2020(令2)コンクリート主任技士-問題考察編(途中で力付きた)
問1〜5
問1.セメントの水和反応に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) 生成された水酸化カルシウムは、セメント硬化体をアルカリ性に保ち、ポゾランの可溶性シリ力やアルミナと反応して安定な化合物を生成する。
(2) せっこうは、けい酸三カルシウム(C3S)の水和を抑制し、セメントの急結を防止する。
(3) 常温常圧下での主な生成物は、けい酸カルシウム水和物と水酸化カルシウムである。
(4) オートクレーブ養生のような高温高圧下では、結晶性のトバモライトという強度の高い水和物が生成される。
せっこうはC3Aの反応を抑制すると覚えていたのであまり迷いませんでした。(3)はエトリンガイトとモノサルフェートもあるのでは?と思いましが主な〜というとことがミソなのでしょう。(4)は初めて見ましたが考えませんでした。
問2.表乾状態の細骨材500. 0gを105 ℃で一定質量となるまで乾燥させた後、デシケータ内で室温まで冷却し、その質量を測定したところ490. 5gであった。また、この細骨材のふるい分け試験結果は下表の通りであった。この細骨材の吸水率と粗粒率の組合せのうち、正しいものはどれか。
寸法(mm) 10 5 2.5 1.2 0.6 0.3 0.15
各ふるいを通過する質量分率( % ) 100 98 83 63 45 26 6
吸水率 % 粗粒率
(1) 1.90 2.79
(2) 1.90 3.21
(3) 1.94 2.79
(4) 1.94 3.21
吸水率や表面水率は質量が軽い方で割るのが定義されています。また粗粒率はふるいを"通らない"もので定義されています。骨材の最大寸法はふるいを"通る"もので定義されていたりごちゃごちゃになります。もちろん問題も両方で出されることがあります。
問3.各種混和材を用いたコンクリートに関する一般的な記述のうち、 不適当なものはどれか。
(1) 高炉スラグ微粉末を用いた場合、 その比表面積が小さくなるほど、 反応が緩やかになるため、 コンクリートの断熱温度上昇速度は小さくなる。
(2) フライアッシュを用いると、 ポゾラン反応によって組織が緻密化するが、 湿潤養生が十分でないと、凍害による表面劣化の増大や強度不足を招きやすくなる。
(3) 膨張材を用いると、工トリンガイトや水酸化カルシウムの結晶の生成量の増大によりコンクリートは膨張するため、収縮ひび割れの低減に効果がある。
(4) シリカフュームを用いると、マイクロフィラー効果によって組織が緻密化するが、この効果は水結合材比小さなコンクリートほど顕著である。
これも過去問に出ています。全ての選択肢で見たことがありました。
問4.鋼材に関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか。
(1) 異形棒鋼では、棒鋼の径によらず表面に設けられた突起の高さは同じである。
(2) 降伏点が明確でないPC鋼材の場合、永久ひずみが0.1%の時の荷重を原断面積で除した値を耐力とし、降伏点の代用としている。
(3) PC鋼材に引張応力を与えー定の長さを保った場合、時間が経過しても引張応力は一定に保たれる。
(4) 鉄筋の弾性係数(ヤング係数)は降伏点の大きさによらずほぼ等しいので、降伏点が大きい鉄筋の方が降伏点に達した時の伸びは大きくなる。
これも過去問に出ています。(2)〜(4)を選択肢で見たことがありました。(1)は初めて見ましたが普通に考えて誤りだと判断できます。
問5.コンクリート分野の環境問題に関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか。
(1) セメント製造工程におけるセメント1kg当たりの二酸化炭素排出量は、高炉セメントB種の方が、フライアッシュセメントB種よりも少ない。
(2) セメント製造時に、原料や混合材、熱エネルギーとして、多量の副産物と産業廃棄物を活用しており、 その使用量はセメント1 トン当たり 100kg程度である。
(3) JISA5011-1~4 (コンクリート用スラグ骨材)では、環境安全性に配慮して、化学物質の溶出量や含有量の基準が規定されている。
(4) コンクリート塊の再資源化率は、我が国では90 %を上回っており、その大半は路盤材として再利用されている。
似た選択肢で見たことがありました。(2)と(4)は過去出ているはずです。(1)と(3)は普通に知りませんでした。
問6〜10
問6.コンクリートの配(調)合に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) JASS5では、海水の作用を受けるコンクリートについて、高炉セメントB種を用いる場合、水セメント比の最大値を普通ポルトランドセメントより大きくしている。
(2) 土木学会示方書では、軽量骨材ンクリートの空気量は、普通骨材コンクリートより1 %大きくすることを標準としている。
(3) 水中不分離性コンクリートの単位水量は、材料分離を防ぐために、一般のコンクリートに比べて少なくする。
(4) 一般の鋼繊維補強コンクリートにおいて、繊維の容積混入率を5 %とすると、コンクリートの練混ぜや繊維の分散に支障をきたす。
(1),(3),(4)は過去問で見たこがありますが,(2)が分かりませんでした。軽量コンクリートの空気量は基本は5%で+0.5%では?と思いました。(知識不足ですが過去問だけならそのような考えになるはずです。)
問7.水セメント比が50.0 %で、単位水量が170kg/m3、細骨材率が44.0 % 、空気量が4.5 %の配(調)合のコンクリートの製造において、細骨材の表面水率が3.0 % 、粗骨材の表面水率が0.5 %であったが、細骨材の表面水率を誤って0.3 %として計算し、コンクリートを製造した。1m3のコンクリートを製造するための本来の計量値に対して余計に量り取った水の質量として、次に示す値のうち、適当なものはどれか。ただし、セメントの密度は3.15 g/cm3、細骨材の表乾密度は2. 58g/cm3、粗骨材の表乾密度は2. 66g/cm3である。
(1) 5~7 kg
(2) 10~12 kg
(3) 20~22 kg
(4) 30~32 kg
新しいタイプの問題でしたが計量時や配合計画の量を整理しておけば十分です。ひねりはありませんでした。
問8.フレッシュコンクリートの試験に関する次の記述のうち、 不適当なものはどれか。
(1) JISA1150 (コンクリートのスランプフロー試験)は、 コンクリートのコンシステンシーを評価する試験の一つであり、 スランプコーンを引き上げ、 コンクリートの動きが止まった後に、 試料の広がりが最小と思われる直径と、 その直交する方向の直径を測定するものである。
(2) JISA115(コンクリートのJリングフロー試験方法)では、 Jリング内でスランプコーンを引き上げた後の、試料の直径の広がりをJリングフローとしている。
(3) JISA1160 (増粘剤含有高性能AE減水剤を使用した高流動コンクリートのワーカビリティーの評価基準)は、 JSA1150およびJISA1159の試験を実施してそれぞれの試験の結果を評価するとともに、 Jリングフロー、 PJ値およびブロッキング値によって間隙通過性を評価するものである。
(4) JISA1144 (フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度試験方法)附属書A (試料ろ液の採取が困難なフレッシュコンクリートからの試料ろ液の採取方法)は、粘性が高く試料ろ液の採取が困難なフレッシュコンクリート試料を水によって希釈し、試料ろ液を採取する方法である。
これは(1)以外見たことがありませんでした。そういう時は過去出題の選択肢が解答になることが多いんですよね。そういう意味では対応可能ですが。。過去問10年分で対応可能??←微妙
問9.コンクリートの凝結に関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか。
(1) JSA1147(コンクリートの凝結時間試験方法)に規定されるコンクリートの終結時間は、練混ぜが終了した時点から、 貫入抵抗値が28.0N/mm2に達するまでの経過時間のことである。
(2) JISA1147(コンクリートの凝結試験方法)によって測定されたコンクリートの始発時間は、JISR 5201 (セメントの物理試験方法)によって測定したそのコンクリートに用いたセメントの始発時間と同じである。
(3) 骨材に含まれるフミン酸やタンニン酸などの有機不純物が多いと、 アルカリ環境で水酸化カルシウムの生成を促進し、 コンクリートの凝結が早くなる。
(4) 超遅延剤はオキシカルボン酸やケイフッ化物を主成分とし、 セメント粒子の表面に吸着して水とセメントとの接触を一時的に遮断することで、 コンクリートの凝結を遅延させる。
これも十分対応可能ですが,悩みました。(2)のセメントの始発時間の基点が分かりませんでした。が(4)を一本釣りしました。
問10.コンクリートの強度や変形特性に関する次の一般的な記述のうち、 不適当なものはどれか。
(1) 弾性係数(ヤング係数)は、 圧縮強度や単位容積質量によって異なる。
(2) コンクリートの動弾性係数は、 静弾性係数よりも10~40%程度大きい値を示す。
(3) 引張強度は、圧縮強度の1 / 10~1 /13程度であるが、高強度になるほどの比率は大きく
(4) 鉄筋との付着強度は、 鉄筋の配置方向や表面状態によって異なる。
これも十分対応可能ですが,まさかの誤解答。(1)が間違いに見えました。(3)ももちろん過去問で見たことがありますが知識が曖昧だったので選びきれず。一級建築士の問題でもあったかな?
問11〜15
問11.一辺が100mmの正方形断面で、長さ400mmのコンクリート供試体に、 温度変化を与えた。次の記述の□に入る数値の組合せとして、適当なものはどれか。ただし、コンクリートには、自己収縮および乾燥収縮は生じないものとする。
「コンクリート供試体に20 ℃から60 ℃の温度変化を与えた時、20℃の時と比較してコンクリート供試体に500×10-6の膨張ひずみが生じた。このとき、コンクリート供試体の熱膨張係数は□x 10-6/℃となる。また、コンクリート供試体の長さは□mm膨張したことになる。」
(1) 10.0 0.2
(2) 12.5 0.5
(3) 12.5 0.2
(4) 10.0 0.5
σ=EεやL/ΔL=εは覚えておくと便利。
問12.一般のコンクリートの中性化に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) 材齢9年の時のコンクリートの中性化深さが6mmの場合、材齢25年の時の中性化深さは10mmと推定される。
(2) 中性化と塩化物イオンの侵入が同時に進行する場合、 塩化物イオンは、コンクリートの中性化した領域に濃縮される。
(3) コンクリートの中性化速度は、 屋外側に比べて屋内側が一般的に速くなるが、 中性化した後の鋼材の腐食速度は、 屋内側のコンクリートの含水量が屋外側よりも少ない場合は、 屋内側のほうが遅くなる。
(4) 高炉セメントB種を用いたコンクリートの中性化速度は、 同一水セメント比の普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートよりも速い。
これは全ての選択肢を過去問で見たことがありました。中性化はよく出てくる問題なので正解しておきたいところですね。
問13.材料の計量およびコンクリートの練混ぜにする次の記述のうち、 JSA5308 (レディーミクストコンクリート)の規定に照らして、誤っているものはどれか。
(1) 連続濃度測定方法でスラッジ水の濃度を管理し、スラッジ固形分率が3 %以下となるように上澄水と混合して計量した。
(2) あらかじめ許容差内で計量してある混和剤と一緒に水を累加して計量し、 1回計量分量の計量値の許容差が、合計で3 %以下となるように管理した。
(3) JISA 1119 (ミキサで練り混ぜたコンクリート中のモルタルの差及び粗骨材量の差の試験方法) に規定される試験を行い、コンクリート中のモルタルの単位容積質量の差およびコンクリート中の単位粗骨材量の差を求め、練混ぜ量と練混ぜ時間を決定した。
(1) (4)JISA8603-2 (コンクリートミキサー第2部:練混ぜ性能試験方法)に規定される試験を行い、 コンクリート内の空気量、モルタル量、粗骨材量の偏差率、コンシステンシー(スランプ)および圧縮強度の偏差率を求め、使用するミキサの適合を確認した。
これも全ての選択肢を過去問で見たことがありました。1回練り混ぜの許容差は全て覚えてなければいけません。技士でも出てくる内容です。問題は混ぜた後が±1% or ±3%になるのか。普通に安全側になるのでしょう。こういうタイプの問題は初めて見ました。水の方が量が多いですしね。
問14.レディーミクストコンクリートに関する次の記述のうち、 JlSA5308 (レディーミクストコンクリート)の規定に照らして、誤っているものはどれか。
(1) レディーミクストコンクリートの種類として、呼び強度54、スランプフロー55㎝の高強度コンクリートを選定した。
(2) レディーミクストコンクリートの容積を、運搬車1台に積載されたコンクリートの全質量をフレッシュコンクリートの単位容積質量で除して求めた。
(3) 普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの塩化物含有量を、普通ポルトランドセメント中の塩化物イオンおよび配合設計に用いた単位セメント量との積に塩化物イオン残存比を乗じた値として求めた。
(4) レディーミクストコンクリートの運搬時間を、「レディーミクストコンクリート納入書」に記入される納入の発着時刻の差によって確認した。
(1)で悩みました。スランプフロー55cmなんてあったけ?というか見たことがないって感じでした。どうやら1cm刻みで発注できるみたいです。この問題は解答を一本釣りしましたけど他の解答も過去出ているはずです。(2)は似たものがあった気がします。多分。。。
問15.一般のコンクリートの圧送に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) コンクリートを低所圧送(下向き圧送)する場合、計画した打込み速度や圧送性が確保できる範囲で下向き垂直管の管径を小さくし、コンクリートの材料分離による閉塞を抑制した。
(2) コンクリートを低所圧送(下向き圧送)する場合、途中のべント管をできる限り少なくし、管内圧力損失を小さくした。
(3) コンクリートを高所圧送する場合、ポンプの出口に近い輸送管中にシャッターバルプを組み込み、コンクリートの逆流、脱水による材料分離を防止した。
(4) コンクリートを高所圧送する場合、コンクリートボンプ付近の輸送管は、管内の圧力に応じて肉厚の厚い輸送管を使用し、輸送管の破損を防止した。
これは今回初めて見ました。(3)はよく見る選択肢です。結構解答が曖昧だと思います。消去法だと思います。過去問だけでは即答はできないと思います。
問16〜20
問16.下図に示すような柱と梁のコンクリートの打込みに関して、施工上の打継目を設ける計画とした。
柱及び梁の打継目の位置の組合せとして、適当なものはどれか。
一般的な問題だと思いますが,梁は普通中央で打継ぎます。ヒンジ部分はありえないので消去法でいけます。ちなみに柱打継ぎを間違えました笑
問17.一般の建築において断面800×800mmの柱にコンクリートを打ち込み、 材齢7日にて脱型した。柱の中心部と表層部のコンクリートの強度発現、ならびに管理用の標準養生供試体と水中養生供試体の強度発現を概念的に示した下図において、強度発現を示す曲線の組合せとして適当なものはどれか ただし、セメントには普通ポルトランドセメントを用い、打込みから材齢28日までの外気温10°一定と仮定する。
中心部 表層部 現場水中養生供試体
(1) D B C
(2) B D C
(3) D C D
(4) B C D
問18.夏期の施工において、 超遅延剤を用いたスランプ18cmのコンクリートを、 断面800×800mm高さ4.5mの柱部材と、 厚さ250mm、 高さ4.5mの壁部材にそれぞれ打上がり速度(打込み速さ)1.5 m/hで打ち込んだ。 各部材の型枠の最下部に作用するコンクリートの側圧の経時変化を概念的に示した下図( 1)~(4)のうち、 適当なものはどれか。 なお、 超遅延剤を用いないスランプ18cmのコンクリートの柱部材の側圧分布を下図に示す。
問19.鉄筋の加工および組立てに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
(1) 土木学会示方書では、鉄筋は常温で加工することを原則とするが、加熱して加工をする場合には、あらかじめ材質を害さないことが確認された加工方法で、加工部の鉄筋温度を適切に管理して行うこととしている。
(2) 鉄筋のあきの最小値は、粗骨材の最大寸法や鉄筋径から定められるが、高流動コンクリートを使用する場合は、その値を小さくすることができる。
(3) JASS5では、鉄筋の曲げ加工を行う際の折曲げ内法直径の最大値が定められている。
(4) ガス圧接継手は、 同一種類の鉄筋であっても、 径が異なる鉄筋には、 いかなる場合にも用いるとはできない。
問20.暑中コンクリートの製造および施工計画に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) 同一スランプを得るための単位水量は、 練混ぜ温度10 ℃の増加に対して、 10 %程度多くなるものとして計画した。
(2) 運搬時間と日中の外気温の上昇を考慮して、 運搬中のコンクリート温度の上昇量を見込んで荷卸し時の温度を算出する計画した。
(3) コンクリートの練上がり温度を下げるためには、 粗骨材の温度を下げることが効果が高いと判断し、粗骨材の温度を下げる計画とした。
(4) コンクリート表面の急激な乾燥とプラスティック収縮ひび割れを防止するため、 表面を仕上げた後、直ちに膜養生剤を散布する計画とした。
問21〜25
問21.下図の曲線A~Dは、 普通ポルトランドセメントと低熱ポルトランドセメントを用いたコンクリートを幅10m×長さ10m、 厚さ1mおよび3mのスラブ状構造物に打ち込んだときの部材中心部の温度履歴を示したものである。 以下の表に示すセメントの種類と部材の厚さの組合せのうち、 適当なものはどれか。ただし、いずれの曲線も、単位セメント量は300kg/m3、打ち込み温度は20℃、外気温は20℃一定で、コンクリートは連続して打ち込んだものとする。
セメントの種類 部材の厚さ (1) (2) (3) (4)
普通ポルトランドセメント 1m C C D B
低熱ポルトランドセメント 3m A B C D
問22.高流動コンクリートに関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか。
(1) 高性能AE減水剤の使用量が多く流動性が高くなるので、圧送時の圧力損失が一般のコンクリートより小さくなる。
(2) 増粘剤系高流動コンクリートは、増粘剤によりセメントペーストや水の粘性を高めることにより材料分離抵抗性を付与するため、単位粉体量の増加を抑えることができる。
(3) 単位粗骨材量は、所定の間隙通過性を確保するため、一般のコンクリートに比べて大きい値に設定される。
(4) 高性能AE減水剤を多量に使用するので、一般のコンクリートよりも凝結が遅延し、コンクリート表面のこて仕上げが容易になる。
問23.鉄筋コクリート部材の設計に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) 水平力を受ける柱の曲げ変形能力は、軸力が大きい場合の方が小さい場合より大きい。
(2) 曲げを受ける梁では、圧縮力は主にコンクリートで負担させるが、圧縮鉄筋を配置するとコン クリートの負担が軽くなるため、最大荷重に達した後のコンクリートの圧縮破壊による急激な荷重低下を抑制できる。
(3) 鉄筋コンクリート梁では、せん断補強筋を密に配してせん断耐力を高め、せん断破壊よりも曲げ破壊を先行させる。
(4) 許容応力度設計法では、構造物は弾性挙動を仮定して設計され、荷重の種類および組合せや対応する許容応力度は、示方書や基準で定められている。
問24.鉄筋コンクリートラーメン構造に水平方向の等分布荷重が作用したとき発生するひび割れの状況を示した下図(1)~(4)のうち、適当なものはどれか。
問25.プレストレストコンクリートに関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
(1) プレテンション方式では、コンクリート打込み後、早期にプレストレスの導入が行われるため、初期強度の高いコンクリートが必要となる。
(2) 外ケーブル方式の定着部には、応力が集中するため、十分な補強が必要となる。
(3) プレストレスを導入することによって、梁部材の曲げひび割れ発生耐力は増加するが、曲げ終局耐力はほとんど変化しない。
(4) プレテンション方式では、鋼材が直接コンリートと付着しているのでコンクリートのクリープによるプレストレス量の経時変化は、考慮しなくてもよい。