田んぼ脇の治療院
その治療院は田んぼの脇の藪を入った所に入り口があって、先生はいつも身なりを整えて必ず時間に待っていてくれる。私は都会人のそれで、乗り物がとか、仕事でとかの理由で予約を変更してもらうことも頻繁だったし、遅れて行ったり、随分時間が過ぎてから連絡したこともあったが、いつでも「次は気をつけてくださいね」と言いながらスッと施術を始めてくれる。
言い訳になってしまうが、毎日二回通う訳だから、こちらも根気がいる。わずか5分のために通い続けた訳だから、よくやったなぁとも思うが、命に関わる訳だからそれが普通だろう。具合が悪くて先生の所に行くのを心待ちにしたこともある。
ところでその先生だが白いものを着ていた気もするが、紺色の作務衣の様なものの時もあった様な気がするが、よく分からず、男性であることは確かだと思うが、年齢なども分からない。
場所は自分の家の台所の丸椅子だったり、ソファーだったり、時間になったらそこに腰掛けて「お願いします」、「今日はどうでした?」と言った会話から始まるが、支持された場所に実際には自分で手を置くと、暖かくなって来て施術が始まる。おかしな事を言うと思うだろう。田んぼの脇の治療院に通っているはずなのに、どうしてお前の家の台所なのだ?と思っているのではないかと思う。自分でも頭がおかしくなったのではないか?と疑うことがあるが、そうやって丸椅子に座ると、先生は必ず様子を聞いてくれて、施術後はかなり良くなるし、時間を置いてケロっと良くなる事さえあるのた。それを数年続けた後、右胸脇の詰まりの様な鈍い痛みは治ったのだ。
何年かは先生のことすら忘れる位の体調の年齢なりの普通の日々が続いたが、それが久しぶりに先週くらいから復活してしまった。随分悪い感じがする。
フィクション小説を書いてみようと思って始まりました。続くといいな。
読んでくださってありがとうございます。どうか素晴らしい一日を!