校生の時だったと思います。始まりはクラッシックギターでした。そんな彼女が、ベートーベンの「月光 第三楽章」を弾いているのですが、信じられないくらいすごいです。クラッシックがこれほどギターにきれいにのっかってるのかと驚きました。他にyoutubeでギターを弾いている人たちがいますが、私はどうもピンときません。クラッシック寄りなんです。楽器を替えただけのような感じです。しかし、Tina Sの場合は違うのです。”ハード・ロック”なのです。ベートーベン知らない人は「カッコいい曲だね!」とすんなり受け止められる、そういう演奏です。ピアノはいくつも聞いたことがありますし、素晴らしい曲だと思います。ちょっとロックっぽいというか、ロックに通ずるというか、そんな感じを持っていました。とにかくTina Sの「月光」はすごいですよ。
自分の曲にしています。技術も凄いし、音もかなりハードですし、ピアノの曲ですから、ギターになった時の指使いが凄いですよね。両手タッピングとスウィープ気味のフィンガーピッキングを駆使した凄いプレイはネット上でも大反響を呼びました。とにかく「かっこいい!」です。こればっかりですが、正直な想いです。ただこのギタリストは、私の狭い知識の中ではオリジナルの曲は出していないと思います。
ここでかなり話が変わりますが、私は自分の事務所を構え、建築の設計を生業としていてます。他にも、家具デザイン、小物のデザインなどしています。いわゆる「ものづくり」が仕事です。これまで紹介してきたバンドは魏テクニックとクリエイティビティの両方があって成立すると思っています。しかし、Tina Sはテクニックはものすごいのですが、(本人の意思は知りませんが)クリエイティビティの力があるのかが分かりません。音楽も「ものづくり」の一つだと思っています。テクニック=技術があって、その先に何があるのかによって、これから先の方向が全く違ってくると思います。建築、家具、小物のデザインをしているときに、いろいろと思うことがあります。「デザインとは何か?」「創造性?オリジナリティ?」。何なのでしょうか。
これまでロックの話をしてきましたが、これからは「ものづくり」、「デザイン」の話をしていきたいと思います。ものすごい変わりようですが宜しくお願いします。