建築のデジタル化-建築は「工業製品」に近づく-
1.米マッキンゼーが予測する建設産業の未来
少し古い記事になるが,建築は「工業製品」に近づくとマッキンゼーが予測をした。簡単にいうとゼネコンが建てているような建築はモジュール建築というものに変わっていくというものだ。
論文は無料公開されているのでちらっとでも見て興味を持ってくれると良いと思う。
2.モジュール建築とは
モジュール建築≒ユニット建築 日本で馴染みの深い言葉だとプレハブ住宅のようなものだ。いわばユニット(箱)をPCのように組み立てて建てていくというものである。プレパブ住宅と言われればコンテナのような不恰好なものを想像するが,今現在世界で建てられているものはだいぶ違う。
3.シンガポールで次々に完成するモジュール建築
下の画像を見て欲しい。
(出典: archiexpo)
これは2016年に建てられたシンガポールクラウンプラザホテルである。252の建築用コンテナを組み立てることにより建築された。おそらく基礎やコア部分は在来で基準階部分をユニットで組んでいるのであろう。
基礎工事を行なっている間にユニットとなる部分が作られるので工期が大幅に短縮されるし,品質も高いものになる。なにせ一番驚かされるのがその見た目の綺麗さである。
これだけ綺麗なファサードを有して作られるのであれば他設備が充実していればかなり良い建築のように感じる。
工事の様子がここから飛べるので見てみて欲しい
4.モジュール建築に必要不可欠なBIMの存在 -デジタルツイン-
ユニットは現場で組み立てられるので,設備配管やコアなど事前の十分な検討が必要となる。これだけ高度に絡みあうユニットを組み立てるとなれば3次元で検討するBIMが不可欠になってくる。3次元で検討するソフトは他にもあるが時勢からBIMを使用するといったことが増えてくるであろう。
その先駆けとして鹿島建設ではデジタルツインと評して「実物」と「仮想(BIM)」でそれぞれ丸々一棟を建てるといった試みがなされた。
さすがはスーパーゼネコンといったところであろう。
ここで筆者が一番気にしているのは,実際に現場で働いている施工管理者があまりの多忙さの為にBIMを習得する時間がないということだ。BIMはCADと違いはるかに難易度が高い。「できる人」「できない人」と分けられていくだろう。もちろん在来の建築技術(山留めなど)も必要ではあるが,それもBIMを使うことになるだろう。
5.おわりに
今回の記事は建設業がどのように未来を進むのかについて語ってみた。
私自身ゼネコン勤務で施工系であるので,今のままのうのうと生きていると非常にマズイなーと思ったので書いてみました!また面白い技術なんか紹介しています!ほなまた!
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